虎・スタン、2戦連続完投勝利で8勝目!
もはや猛虎史の名助っ人と比較しても、遜色ない存在感だ。スタンリッジが阪神の外国人投手では1989年のキーオ以来、22年ぶりの2戦連続完投勝利を成し遂げた。6安打1失点にまとめ、自身初の6連勝でチームトップの8勝目をゲットした。
「しっかり、低めに投げられたし、全部の球種がよかったよ」
最速150キロを計測した直球とカットボールを軸に竜打線の的を絞らせない。得意のカーブもアクセントに緩急自在の127球だった。真弓監督も「安定していました」と目尻を下げた。
この日、始球式を務めたのはサッカー女子W杯を制した、なでしこ戦士。マウンド上ではあいさつ程度で「ほとんど話す機会はなかったね」と振り返ったが、一回にはお株を奪う足さばきをみせた? 二死一塁から和田の打球を右ひざで弾いて、一塁手・関本へ“ナイスパス”(一ゴロ)。「ちょうどいいところに当たったよ」。体を張り、竜の攻撃を止めた。
これも何かの縁? 球宴休みで訪れたのもサッカーにゆかりのある場所だった。「淡路島に家族と行って、いい休日になったね」。宿泊したのはウェスティンホテル淡路。この施設は2002年の日韓W杯で一世を風びしたベッカム率いるイングランド代表の宿舎だった。いまも1階エントランスに飾られている同代表のサイン入りユニホームに目を奪われ、心を癒やした。“パワースポット”で英気を養い、充電満タンだった。
「もし、賞をいただけるなら光栄。だげど、チームの勝利が一番さ」
昨季は6、7月に負けなし5勝を重ね、今季も無傷の6勝だ。7月の成績は4試合で3勝を挙げ、驚異の防御率0・55。助っ投ではセ界初、史上3人目の連続月間MVPへ期待は自ずと高まる。
「暑いのが好きだね」 後半戦の逆襲へ-。スタンリッジの季節はまだ始まったばかりだ。
阪神・スタン8勝目「藤井さんが素晴らしい」
球の切れ、制球ともに文句なし。1失点完投の阪神のスタンリッジがチームトップの8勝目。「すべてがうまく機能した」と満足げだった。
一回に先制点を与えたが、援護にも恵まれてその後は持ち味を発揮。緩急を駆使して二回以降は三塁を踏ませなかった。
無傷の5勝だった昨季に続いて今季も6、7月は6勝無敗。今季は捕手の藤井彰とコンビを組みだしてから連勝が始まった。右腕は「藤井さんのリードが素晴らしすぎる。同じプランで投げられる」と感謝する。季節も相棒も好相性。快進撃の要因はここにある。(
スタンのジョイ夫人、虎ハッピでハッピー
お立ち台を終えたスタンリッジはベンチ裏の通路でジョイ夫人(30)とキャッシュ君(2)に出迎えられた。しかも、愛妻は購入したばかりの虎のハッピを身にまとい、愛息もユニホーム姿と、まさに“全身全霊”で応援してくれていた。これには助っ人も「(妻が)グッズショップで『次、投げるときに着るよ』って、言ってたんだ。(ハッピは)似合ってたかい?」 と満面の笑みで報道陣に逆取材していた。