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2012/08/31(金)03:34

春日野八千代の思い出

独り言(106)

この方を初めて見たのは小学校の時。関西TVで中継していた 「メナムに赤い花が散る」(1968花組)でした。 主役の山田長政は既に、他の女優さんとは異なる存在感の白塗りキャラだった記憶が・・・ その後、TV中継で見ても「踊りの達人である老女優」以上でも以下でもない印象でした。 印象が変わったのは新劇場の杮落とし公演のチケットが偶然入手できて母と観劇した 「宝寿頌」(1993年星組)。PAの調節もままならず。正直出演者も新しい劇場に明らかに 戸惑っていてパッとしない演技が続く中、たった一人で小太鼓のみの伴奏の静かな踊りでで大劇場7の空間を存在感できっちり埋めていく。TVだとバストショットが多いので「70代の老い」が目立ちますが客席から俯瞰的に鑑賞すると、どう見ても40代の中年女優が品格をもって踊っているようにしか見えない! 漫画「ガラスの仮面」で老女優が「紅天女」を演じるとありえない可憐な娘に見えてしまうと言う 場面がありますがそれを現実の世界で体験した貴重なひと時でした。 後、WOWWOWで関西TVのライブラリーから60代で最後に主役を張った「花供養」(1984年専科バウホール公演)を改めて見る機会が出来て「男役のレジェンド」を納得しましたね。 この方の練り上げた男役キャラは宝塚に留まらずマンガ・アニメ・BLにも大きな影響を 与えたと思います。御本人が宝塚にこだわった余り周囲が神格化しすぎ、また開放的な性格が 災いしたのか円熟していたはずの60~80代の外部出演が極端に少なかったのが残念。 最近は芸暦80周年記念に向けて体調とタイミングを調整中と伝え聞いていた中での訃報でした。 心から御冥福をお祈り致します。 宝塚歌劇95周年記念 「歌劇」通巻1000号記念スペシャル 百年への道 (2009年6月15日宝塚大劇場)より これが90代の生涯最後の舞台になりました。恐らく落語で言う「板付き」の状態でしょう。 なのにこのりりしさ、華やかさは何なんでしょう。

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