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テーマ:タイガース党(8265)
カテゴリ:阪神2009
阪神・能見、投げて11勝打って2タイムリー
これが虎の執念だ。クライマックスシリーズ(CS)進出を目指す阪神は先発・能見篤史投手(30)が投打で大暴れ。プロ初を含む2本のタイムリーを放ち、中日とのプレCS第1ステージ初戦をモノにした。4位ヤクルトとはいぜん0.5ゲーム差。残り9試合、必死のパッチ野球で3位を死守する。 無我夢中で食らいついた。1点リードの五回一死二、三塁。能見が内角球を右前に弾き返した。窮屈そうに打ったが、打球は野手と見間違うかのような糸を引くライナー性。右前で弾むプロ初のタイムリーが貴重な追加点となった。 「振ったら当たった。たまたまです。(でも打てなかったら)練習している意味がないじゃないですか」」 投手といえども9番目の打者に変わりない。仮想クライマックス・シリーズ第1ステージ初戦。左のエースの執念が、バットに乗りうつった。目の前で狩野が敬遠された六回二死一、二塁にも右前に運び、リードを4点に広げた。自身初のマルチ安打&2打点。「マグレですよ」とおどけたが、難敵吉見を沈める一打はまさに千金。投げては7回5安打2失点で11勝目(9敗)。打って投げて、敵地ナゴヤドームが能見の独り舞台になった。 オフの集まりで後援者から「10勝すれば、ご褒美をやろうか」と持ちかけられた。「いいですね」と即答。しかし、次の提案には尻込みしてしまった。「打つ方も何かやるか。ヒット5本はどうだ?」 昨季は自身初の未勝利。先発ローテに入れるかどうか分からない。打席に立つ自信がなく、辞退したが、この日のタイムリー2本で今季のヒットはお約束達成の5本目。なんともうれしい誤算となった。 開幕1軍切符をつかんだが、序盤は白星に恵まれなかった。5月中旬まで3勝5敗。焦り、不安…無数の思いが交錯した。そんな中で迎えた5月28日の30歳の誕生日。甲子園から自宅に戻ると同い年の千江子夫人がケーキを用意してくれていた。そして昨年4月に生まれたばかりのまな娘も眠い目をこすりながら起きていた。 「僕が野球選手ってわかっているのかなぁ。いつも寝ずに待っていてくれるんだ」 2軍落ちして鳴尾浜で汗を流しているときよりは家族で一緒に過ごす時間ははるかに短くなった。守るべきものがある以上、男になるしかない。 七回に井上に2点適時打を許したが、六回まではゼロ行進。危なげなかった。 「スコアボードに『0』を並べれば何とかなると思った。勝ちに向かって、みんながやっているので、(これからも)大丈夫です。チームが勝ったことが一番。目の前の試合を戦っていくだけです」 真弓監督は「直球が軸のときは球がキレている。自分のペースで投げられている」と太鼓判を押した。残り10試合。登板はあと2回-。3位死守へ、背番号14が最後の力を振り絞る。 能見2打点&11勝目!阪神3位をキープ 阪神は先発の能見が7回2失点で11勝目。能見は五回と六回にタイムリーを放ち2打点を挙げ、投打に活躍した。阪神は4位ヤクルトと0.5差のまま3位をキープした。 マウンドで、そして打席で。能見が躍動した。 「やることは一緒ですから。とりあえず、一戦一戦頑張るだけです」 前日24日の投手指名練習後、今季初となる中日打線の印象を問われて、短い言葉に力を込めた。最近10試合で7勝2敗。オープン戦から開幕ローテを勝ち取ったときの勢いが戻ってきた。中日戦は通算0勝3敗、防御率7・94。相性はよくないが、いままでの自分ではない。とにかく勝つしかなかった。 山口投手コーチは「(能見は)一気に崩れることが多いから、何とか自分で連鎖反応を止める工夫がほしい」と期待をかけた。3位を死守し、クライマックス・シリーズ(CS)に進出すれば、第1ステージで激突するのが中日だ。巨人の優勝が決まり、竜打線もポストシーズンをにらんで能見に牙をむく。それでも、六回までゼロを並べた。 必死な気持ちは、バットにも乗りうつった。五回一死二、三塁の第2打席。吉見の初球、内角高めの直球を強振した打球は二塁手の頭上を越え、右前に弾んだ。今季4本目の安打は初打点。「打ったのはストレート。振ったら当たりました」。自分でも目を丸くした。さらに、3点リードの六回二死一、二塁は、目の前で狩野が敬遠され右前打。自身初となるマルチ安打&2打点。 