ほげほげと

「児山城 立て籠り事件」




　もっと奥さあんのかな？


　『児山城の曲輪』の林の中さ、どんどん進んで行ったら、

　道路さ出ちゃった。

　どうやら、奥の民家さ続く細道みたいだな。


　ということは。

『児山城跡』はここまでだな。

　もう見るものないかな。


　あ、あれはなんだ？



　道路の向こうにあるちっこい土山は、

『土塁』だぁ！



　よくみると、道路のこっち側。

『児山城跡』から続く土塁と繋がってるよ。

　ほとんど民家の敷地になっちまってるけど、

　昔は道の向こうまで、城だったんだな。

『児山城』って、残ってる部分だけで想像するより、でっかかったんたな。



　そうそう。『児山城』に関する情報をめっけたよ。

『宇都宮城』に関係する事件なんだけどな。

『児山城　立て籠もり事件』ってのが、あったんだよ。




　天文５年（１５３９）ごろの話なんだどもな。

『壬生中務大輔綱雄』が『小山高朝（おやま　たかとも）』の領地にちょっかいを出し始めた。

『壬生綱雄』は、当時の『壬生城主』。

『小山高朝』は、当時の『小山城（祇園城）主』でな。


　領地さ隣合ってたもんだから、領地拡大さ計ってた壬生氏が、

　小山氏の領土をかすめ取るような真似さしてな。

　合戦状態になっちまってたんだと。



　さて。
　
　当時の『宇都宮城の城主・宇都宮尚綱』は、

『別名・俊綱』とも言うらしいんだけど。

　ややこしくなっちまうから、ここでは『尚綱』で統一すっと。


　んで、『宇都宮尚綱』は、壬生氏と小山氏の小競り合いを、

　どう処理するか、思案していたんだ。



『壬生綱雄』は、宇都宮家の宿老って立場にいたから、

『宇都宮尚綱』にとっては、他人事じゃなかったんだな。


　下手にこじれたら、小山氏対宇都宮氏の対決、

　なんてことになりかねないもんな。




　そんで、ここにもう一人。重要人物が登場する。

　やっぱし、宇都宮氏の宿老で『芳賀高経（はが　たかつね）』って人だど。

　当時の『真岡城（芳賀城）主』でもあんだ。





　で、何があったか、っつううと。

『芳賀高経』は、小山氏の味方をするような行動をとり、

　結城・小山一族と、平和的解決をするよう願っていたらしい。



『真岡城』は、結城・小山の両方から近い位置にあってな。

『真岡城』の南近くまで、勢力を伸ばしてきた結城氏の勢力を、

　恐れてたんだな。


　だもんで、結城氏と揉め事を起こさず、

　なるべく平和的な解決策を、取りたかったらしいんだ。




　だども『宇都宮尚綱』は、『壬生綱雄』よりの態度をとった。

　そればかりか。

『芳賀高経』を捕えて、殺そうとしたらしいんだ。



　当時の『宇都宮尚綱』と『芳賀高経』の間は、険悪な状態でな。

　くわしく書くと、話さ終わんなくなっちゃうから省くけんど。

　仲がとても、悪かったんだ。


　

　だもんで『宇都宮尚綱』は　

　いい機会だから、邪魔者は消しっちまおう！

　って思っちゃったんだな、きっと。
　

　
　しかし、情報はどっかから漏れたらしく。

『芳賀高経』は、捕まる前に逃げ出した。


　んで。
　
　逃げ込んだ先が、『児山城』だったんだよ。




　その後『芳賀高経』は、『児山城』へ立て籠るんだけんど。


『壬生城』を挟んで『児山城』の西に位置する、

『皆川城主・皆川成勝（みながわ　しげかつ）』の協力を得て、

　反撃する機会を、うかがっていたみたいだな。



　そこへ『小田政治（おだ　まさはる）』っつう人が、説得にきてな。

　一旦は騒動さ収まって、『芳賀高経』は『児山城』から出て来たんだと。




　ええと。

『小田政治』って人は、『常陸国の小田城主』だった人でな。

『宇都宮尚綱』と、姻族関係にあったんだと。

　そったら関係さあったから、わざわざ常陸からやってきたんだね。

　


　そこでおさまれば、ま。めでたしだったんだけんど。


　結局『芳賀高経』は『宇都宮尚綱』に捕まっちまってな。

　誅殺されちまったんだと。


　
　ふんふん。結構大事件だったんだな。


　で？　『児山氏』は、どうしてたんだろ？


『芳賀高経』さ庇ってたんかな？

　それとも、『児山城』だけ乗っ取られて、別の場所に避難してたんだべか？



　そこんとこ、情報がないんだけんど。


　う～ん。そこ、知りたかったな。






《参考》

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