☆現実逃避☆

地元の友人からメールがきた。

「どうしよう、今度またあのメンバーで飲み会やるんだって。行きたくないよ～TT。誰が誘ってるんだろう。あーあ、ゆううつ」

海外に住んでいる同級生が帰国しているので、仲良しの面々で集まることになったらしい。しかし、そのメンツの中には、「？」と思う人たちが含まれている。

誰かが県外から里帰りしたときは、仲良しグループに声をかけ、みんなで食事に出かけるのが慣習となっている。高校を出てから、そのメンバーは大体決まっていた。しかし去年あたりから、メンツに若干変化が出てきたようだ。結婚して県外に出ていたRが、離婚して帰郷し、私たちの仲間の誰かと連絡を取り合うようになってから、Rが他の人たちを誘い始めたらしいのだ。他の人たちとはつまり、高校時代に特に仲が良くもなく、クラスではちょっとワルい雰囲気で通ってて、早々に結婚して子供をうみ、茶髪の集団でベビーカーを押していたような人たちのことだ。

その人たちの中で、特に浮いていたYちゃんは、修学旅行の船の中で、みんなが雑魚寝している夜中、大声で自分の初体験の話を生々しく語っていた。彼女についてはその記憶しかない。

「去年の集まりのときなんかさぁ、Aちゃんが帰国してたからAちゃんメインの会だったはずなのに、いきなり参加したYちゃんが、酔っ払ってダンナの悪口を延々2時間も一人でマシンガントークしてさー。超引いちゃったよ。今年もそうなるのかなぁ。あーあ、行きたくないなぁ」

私なら、用事ができたと言って断り、後日こっそりAちゃんと二人だけで会うことにするだろう。だけど遠方に住んでいる私はそうすることができても、ずっと地元にいる彼女らはそういうわけにもいくまい。

学生時代は同じライン上に立っていても、10年以上も経つといろいろ変わる。

大人になるということは、「？」な人たちともうまく付き合っていくことなのかも知れない。でも私は全く大人ではないので、遠方に住んでて参加せずに済むことを密かにラッキーと思っている。