2013/12/07(土)15:34
福島・中通から浜通の現状ルポルタージュ。後篇。
郡山から東に入ると、すぐに阿武隈高地と呼称される高原状の山地であり、この高地は宮城県南部から福島県を経て、茨城県北部まで広がっている。
そして、三春、船引、常葉、都路といった訪問地はその山地間を縫うようにして走る国道288号線沿いの町である。そしてこの国道は福島第一原発のある浜通りの大熊町に至っている。
さて、大熊町で立ち入り禁止ゲートにてUターンしたおらたちは、再び都路の中心部まで戻り、
そこからR399号を経て、川内村へとクルマを走らせた。
都路と同様に、あちらこちらに除染された廃棄物が土嚢に入れられて積まれている。このあたりは、環境省のHPで調べてみると、都路は100%除染済、川内村も住宅、道路については100%除染済(農地・森林は続行中)とあり、かなり徹底的に除染したようである。
この両区域の大半が所謂【避難指示解除準備区域】で、すでに立ち入り規制は解除されているが、人影はまばらで行きかうクルマはほとんど無い。
川内村の閉館中の阿武隈民芸館の横にクルマを停車して、3人でコンビニおにぎりの昼食を食べたが、ようやくまるまると太った茶トラのネコちゃんがエサをねだりにやってきたのには、救われる思いだった。
ここからさらに、399号を南下して、夜ノ森からいわき市に向かう計画だったが、同行の I氏が今日中に帰宅せねばならないこともあり、日没の早い時期なので、来た道を戻ることにした。
常葉まで戻ると、ようやく人々が暮らしている風景になる。
来た道を縫うように走り、郡山へ。
そして須賀川にもう一泊して、昨日の午前中に 新幹線で戻った。
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現地に足を運んでみて、気が付くことは多々ある。
線量計を持参したので、あちこち、否が応でも数値を測定したが、放射線量の
多寡は非常にまだら模様になっていて、(まあガンマ線のみの線量計だが)
原発に近い三春から常葉辺りの方が、郡山市街よりも線量はずっと低い値を示し続けた。
須賀川の友人宅も0.10~0.15程度だが、最近の須賀川市報で開示されている各MPの
測定値では、まだ1.00を越えている測定地点もある。
広大な山間にへばりつくように開けた阿武隈山系での狭隘な生活圏をつぶさに見て、除染
済としてあちこちに仮置かれている土嚢はそれだけ見ると凄い量でも、圧倒的な森林は手つかずであり、果たして有効な手立てなのだろうかと、改めて感ぜずにはいられなかった。
とりあえず、ここまで。