2011/12/12(月)06:12
12月10日「村上春樹の描く世界」2回目
文学の森主催の「村上春樹の描く世界2回目」を行った。
今回は、まず、「風の歌を聴け」について、詳細な説明をした。
これは、受講生さんから、
「すべてはこの作品から始まったので、これについて詳しく知りたい。」
と言う要望に応えてのことだった。
いくつかの話が別々に語られている、という点で
後の村上春樹ワールドの魅力のひとつ、パラレルワールドに
近い形になっていることを紹介。
また、冒頭の一文が書きたくて、その後ろはそれを膨らませて
いった、ということを強く語った。
主人公が文章を書く上でとても影響を受けた作品中の
登場人物について、詳細な説明と、村上春樹が仕掛けた
トリックともいえる手法について、話した。
次に、村上春樹、という人物像について少し説明を加えた。
つまり、ピーターキャットというジャズ喫茶についてのこだわり、
作家として生活を変えたこと、父性について、である。
ピーターキャットは、ジャズ雑誌に掲載されたときの
エピソードなど、調べたことについて話した。
ジャズ喫茶を経営していたため、夜型の生活だったのを
よりよい作品をより長く書き続けられるように生活を朝型に変え、
たばこをやめ、マラソンを走るようになった、ということなどを話した。
父性は、海辺のカフカに語られていることを題材に、
オイディプスの悲劇とエディプスコンプレックスの違い、
村上春樹の父親像について、などを話した。
ノルウェイの森の題名のなぞや、アンダーグラウンド、
遠い太鼓など、いくつかの、ジャンルの違う作品について
語った。
最後に、スピーチについて語り、特にカタルーニャでの
原発反対の内容について、これが12年前に出版された
村上春樹の本の中でもすでに語られていることを話して
講座を終えた。
終わったときに、大きな拍手をいただいた。
とてもうれしかった。