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2010/09/05(日)18:56

神様なめんな!虎・桧山、代打逆転V撃や

阪神2010(268)

神様なめんな!虎・桧山、代打逆転V撃や これが神様の神髄や! 阪神は1点を追う六回二死満塁で代打・桧山進次郎外野手(41)が逆転の2点適時打。直前に代打・林威助が敬遠される中で、神様が威信を示す一打で、5連勝に導いた。2位・巨人とは2ゲーム差とし、最短5日にもマジック20が点灯する。 固唾を飲んで見守る大観衆を総立ちにさせた。こんな時のために切り札がいる。代打・桧山の真骨頂。大勝の続いていた虎が、苦しい試合をひと振りでひっくり返した。  「ネクストサークルでウェイツー(林)が敬遠されたんで、気にしないようにしました。何とかチームのために打てて、良かったです」  1-2の六回だ。二死二、三塁で代打・林。ネクストに桧山がいたにもかかわらず横浜は敬遠を選んだ。なめるな-。しかし百戦錬磨の心にはさざ波さえ立たなかった。  「変に意識するとリキんだりするからね」。1球目。甘い143キロを見逃した。2球目は外角シュート系に空振り。「後悔というか『あちゃ~』となって、そのまま追い込まれてしまったから。切り替えて、食らいついていこうと」。3球目。同じシュート系の外角142キロに右腕だけでバットを伸ばした。鋭いライナーが中堅左に跳ねた。  「冷静に見えたかと思うけど…。心の中では、すごく喜んでたよ」  眼前の敬遠。初球見逃し。だが、修羅場の数が違う。今季は6月から17打席、2カ月も安打が出なかった。「焦りとかそういうのは通り越していたね」と話す。  「それが代打。結果がすべてなんだ」。達観した思いを、ただ1打席への集中へとつなげた。8月13日のヤクルト戦(京セラD)で脱出して以降、7打数5安打(1回2打席含む)、5打点。通算代打安打はセ単独6位の115本となり「照れますね」と頬を緩めた。  若手とも“融合”。高卒ルーキー秋山の無心で向かっていく姿に「すごく勉強させられた」と話した。26日の広島戦(京セラD)前のストレッチ中に、前日プロ初安打を放った2年目の上本と居合わせ、隣に座り込んだ。親子ほど離れた選手に経験を伝え、そして学ぶ。  「優勝を知らない選手もいる。知らん方が思い切ってできる部分もあるし、知っている怖さもある。いい感じでチームとしてやっていけたらね」  頼もしい切り札に、林の敬遠を見越して託した真弓監督は「ベテランらしい読みで、よく打ってくれた。こういう試合をモノにしていかないと」と最敬礼。2度のVを知る男も「競った試合で勝ってよかった。これからもっといい試合、競った試合が多くなると思う」と腕をぶした。  「観戦にこられた方もテレビで見ている方も、一緒に戦わないと、頂点を目指せません!」  今季3度目の5連勝で今季最多タイ貯金16。最短5日にもM20が灯る。巨人とは2差。生え抜き19年目のベテランの存在が、V戦線を勝ち抜く力になる。 阪神・代打桧山、一振りで逆転勝利に導く 阪神はベテランの一振りがチームを逆転勝利に導いた。1点を追う六回。2死二、三塁で代打に立った林威助が敬遠された。ネクストバッターズサークルの桧山は「変に力が入ったりするから、気にせんように」と静かに出番を待った。  満塁で代打をコールされて、41歳が打席に向かう。1ストライクからの2球目。外角高めの速い球にスイングをあわせられず、早くも追い込まれた。「食らいついて、何とかせなあかん」と待った3球目。同じ速球がほぼ同じコースにきた。振り出したバットが白球をとらえる。2者がかえる適時打に歓声のボルテージが一段と増した。  「外しにきた球が中に入ったとは思う」と振り返るものの、技ありの一打。5連勝の真弓監督は「ベテランらしい読みで打ってくれた」と称賛した。  猛打が持ち味の打線も毎試合、爆発というわけにはいかない。五回まで1点と競り合いに持ち込まれていた。苦しみながら得た今季3度目の5連勝が持つ意味を桧山はこう説いた。「どんどん競った試合が多くなってくるやろうから、そういう試合に勝って良かった」。2度の優勝を知る「仕事人」は優勝争いで欠かせない戦力だ。 メッセンジャー(約1カ月ぶりの4勝目) 「前回勝ってからいい時も悪い時もあったが、毎回切り替えるしかないと思っていた」 平野(前日はバント失敗もあり無安打だったが、この日3安打) 「きのうは皆さんに助けてもらったんで、今日は自分が助けようと毎回打席に立った」 阪神・桧山が逆転打!今季3度目の5連勝 阪神は先発のメッセンジャーが6回2失点の投球も横浜にリードを許す。しかし六回に代打・桧山の逆転適時打で勝利を手にした。  試合の分岐点をモノにするから“神様”と呼ばれる。勝利を呼びこむ打球が、遊撃手の頭上を抜ける。まさに値千金の一打。これぞ桧山の真骨頂。『代打の神様』と呼ばれる理由を、まざまざと見せつけた。  1点を追う六回だ。新井、ブラゼルの連続右前打を足がかりに作った、二死二、三塁の好機。代打・林が敬遠されるのを、ネクストバッターズサークルから見つめながら集中力を高めた。  