ブラがサヨナラ打!藤井彰も一発、虎5割復帰
(セ・パ交流戦、阪神2x-1ロッテ、2回戦、阪神1勝1分、31日、甲子園)阪神は二回に藤井彰のソロ本塁打で先制。1-1で迎えた九回一死二、三塁からブラゼルが右前へサヨナラ打を放ち、投手戦に決着をつけた。阪神は勝率5割に復帰。先発スタンリッジは白星こそつかなかったが、7回1失点の好投で試合を作った。
猛虎の“男前”が大きな一撃をくらわせた。藤井彰の今季1号ソロで、先制点をたたき出した。
二回だ。二死走者なしから、ロッテ先発・藤岡の直球を思い切り振り抜いた。強烈な浜風にも押され、打球は左翼ポール際に着弾。昨年7月17日の横浜戦(横浜)以来となるアーチで、ロッテの黄金ルーキーに先制パンチをくらわせた。
前夜は両軍合わせて26安打を放つ乱打戦の末、9-9のドロー。和田監督は、「本当にいけるところまでいったというか。やることすべてやった。よくあきらめないで最後まで追いかけてね」と最大6点差を追いついたことに納得していたが、正妻は9失点を反省。一夜明け、同級生の“元主砲”のいない打線で気を吐いた。
開幕から49試合目。指揮官は新井貴をスタメンから外した。前日30日には今季初の7番降格も5打数無安打。直近5試合で21打数1安打、打率・048、6三振と絶不調に陥っていた大砲に、ベンチスタートを命じた。
スタメンを外れたのは2008年10月11日の横浜戦(横浜)以来だ。ただ、この時は北京五輪で腰椎を疲労骨折した影響があった。不調によるスタメン落ちは、虎入り後初めて。広島時代の2006年5月26日の楽天戦(Kスタ宮城)以来、6年ぶりのことだ。
この日の相手先発はドラフト1位左腕。攻略に右打者は欠かせないところ。新井貴に代えて関本を「6番・三塁」に入れて攻略を図ると、“伏兵”がガツン。大きな決断が下った猛虎打線で、同級生が先制弾だ。
三回以降は藤岡に封じられたが、九回に金本の四球とマートンの左安打から二、三塁と好機を広げると、最後はブラゼルが右前へしぶとく抜ける安打でサヨナラ勝ちを飾った。
スタンリッジ(7回1失点)
「運もあったが、しっかりピンチを切り抜けられた」
薮田(サヨナラ負けに)
「(ブラゼルを敬遠せずに)勝負したいと自分で言った。最高の球で勝負した」
殊勲の虎・ブラ砲、妹とのキスはご免!?
九回裏の1死二、三塁からサヨナラの右前打を放った阪神・ブラゼルは、一塁ベース付近で喜びのナインにもみくちゃにされた。手荒い祝福に笑顔を浮かべた。3打席目までは三振、二ゴロ、三振と不本意なバッティングだったが、最後の最後に難しい外角低めのフォークボールに食らいつき、力づくで前進守備の一、二塁間を破った。「どんな形でも打ててよかった。厳しい球が続いていたけど、ラッキーなことに間を抜けてくれた」
前夜は最大6点のビハインドを追い上げて9-9の引き分け。負けなかったのは救いだったが、ブラ砲は不完全燃焼だった。米国では基本的に引き分けはなく、決着がつくまで試合を続ける。「野球に引き分けはないと思っているし、勝つために野球をやっている。(引き分けは)自分の妹にキスするようなものなので勝ちたかった」。アメリカ人らしい表現で殊勲の一打を振り返った。