カテゴリ:建設業界・公共事業
関西新空港の埋め立て島建設および羽田空港の拡張埋め立て工事については大きな問題がありました。それはサンド・ドレイン工法と呼ばれる建設方法です。埋め立てようとする海底にヘドロが堆積しています。大都市の沖合いを埋め立てて空港建設をする場合、どこでもヘドロの問題がある訳です。シンガポールのチャンギ空港の場合、まずヘドロを掬い取り、水深4000メートル位ある所へ投棄します。しかる後に土を入れて埋め立てました。埋め立て島自体の地盤の強度を保つには、これが「定石」と言えましょう。
ところが、サンド・ドレイン工法というのは、ヘドロの中に2メートル間隔に直径25センチ位のパイプを埋め込んで、そのパイプに砂を詰め込みまして、ヘドロの上から土を入れて埋めてゆくのです。土の重力でヘドロに含まれていた水がパイプを通して排水されて、地盤が固まる、という工法です。 しかし、この工法には致命的な欠陥があります。巨大地震が来たらオシマイなのです。建設業界の人間ならマズイっちゅう事はわかっていました。関西新空港の埋め立て島建設に従事した不動建設(新日鉄の関連会社)のT君(神戸大将棋部OB)は、「サンド・ドレイン工法はヤバイっす」と工事中から言っていました。 じゃ何故、こんなヤバイ工法が採用されたのか。それは建設省の役人が環境庁の役人に頭を下げて「ヘドロを海洋投棄させて下さい」と言わなかった、もしくは環境庁の役人が許可しなかった為なのです。役人の縄張り意識と頭を下げる事を嫌う癖が、このような愚挙を犯したのでした。 関西新空港の総建設費用はなんと1兆3千億円。滑走路は一本半しかありません。チャンギ空港の総建設費用は6千億円。滑走路は5本あり、シンガポールの中心部から高速道路で30分です。日本でも中部国際空港(セントレア)はチャンギ空港と同じ工法で建設されています。セントレアは、トヨタから出向してきた経営陣によって運営されています。関西新空港は運輸省と建設省の天下り経営陣によって運営されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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巨大地震がきたら綺麗さっぱり壊れるから、また公共工事の種ができて一石二鳥とでもおもっているのでは?
(2006.07.05 09:50:36)
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