CSを見据え、能見が快調に飛ばした。 阪神、アッチソン&藤川ピシャリで17連勝 1球ごとにナゴヤドームの左翼席が揺れた。鉄壁のツープラトンだ。アッチソン&藤川のコンビが八、九回と連続3者凡退。完ぺきリレーで竜を封じ込めた。 「2点差だったので、そのまま(九回まで)持っていこうと。それだけを考えながら投げたよ」 アッチソンの口元に、笑みが浮かぶ。後半戦で藤川とともに登板した試合はこれで17連勝。頼れる右腕が、中日の追撃ムードをつみ取った。 七回に2点差に追いつかれ、八回から2番手で登板。まずは前田を初球、スライダーで遊ゴロに。セーフティーバントの奇襲を仕掛けてきた続く荒木を動じることなく軽快なフィールディングで難なく二死。最後はファウルで4球粘った井端を、外角高めのスライダーで見逃し三振に仕留めた。 3連投で今季登板はチーム最多の68試合目。しかし、疲労をこれっぽっちも見せずに、危なげなく3人で斬った。「全員でいい野球をやっているから、いい勢いが出ている」。助っ投が藤川へバトンをつないだ。 その藤川もクリーンアップ相手に完ぺきな内容。まず森野を足下へのカーブで二ゴロに仕留めると、ブランコには4球連続外角への真っすぐで圧倒して、見逃しの三振に。和田を外角への147キロ真っすぐで右邪飛に打ち取り、24セーブ目だ。 「あすも(投げる)準備はできている。いつでもいい結果が出せるように、がんばるよ」 藤川の分まで代弁したアッチソンの言葉が頼もしい。CS進出をかけた残り10試合。すべてに登板するつもりで、鉄壁のAFがスタンバイする。 阪神・新井、トラ初5戦連続打点 このワンチャンスしかないかもしれない。吉見の変化球に食らいつき、打ち返した。三遊間を打球が抜ける。新井が先制点たたき出し、勝利への流れをつくった。 「初球がフォークだったので、真っすぐ系に合わせてうまく(バットに)引っかかってくれました」 四回先頭の平野が二塁打で出塁。だが、鳥谷と金本が凡打で二死となった。先制機がしぼみそうになったが、カウント0-1からの2球目、131キロフォークに手を伸ばした。これで阪神移籍後初となる5試合連続打点。広島在籍時の2007年6月24日の楽天戦(広島)から、7月5日の中日戦(ナゴヤD)まで6試合連続を記録して以来となる打点ラッシュで、チームに勢いをつけた。 吉見は三回まで1安打と好投。多くのチャンスがありそうな雰囲気はなかっただけに、和田打撃コーチは「打たなければ嫌なムードになるところでよく打ってくれた」と絶賛。真弓監督も「しぶといバッティングをしてくれている」と信頼を口にした。六回先頭でも中前打でチャンスメークし、6試合連続安打と好調だ。 CS争いは激しさを増す。しかし、そこに悲壮感はない。 「後半戦が始まった時点で(3位・ヤクルトと)13.5ゲーム差だった。それがここまできた。失うものなんてない」 あくまで優勝を目指してやってきたから“3位狙い”は本意ではない。だが、自身の前半戦の打撃不振もあり、こうなった状況には責任を感じている。目の前の試合で貢献するしかない。だから万全でない体にムチを打つ。 背中と腰に張りを感じ22-23日と回避していた。この日は打撃練習も再開。感触を確かめるように打った。 「普通だよ。至って普通」。守備、走塁も通常通りにこなした。CSの挑戦権を得るためAクラスは死守しなければいけない。 「一戦一戦、残り試合もベストを尽くすだけ」 9月は打率.353、1本塁打、17打点。秋が深まるにつれ、勝負強さを増してきた。あと10試合。金本命名の“秋男”新井が、チームの命運を握っている。 阪神・新井が先制打「ベストを尽くす」 阪神の新井が四回、先制打を放った。2死二塁で吉見の外寄りのフォークボールを左前に運び「うまくバットに引っ掛かってくれた」と喜んだ。 3-0の六回にも先頭で中前打を放ち、能見の適時打で本塁を踏んだ。6試合連続安打に、5試合連続打点。腰や背中の張りで22、23日と回避していた試合前の打撃練習を、この日再開したばかり。痛みを抱えながらのプレーが続くが「残りの試合でベストを尽くす」と力を込めた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 26, 2009 08:02:59 AM
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