2008/02/29(金)05:14
月影の湯
怒涛の勢いだった内職も一段落。
しばらくはのんびりとした日が続くだろう。
(単に暇とも言う)
そんな気分でお風呂に入った。
頭を洗って目を開けると、開ける前と等しく暗かった。
「ああ、電球が切れそうだって言ってたっけ」
替えの電球が無いことは知っていたので
このまま入るしかないな、と思った。
入り口と窓の向こうから隣家の明かりが差し込み
浴室のタイルの上では風呂釜の操作パネルのランプが点り
まるで月明かりのようにぼんやりと辺りを照らしていた。
身体を洗うのも、湯船に浸かるのにも支障はなくて
「野外でお風呂に入るとこんな感じかな」
「江戸時代だったらこんな中でお風呂に入ったかな」
「もしも壁中にカビが生えてても分からないな」
なんて、取りとめも無いことを考えた。
いつもなら身体を洗うための場所。
でも今夜だけは。