オランダ・ベルギー(23)4月12日 オランダ・ベルギー旅行(23)ロイヤルデルフト工房内展示室に、イスラム風コーナーがあるのが 興味深い。 この工房は1653年、中国磁器の模倣からスタート したが、中国より近いイランの影響を受けたことは容易に想像出来 る。 イランでは紀元前2千年紀のエラム王国時代にメソポタミアの影響 を受けて釉薬をかけた焼き物が登場した。そして9~10世紀のイス ラムの時代になって、中国からの輸入陶磁器の刺激、陶磁器需要層 の増加、市場の拡大により陶磁器産業は活発化し、市場のニーズに 対応したバラエティー豊かな製品が生産されるようになった。 陶器は古くから世界各地で焼かれていたが、磁器は中国が発祥の地 である。 後に東アジア一帯に広まり、タイや韓国、そして日本で も美しい磁器がたくさん作られるようになった。 陶器は土がバクテリアなどの作用でねばり気をおびた「陶土」を焼い て作られる(約1000~1200℃)。素焼きの状態で褐色の土の 色をしている物が多いため、土の温かい風合いを大切にして、染め付 けをしない物もある。日本の備前焼・益子焼などがそうで、柔らかく 割れやすいため、薄く形成することには向いていない。 一方、磁器は石が地中で細かくなり、バクテリアなどの作用で粘土質 になった「磁土」を焼いて作る。陶器に似ているが、磁器のほうが高 温(約1300℃)で焼き上げる事ができ、硬く薄い物が作れる。ま た地肌が白く表面がなめらかなため、鮮やかで細かい絵付けができる のも特徴。叩くと「チ~ン!」と高い音がする。瀬戸物と呼ばれ普段 私達が食卓で使っているお茶碗などがそうである。 見学の最後は、お決まりの土産品の購入である。 丸皿を数枚購入し たが、あまりにも高価なので10cm程度の小皿にとどめた。レジに 大勢並んでおり、バスの出発時刻にぎりぎりになりそうなので、出口 近くにいた添乗員さんにその旨伝えておく。 -つづく- ※画像は下記をクリックして下さい。 オランダ・ベルギー旅行(23)へジャンプ |