ラッキーな日
今日、駅前を歩いていたら、いきなり頭を殴られた。殴られた・・・と言っても、そんなにガツン!って感じではなくて、どちらかと言うとパサっと軽い感じで、しかも突然駅前で殴られるほど悪いこともしてないし、有名でもない。その物体は上のほうからやってきた。その瞬間は「神様が日ごろの僕の行いを諭してくださったのだ・・・」とか、普段まったく信心も無いくせに、都合よく解釈したのだが、上を向いてみると、僕に訓戒を与えたのは神様ではなくハトでした。思い起こせばハトに糞を引っ掛けられるなど、高校生のころまで遡る。当時、チャリンコで高校に通っていた僕は、その日も愛車のママチャリ「そよ風二号」を軽快に飛ばしていた。「軽快に飛ばしていた」と言うが、当時の男子高校生にとっては、脚を広げ、ハンドルに肘をついて、「あぁ~ 学校行のムッチャダルイわ・・・」と、全身を使ってダルさをアピールしながらチャリを漕ぐのがカッコイイとされていた。僕もご多分にもれず、そのようなダルさアピール組の一員であったため、「軽快に飛ばしてた」と言うよりは「鈍重に進んでいた」と言ったほうが妥当かもしれない。ま、そんなわけで、当時の男子高校生的には超カッコ良くチャリンコを漕いでいたのだが、そんな僕にハトのヤロウが糞を落としてきた。濃緑のブレザーに良く映える白い糞・・・ティッシュも持たずにどうすることも出来ない呆然と立ちすくむ僕の脇を、その前の週に告白して、僕を振った女の子が颯爽と走り抜けていく。その時に惨めな僕を振り返って見たときの瞳が「ああ本当にこの人と付き合って無くてよかったわ♪」っていう気持ちを物語ってた。あの時の眼は忘れない・・・で、今回。15年ぶりのアクシデントにも焦らず、「これで運がついたからラッキーと思おう。」なんて、諦めが入ったプラス思考が出来た自分を見つめ、随分と大人になったものだと感心したら、少し物悲しくなりました。(涙)