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フリッツ・ノビス
S(シュラブ・ローズ)、1940年作出、ドイツ・コルデス。
花色は紫がかった淡いピンクで、八重平咲き、中輪、一季咲き
性、微香。
※オランダ・ベルギー旅行(18)(2007.04.11)
ビネンホフを出ると、隣接した感じで待望のマウリッツハウス美術館
がある。
マウリッツハウス美術館
正式名称はMauritshuis(マウリッツ邸)で「美術館」という文言は
入らないが、日本では通常、「マウリッツハウス美術館」と表記さ
れている。
マウリッツハウスの建物は、17世紀半ば、ヤーコプ・ファン・カン
ペンの設計で建てられたもので、オランダ古典様式建築の代表作と
される。館名はここに住んだナッサウ‐ジーゲン伯ヨーハン・マウ
リッツ(1604年‐1679年)にちなむ。マウリッツは代々オランダ総
督を務めたオラニエ=ナッサウ家の血縁で、当時植民地であったブ
ラジルの総督を務めた人物である。1704年の火災で内装を焼失した
が、外観はほぼ建設当時の面影を残しているといわれる。
美術館内は残念ながら撮影禁止である。 幸いにして、正面に大きな
垂れ幕があり、「青いターバンの少女(真珠の耳飾りの少女)」がほ
ほえんでいる。 彼女が描かれたフェルメールの繪画を見ることが、
今回のツアーのメイン・テーマなので、いささかエキサイトしてくる。
「青いターバンの少女」(1665)・フェルメール
世の中には、言葉ではとうてい表現することのできないものが存在
するのだということを、改めて認識させられてしまう、そんな作品
である。
この年にもなって「一目惚れ」もないが、心ここにあらず、完全に
気持ちを奪われてしまった。
45x39cmの小さな繪であるが、本物を目の前にすると、画家
の思い入れがとても強く伝わってくる。魂が籠められていることが、
ひしひしと伝わってくる。
小さな展示室にこの絵(彼女)と私だけになれた時間があった。僅か
数分であったが、まさしく至福の時で、絵の中の彼女と向かい合い、
しばし目をそらさずに観ていると、彼女の口元から言葉が聞こえたよ
うに思え、ぎくっとした。
この繪の反対側に「デルフトの眺望」は掲げられていた。縦96.5cm
×横115.7cmで、フェルメール作品中4番目の大きさである。と言
ってもルーベンスやレンブラントらの大作には比ぶべくもないが、それ
でも思ったよりもずっと大きく感じた。 モチーフは、大空が広がるの
びのびとした市街風景で、デルフトはフェルメールの故郷である。
もう一作、「ディアナとニンフたち」があるが、この繪は真贋に疑問が
残るとされている。
他の作品はほどほどにして館外へ出る。 ホフフェイファ池越しに見る
マウリッツハウス美術館とビネンホフの建物の風景は、何とも素晴らし
い。
-つづく-
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