真っ赤なマグマ、青白い火山雷…新燃岳火口
噴火する霧島連山の新燃岳(27日午前4時30分)=永友武治さん撮影 新燃岳の火口からマグマが噴き出る様子を、宮崎県えびの市の登山ガイド永友武治さん(68)が27日に撮影した。
永友さんによると、同日午前4時半頃、標高1000メートル付近にある新燃岳登山口(鹿児島県霧島市)から撮影。黒煙が空を覆い、煙や火山灰などが噴き上がる際の摩擦で生じる青白い火山雷(かざんらい)も火口付近で見えたという。
永友さんは「マグマが1時間半ほど噴き出し続けていた。長く火山を撮影しているが、新燃岳でこれほど大規模な噴火を撮ったのは初めて」と話した。
新燃岳、爆発的噴火…噴煙3000メートル
鹿児島、宮崎県境の霧島連山・新燃(しんもえ)岳(1421メートル)は27日午後3時41分、大きな空気振動を伴う爆発的噴火を観測した。
噴煙は3000メートル近くに達し、両県の広い範囲で降灰が確認された。爆発的噴火は1959年2月以来、52年ぶり。噴火による気圧の変化で窓ガラスなどが揺れる「空振」と呼ばれる現象も、九州各地や高知、愛媛県で起きた。
鹿児島地方気象台によると、新燃岳は26日午前7時31分以降、小規模な噴火を継続。26日午後6時50分と、爆発的噴火が観測された27日午後3時41分は噴煙量が多い中規模噴火となった。
宮崎県では、都城、日南市などの農地約7000ヘクタールで降灰被害が確認された。新燃岳の南東約5キロにある都城市の県畜産公社では26日夕、直径約5センチの噴石が落下、事務所や車のガラスが割れた。鹿児島県側も志布志(しぶし)、曽於(そお)市などでキャベツや白菜に灰が積もった。