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テーマ:タイガース党(8265)
カテゴリ:阪神2008
さすが!金本、開幕白星へ千金2点三塁打!お立ち台でウルウルお立ち台で笑顔が弾けた金本(右は今岡、撮影・安部光翁)。しかし、途中でこの表情、ウルウル発進となった(下) (セ・リーグ、阪神4-2横浜、1回戦、阪神1勝、28日、京セラD大阪)アニキ復活! ウルウル発進!! 阪神・金本知憲外野手(39)が横浜戦(京セラD)の四回、同点の2点三塁打。チームの4年ぶりの開幕白星に貢献し、お立ち台では関係者へ感謝の弁。まさに“快幕”。トラが最高のスタートを切った。 ◇ まさか、最初のヒーローになるとは…。左ひざ手術から復活をかけるシーズンで、金本がいきなりお立ち台に立った。プレシーズンを通じて18打席ぶりのヒットは貴重な同点3塁打。万感の思いをかみしめた。 「個人的なことになりますが手術をして、開幕に(グラウンドに)立てて、監督、コーチ、そしてつきっきりでリハビリをしてくれた石原コーチ(実際はチーフトレーナー補佐)に、お礼をいいたい。そしてファンのみなさま、ありがとうございました」 その瞳は、うるんでいるように見えた。異例のあいさつに、復帰を支えてくれたスタッフ、応援してくれたファンへの深い感謝の念を込めた。 トラの最高のスタートを引き寄せる同点三塁打を放った金本 2点を追う四回一死一、二塁。好機で第2打席に立った。カウント1-2から真ん中低めの直球をフルスイング。「あれは振りにいったんやけどな。2ストライクになって、合わせることを意識した」。1球ボールの後、高めの甘い直球を鮮やかにとらえた。 右中間に深々と突き刺さる打球を確認して全力疾走。三塁まで到達してた。直後、今岡の勝ち越しタイムリーで生還。4年ぶりの白星発進をもたらし、横浜相手の開幕戦も6連敗で止めた。 「中継プレーがホームにリレーされたので、迷わず三塁へ行った。ひざ? 全然大丈夫です」 ようやく笑みがこぼれた。ここにたどり着くまでの苦難が報われた。昨年10月、左ひざの半月板部分切除手術を受けた。リハビリに専念するため1月末からチームを離れて米ロサンゼルスで単身キャンプ。グラウンドに出る前に毎日、30分ほど屋内でリハビリに励んだ。消えない痛みに、アブラ汗とともに声にならない叫びをあげた。開幕に間に合わせるため、苦痛と戦った。 そんな日々が、走馬燈のように駆けめぐった。割れんばかりの拍手も、目がくらむほどのフラッシュも、この日ばかりは別格だった。「公式戦なら、(ひざの不安とか)そういうことはいってられない。常に全力でやる選手だから」。岡田監督も、復活に目を細めた。 2000安打へ、あと12本。「(チームの)足を引っ張らなくてよかった。(クリーンアップの)3人で333打点くらい、いきたいッすね」。ジョークで笑わせた。優勝した05年を彷彿させる今岡との“連打”。何より新井もいる。今年も猛虎の先頭に立つのはこの男。鉄人が熱く、激しく、ファンのハートをひきつけながら船出した。 「いけぇ! よっしゃ!!」5番・今岡が執着の勝ち越し打 これが今年の誠スタイル。今岡の執着心が08年初星を呼びこんだ。 「あの場面は走者をかえすことだけ。打点が付いたのがよかったね」 気迫が違った。金本の値千金打で同点に追いついた直後の四回一死三塁だ。寺原の外角スライダーに食らいついた。「いけぇ! よっしゃ!!」。前進守備の二遊間を破ると、さけびながら一塁ベースをけった。一気にたたみ掛ける勝ち越し打。「走者をかえせてよかった」。5番の仕事をこなせたことが、素直にうれしかった。 2年連続の打撃不振に加え、プレシーズン終盤で24打席連続無安打の急ブレーキ。今年もアカンのか…。心配の声は尽きなかった。だが、今岡は前向きだった。「最後の試合でヒット1本出たし、流れが変わる感じがある」。昨年12月に亡くなった島野育夫氏から口酸っぱくいわれた「自分自身が大事」という言葉を思いだし、最後まで己を信じ抜いた。 「打点は勝利に直結する。きょうみたいな仕事を1年間やりたい」 粘り強さが増した05年打点王が、復権の一歩を力強く踏み出した。 安藤、虎1番星!粘投5回2失点…初の開幕投手大役果たした 大役を果たしても、満足度は低かった。プロ7年目で初の開幕投手を務めた安藤に、笑顔はなかった。 「最低の中の最低限の仕事だったと思います。少なくとも6回か7回は投げたかった。周りにはそのぐらい期待されていたから、きょうは不本意です」 初回は打者3人でピシャリ。だが、二回、先頭の村田に四球を出すと、吉村の右前打などで一、三塁に。小関の一ゴロの間で先制点を献上した。さらに四回にも相川に左前へ適時打を浴びた。二回以降は毎回走者を背負う苦しい投球だが、追い込んでからのフォークで窮地を脱した。 5回を7安打の2失点。四回の打線の援護で勝利投手の権利を得た。球数は103球。