大根を引くその2,「しっかり」という言葉
Saturday, February 27, 2021 曇り時々晴れ 10.3℃ 6.2℃ 午前4時起床。今朝は薪ストーブの熾火を七輪に移し、上に焼き芋器(といっても簡便なブリキ容器ですが)を載せて焼き芋作り。暫くすると,焼き芋の甘い香りが部屋中に漂ってきます。2時間ほどで焼き上がりました。写真が今日の朝ご飯です。蜜のようがいい感じでした。 朝食を挟んで昼まで書斎に過ごしました。本と音楽。 午後は畑に出ました。大根引きをしました。父の作る菜園は、先日と今日の作業で植わる大根の残りが1/3となりました。引いたその場で青首のところ(茎)を落とします。スの入っていると、そこもカット。見た目で処置。面倒でした。それを一輪車に乗せ,勝手口の水場を往復。亀の子束子を使い,水道水で土を洗い流しました。冷たい作業でした。写真は今日の始末です。 父の菜園は市道付きです。「大根、要りませんか?」 声をかけたら、2人が足を止め,受け取ってくれました。1人はAさん。電気給排水工事会社を経営する社長です。御年80台後半。生まれ・育ちは私の住む地区です。次男なので家を出て,その仕事に就きました。会社を興し、財をなしました。ちなみに彼の兄は実家で農業を継ぎました。拙宅から100m離れたところに今も家があります。数年前他界。彼の息子さん夫婦が叔父と同じ仕事に頑張っています。余談です。Aさんの兄は米だけでなし、各種野菜も栽培していました。私、小さい頃(多分小学校入学前あたりかと)、彼の西瓜畑に入り、女竹でそこに生る西瓜全部の玉に穴を空けたことがあります。父に連れられ,謝りに行きました。 もう1人はNさんです。この方も90前。隣の集落に住んでいます。60台の頃、地区の役員をし、農業集落排水事業(下水道の農村版)を推進しました。それまで、その集落の家庭排水は、農業用水に流れ込まざるを得ない地形でした。それを改善するための事業でした。Nさん、連日連夜、各世帯に加入を勧めて歩いたそうでした。私、大根を手渡しながら、その苦労話を出してヨイショ。それがいけませんでした。彼の思い出話(自慢に聞こえる方もいるかもしれません)を長々,聞かされました。大根作業の手を30分、止めざるを得ませんでした。これも地雷を踏むと言うんでしょうか。 閑話休題。午後4時を過ぎ、大根を食べてくれそうな友人・知人に押しつけて廻りました。余ったそれの10Kgは夕食後、私がピーラーで皮を剥き、妻が塩を打って漬物にしました。写真は猶残ったそれを彼女が夜なべ。おでんの図です。これから他の具を追加するのかな。スジをたくさん入れてほしいな。以下無用のことながら 「確り・聢り」(しっかり)という言葉を耳にします。広辞苑によると「①たしかなさま。ゆるぎのないさま。②気を引きしめるさま。気丈なさま。③ぎっしり。たくさん。④市場に活気があり、相場が下落しそうにないさま」とあります。 副詞「しっかり」を動詞の前に副(そ)えると、「気を引き締めて」動詞の行為を行う様が強調されます。 さて、この「しっかり」、このところ、毎日のよう,耳にします。大臣を頭に役人、知事も含め,政治家は説明の折、必ず口にします。本人たちは、行為の本気度を示す格好の言葉として用いているように思えます。口にして,この言葉に酔う,或いは自慢の表情を見せる人もいるような。 しかし、それを使おうが使うまいが,何ら変わること無しなのです。もともと、それぞれ,社会的に附託と義務を負う立場ですから「しっかり」するのは当たり前。敢えて口にすると、私には白々しく聞こえます。異口同音、右も左も皆が皆総掛かり、猫も杓子もだと、「しっかり」、言葉の神通力が霞みます。何もかもが薄っぺらく感じてなりません。いい加減の取組を覆い隠すための方便言葉に聞こえます。 本来、「しっかり」は前向き、いい言葉です。貶めたのは前の総理(今の総理もよく使いますが)かと。彼は、しっかりしっかりしっかり、私の知る限り、公共の場で最もこの言葉を多用した人かと。しっかり説明する、しっかり取り組んでいく、しっかり支えていく・・・。そしてその結末を振り返ると、モリカケサクラ、私の記憶にあるものは全て「しっかり」ではありませんでした。モラルも低下。スッテンテンとはこのことです。 余談です。お上の多用はすぐ人口に膾炙します。天気予報のキャスターまでがこの「しっかり病」に罹っているのを知りました。某テレビ局のその方曰く「今日は強い雨が予想されます。『しっかりとした』降りになる見込みです」 おいおい、雨脚にその副詞は如何なものか、ではあります。 以上、全部無用のことにて。今日の一句青首を落として寒の尻拭い今日のランなし 夕刻、1時間近く散歩しました。今日の酒ノン今日の音楽ブルックナー 交響曲7番 ベーム ドレスデンシュターツカペレ今日の写真 1枚目は父の家の庭に咲き始めた白木蓮です。この花、咲く期間は短いです。散り始めると色変わり。見るに堪えません。 2枚目はトラ。束の間の日射しにゴロリ昼寝です。度一切苦厄(全ての苦しみを超えて)ではなく、奴一斉喰役です。意味はクウネルアソブかと。飼い主と同じです。