毛だまりの部屋

2008/02/29(金)05:14

月影の湯

今日という日(85)

怒涛の勢いだった内職も一段落。 しばらくはのんびりとした日が続くだろう。 (単に暇とも言う) そんな気分でお風呂に入った。 頭を洗って目を開けると、開ける前と等しく暗かった。 「ああ、電球が切れそうだって言ってたっけ」 替えの電球が無いことは知っていたので このまま入るしかないな、と思った。 入り口と窓の向こうから隣家の明かりが差し込み 浴室のタイルの上では風呂釜の操作パネルのランプが点り まるで月明かりのようにぼんやりと辺りを照らしていた。 身体を洗うのも、湯船に浸かるのにも支障はなくて 「野外でお風呂に入るとこんな感じかな」 「江戸時代だったらこんな中でお風呂に入ったかな」 「もしも壁中にカビが生えてても分からないな」 なんて、取りとめも無いことを考えた。 いつもなら身体を洗うための場所。 でも今夜だけは。

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