JFKへ直接バトンを渡せなかった自分がふがいなかった。 昨年は2勝3敗。ポスト井川の一番手として開幕投手に期待されながら、キャンプ中に右肩痛などで離脱した。ふがいないシーズンはもうおくりたくない。オフには入団時の担当だった池之上スカウトに「開幕投手を目指してやります」と打ち明けた。無休でトレーニングに取り組み、クリスマスイブも返上して投げ込んだ。男の約束を信じて、京セラDに駆けつけた同スカウトの前で苦しみながらも開幕白星をつかんだ。 「1点を取られた後も、辛抱した。プレッシャーなんかな。いっぱいいっぱいやったな。この1勝で全然違うからな。負けを勝ちにしてもらったんやから」。岡田監督は次回登板での巻き返しに期待を込めた。「(開幕は)独特の雰囲気があったし、普段以上に疲れた」という安藤も肩の荷が下りた。反省いっぱいのこの白星を糧にして、これからはグイグイと先発陣を引っ張っていく。 ★重圧の中よく投げた安藤 安藤は初めての開幕投手という重圧を受けながらも、自分の投球を心掛けていた。不運なヒットが何本かあったこともあって、より慎重に投げたために、球数は増えてしまったが、決して悪い内容ではなかった。走者を許してから粘れたことも、大きな収穫だと思う。 岡田監督から1年間投手の柱で、という期待を込めて任された大役だったが、十分にその仕事は果たしてくれそうな投球だった。本人は7回ぐらいまで投げたかったと思うが、開幕したばかり。徐々に投球回数は伸ばしていけばいい。 最後に出てきた藤川にも開幕のプレッシャーが感じられた。その緊張感がちょっとバタバタした感じのする内容になっていたが、こちらも安藤同様、心配することはない。ボールのキレ、キャンプ以来課題としてきたフォークのコントロールも、私には大丈夫と映った。 ただ、藤川の場合、相手が慣れてきたこと。さらに『打倒藤川』に集中して臨んできていることは、肝に銘じる必要があるだろう。 ★赤星「気持ちがいいですね」 赤星は4年ぶりの開幕戦勝利を喜んだ。「いいスタートを切れた。3年間負けていたので、勝てて気持ちがいいですね」。笑顔で振り返った。 「あした(29日)は1、2番でチャンスを作りたい」。初戦はともに快音なしだった平野との俊足コンビでの、かく乱戦法に意欲を燃やした。 ★矢野、救援陣ねぎらう 矢野は2点リードを守りきった4人のリリーフ陣をねぎらった。「みんなテンポよく投げていた。ウチの勝ちパターンでしっかり投げてくれた。投手陣にはいいスタートになったね」。 リード面では及第点だったが、自身の打撃は3打数無安打。「今年は打って投手陣を助けたい」が口癖の正妻、今度はバットでの援護を誓った。 ★フォード、ハッスルしたが… フォードは2打数無安打。しかし、三回には投ゴロに一塁へ全力ダッシュするなど、ハッスルの一端は見せた。「ベンチも、球場もすごくエキサイトしている雰囲気だった」と虎の公式戦の盛り上がりにビックリ。打撃には「開幕なので、打とうという気持ちが強すぎた。振ってはいけないボールまで振っちゃった」と反省しきりだった。 葛城&平野がダメ押しだ!!「初日に最高の形になりました」 主役がたぐり寄せた流れに乗って、脇役がすかさずダメを押した。貴重な4点目は、葛城&平野の必死さが実った。 「あそこで点が取れると取れないとでは、全然違ってくる。(シーズン)初日に最高の形になりました」 葛城が声を弾ませる。1点リードの五回、先発・安藤の代打で登場。2番手・入来から左翼線二塁打を放つと、三進後に平野の左翼への犠邪飛で迷わずスタートを切った。「僕なりのスライディングです」。際どいタイミングだったが、土煙を上げながらホームイン。何とかしたい。その一心の激走だった。 「必死です。とにかくチームに貢献したいですから」と移籍初打点をマークした平野は、充実の汗をぬぐった。クセ者がそろった08年猛虎打線はひと味違う。 タテジマ新井が初安打!アニキの殊勲打で激走、同点ホーム! アニキの復活打をサポートする激走。新井が足で魅せた。 「そりゃもう、必死で走りました。ホームに絶対にかえるんだと思って」 四回一死一塁で四球を選んで、好機を広げた。金本の打球に本能で反応。ストップをかけた三塁コーチャーの和田守備走塁コーチは「オレを振り切るくらいのスピードだった」と振り返った。同点のスライディング。制止を“無視”する好走塁に「当たり前、当たり前」。金本の笑顔が、最高のホメ言葉だった。 五回二死では2番手・入来から右前に初安打をマーク。「開幕戦で勝ててよかった。自分の中では移籍して初めての、特別な試合だった。そういう日に勝って思い出に残る試合になると思う」。タテジマでの白星発進。真の虎戦士として一歩を踏み出した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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