「模倣犯」 宮部みゆき
読みたい読みたいと思っていた 宮部みゆきの長編「模倣犯」あっという間に読み終えた。特に下巻はひろさんにいただいてからたったの二日で読み終えてしまった。それだけ家事を適当に本に没頭してしまった。アイロンかけがたまりまくってる。ごめんね家族さんお話の内容は非常に長くややこしい。長すぎてまとめる力がないのでここには書かない。「模倣犯」で検索すればいっぱいサイトが見つかるから、知らない人はそこで見てください。とにかく長くて、登場人物一人一人の様子を、事件を中心にそれはそれは詳しく書かれているため、ある意味同じ話を何度も違う視点から読まされることになるので、そこはしんどかったりする。中にはたいして意味のない人物もいるしね。それから人殺しの方法が非常に残酷で怖い。その数もすごくて、この本を読み始めてから眠りが浅い気がする。お話の中の被害者の霊に苦しめられるようなそんな感じ実は夜道を歩くのが怖いと感じたし、夜中に帰ってきたとき、家の近所のオフィスビルの入り口で立っている男性に追いかけられるのじゃないかと、ものすごくドキドキして足早にアパートの入り口に急いだりしてしまった。そういう意味では登場人物の描写のしつこさをのぞいたら、ものすごくできの良い小説だと思う。しかし、かなり計算高い頭の良い犯人(ピース)だったのに、3部での展開は予想外ちょぼちょぼと警察が手に入れる、そいつが犯人であるという証拠それ以外にも決めてとなることがものすごくシンプルに伏線として話の間に挟まれていた。私はこの伏線をつなぎあわせて、おまえが真犯人だろう!となる結末を期待していたため、実際の結末は受け入れられなかった。ものすごくおもしろくて猛スピードで読んできたため、まさにこの終り方こそ、どっかの映画か小説の模倣なんじゃないの?って感じるようなそういう終り方だった。そこで「模倣犯」の意味がわかるんだけどね。ピースにはとにかく、もっと衝撃的で屈辱的な最後を味わって欲しかった。賢いピースがあんな誘導尋問にまんまとのせられるわけないものね。事件が終っても被害者家族の苦しみ悲しみは減らない。そのことがよくわかった。もちろん加害者側もね。この世には、家族が犯した犯罪のおかげで人生が崩れてしまった人たち、家族が被害者になったためやはり人生が崩れて、それを一生嘆き悲しみながら行きつづけなければならない人たち、どっちもいっぱいいるんだろうな。そのことをあらためて考えてしまう、そういうお話。 ピースを中居が演じて映画化されている。ちょっと見たい気もするけれど、映画のレビューを読む限りひどいらしい。なので見ない方がいいみたい。映画じゃなくて、ドラマ化してきちんと作ればおもしろくなりそうやな。ただ残酷なシーンが多いから問題ありそう。おもしろかったけれど、後味の悪い作品