流れが変わった棋聖戦
今日、棋戦戦第4局が打たれた。結果は張棋聖が勝って2勝2敗のタイになった。第3局・第4局は井山挑戦者が強引に仕掛けていった技が不発に終わって結果として自分から土俵を飛び出してしまったように私は思う。第2局は私の目から見ると井山さんに不自然な手があった。しかし結果的にはその不自然な手が勝因となっていた。河野九段の挑戦を退けた天元戦もそのような碁があった。1994~95年、羽生さんが七冠を達成した頃にも同様の傾向があって何故か勝ってしまう不思議なオーラが存在していた。それを羽生マジックと将棋ファンは呼んでいた。しかし七冠を達成した直後にオーラは消えて羽生さんはスランプになった。井山さんは20歳で名人になるまではオールラウンドプレイヤーで相手に合わせてどんな碁でも器用にこなす印象があった。これ若い頃の羽生さんと同じである。しかし名人になって国際棋戦で日本の代表として戦うようになってからは中国や韓国の棋士の乱戦志向に似てきたように思う。私は名人になるまでの井山さんの碁の方が好きだ。理由は理解しやすい印象があるからだ。あと残り3局は井山さんのじっくりとした碁を見てみたい。