二死満塁での切り札登場に、アルプスが沸く。そして、2ストライクと追い込まれた3球目。シュート回転し甘く入ってきた142キロを、鮮やかに弾き返した。  「初球を見逃してしまったから、後悔というか、“あちゃ~”という気持ちになって、そのまま追い込まれてしまったから、気持ちを切り替えて、何とか食らいついていこうと考えていました」  執念の2点タイムリーで、苦しい展開を強いられた序盤のビハインドを跳ね返した。  1点を追う一回二死満塁では、金本が左飛に倒れ、同点機を逃した。二回二死二塁から、マートンが左前へ。「いい当たりではなかったけど、いいところに転がってくれた」。しぶとい一打で同点に追いつくが、四回にメッセンジャーがハーパーに勝ち越しソロを浴び、再び追う展開になった。  五回も二死二塁の好機を作るが、鳥谷が空振りの三振。ここまで阪神戦に今季2度登板し、計5回1/3イニングを投げて無失点に抑えていた変則右腕に、抑え込まれていた。  しかしメッセンジャーが2失点で粘り、中継ぎ陣もふんばりを見せると、六回に打線が奮起。“神様”のらしい一撃で、勝利を引き寄せた。2位・巨人は試合がなく、ゲーム差は『2』に広がった。しっかりと接戦を制した。今季3度目の5連勝で、対横浜戦ではこれで9連勝。猛虎の勢いは止まりそうもない。 連夜の大台到達!虎・ブラゼル100打点 甲子園での点の取り方は体で覚えている。ブラゼルの放った打球が浜風に乗り、十分な飛距離を稼ぐ。地味ながら、しっかりとした5番の働きがキラリと光る。連日の大台到達。虎の助っ人列伝に、またもその名前を刻みつけた。  「自分としては100打点は大きな数字だと思っている。ただ、まだ終わりじゃない。これからも打点を挙げてチームに貢献していきたい」  ポイントゲッターの役割を果たした。1点リードの七回一死二、三塁。冷静に試合の流れを読んだ。「ホームラン狙いじゃない。打点を挙げるために、とにかく打球をあげようと思った」。狙い通り。2番手・真田の直球を左翼へ打ち上げた。  犠飛で1点を追加し、阪神の助っ人では2003年のアリアス以来の大台に乗せた。さらに前日1日に到達した40発とのダブル達成は、1986年のバース(47本、109打点)以来。史上最強の助っ人に、また少し近づいた。  貴重な追加点だけじゃない。1点を追う六回には、無死一塁から痛烈なライナーで右前へ。好機拡大の一打で、桧山の逆転タイムリーにつなげた。5試合連続安打&打点をマークする活躍で、打線をけん引すれば、チームも5試合連続の2けた安打だ。  「真弓監督や木戸コーチが毎日グラウンドに出て声を出したり、ノックを打っているのを見ると、『オレも頑張らないと』と思えるんだよ」  米国ではノック専用の機械があるなど、監督やヘッドコーチが練習で自らバットを振ることは少ない。  キャッチボールや守備練習など、毎日一緒に汗を流してくれる指揮官らの姿に心を打たれると同時に、期待に応えようとバットを握り締めている。  「キャンプのときからずっとチームの雰囲気はいいし、お互いがいい結果を出すことが相乗効果になっていると思う」  自身の成績よりも、チーム全体の好調に胸を張った。大台到達も、おごりはない。優勝をつかみ取るまで、ブラゼルは打点を積み重ねていく。 虎打線3割6人!平野、首位打者へ1毛差 平成ダイナマイト打線が元祖を超えた。3割打者が、6人に到達。居並ぶ強打者を『線』としているのが平野だ。前日1日に犯した失敗を猛省していた働きマンが、反骨心むき出しの3安打。一夜でミスを帳消しにした。  「絶対にやり返してやると思っていた。きのう助けてもらったから、きょうはオレが助けるという気持ちが、いつも以上に強かったです」  1日の横浜戦(甲子園)で二、四回に2度の送りバント失敗。カバーしてくれたみんなに恩返しを誓って臨んだ一戦。  痛みも忘れるほど、必死だった。前日、最終打席で右手首に死球を受けた。この日の試合前、手首を触りながら「腫れもひいたんで大丈夫」と、言いながらも語尾には「たぶん…」。不安はあったが、手負いのガッツマンは迷わず戦場へと向かった。  一回に中前打で、周囲の心配顔を吹き飛ばすと、五回にも左翼線を破る左前打。そして七回、先頭で左前打を放ち今季15度目となる猛打賞を決めた。打率も・3516とし、1位の和田(中日)に1毛差と迫った。  平野が火付けとなり、打線はまたも2けた安打。城島も2安打を放ち3割に乗せ、ここに・300セクステットが完成した。球団記録は、1949年の5人。藤村富美男、別当薫、土井垣武が主軸を務め『ダイナマイト打線』と怖れられた、そう、あの“黒虎軍団”だ。8月に復刻版を着用し6試合を戦ったが、当時をも凌駕する勢いだ。  勝利の瞬間、誰よりも喜びを爆発させたのも、背番号5。「(きのうは)すいませんでした」の気持ちを込め“過ぎた”ハイタッチ。「木戸さんと山脇さんに慰謝料払えって怒られたよ」。その表情は充実感に満ちていた。

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