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環境・エネルギー&気になる情報2

環境・エネルギー&気になる情報2

【温泉トラフグ】

夢の扉~NEXT DOOR~  今回は、温泉でとらふぐを養殖し、『温泉トラフグ』としてブランド化を図っている、環境生物化学研究所社長・野口勝明さんのドキュメンタリーです。


『温泉でトラフグを養殖する』 この一見非常識なことに挑戦するきっかけは、野口さんの会社の事業内容と大きな関係があります。野口さんが経営する環境生物化学研究所は、水質や土壌を調査する会社です。当然、温泉の水質も調べることが出来ます。


3年前のこと、栃木県那珂川町のある温泉旅館の水質検査をした時に、その温泉の成分にナトリウムやマグネシウムが多く海水に似ていることに気が付きます。試しに熱帯魚を飼ってみると、順調に育ち繁殖までしました。

これでいけると思った野口さん、今度は本格的に魚の養殖をしようと思い、トラフグに目をつけました。トラフグを養殖しようと思ったのは、単純にトラフグが高級魚だから。『高級魚を養殖して採算が合わなければどんな魚も養殖できない』という考えです。


最初は、1000匹のトラフグの稚魚を大きなたらいで飼い始め、一年後に見事10倍の大きさまで育てます。これに自信をつけた野口さん、本格的なトラフグ養殖を始めることに決めました。


さて、トラフグを養殖しようと思ったのはいいけれど、養殖用の巨大な水槽(直径5メートル)を置く場所が見つからない。試行錯誤の末廃校に目をつけ、現在、小学校の五つの教室で1250匹のトラフグを養殖しています。

海水と温泉、塩分濃度は海水が3.5%なのに対し那珂川町の温泉は1.2%。那珂川町の温泉は塩分濃度が海水の約三分の一ですがこの塩分濃度のお陰でトラフグの成長が早いという利点がありました。

これは、魚が余分な塩分を身体(えら)から排出する時にエネルギーを使いますが、塩分濃度が薄い分、塩分排出エネルギーが少なくてすみますので、その分成長が早くなると言う訳です。

普通の海水で養殖しているトラフグは一年半、那珂川町の温泉で養殖すると一年で出荷できるようですので、大変効率がいいわけです。


成長の早さに加えて、温泉養殖のトラフグは味の点でも海水養殖のトラフグとは一線を画しているようです。

料理研究科の服部 幸應 (はっとり ゆきお)氏に養殖とは言わずに試食してもらっていましたが、トラフグの刺身は『もちもち感がありうまい』と好評で、てっちり(鍋)で養殖と見破りましたが、『味わいがあって良い』とこれも合格点でした。栃木県那珂川町の温泉で養殖した『温泉トラフグ』、もしかしたらかなり美味しいのかも知れませんね。


野口さん、この『温泉とらふぐ』をすたれ始めた温泉街の活性化に活用しようと考えて、今活発に活動しています。栃木県那珂川町の温泉旅館では、この夏から『温泉トラフグ』の料理を出すそうですので、近くのお住まいの方は一度は訪れてみるといいかもしれません。


そして今、栃木県那珂川町には、全国の温泉地から続々と温泉養殖を見学に訪れています。全国の温泉地の救世主になるかも知れない『温泉養殖』 とらふぐに限らず那珂川町の温泉養殖が全国の温泉地にどんな広がりを見せるか本当に楽しみです。


  【夢の扉~NEXT DOOR~  2010年3月7日放送】
     『町の温泉を利用して町を活性化したい』
  ドリームメーカー/野口勝明 ナビゲーター/山口日記

      【野口勝明さんのマイゴール】
『2015年までに、温泉トラフグで町を豊かで暮らしやすい所にしたい』


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