2006/02/02(木)20:11
『終極無間 / INFERNAL AFFAIRS III』
映画『終極無間 / INFERNAL AFFAIRS III』(2003年・香港、配給:コムストック、邦題『インファナル・アフェア3』)
ラウ(アンディ・ラウ)が狂って終わり、というのが「無間地獄」からの救済なのか?
なによりも、ヨン(レオン・ライ)のスマートさが目についた。かっこいいねぇ。踊らせるとアレだが。上司のウォン(アンソニー・ウォン)も、渋い。バカのキョン(チャップマン・トウ)も笑えた。
シリーズ第3作にして最終作。これって、IとIIを見ていないと、面白さ半減以下だろう。
ちょうど公開の頃に香港にいたので、地下鉄やトラム(路面電車)の駅の広告看板でよく見かけた。そして、この映画の看板の隣には、エリック・ツァンの「奇華餅家」(香港の有名な菓子店)の広告が並んでいるのが笑えたなぁ。
とりあえず、3作まとめて見直してみよう。
(評価:☆☆☆☆★)
--
以下、メモ
「無間道(モウガンドウ)とは」
「インファナル・アフェア 無間序曲」の仏教的解説(Text by 何故) より転載
「インファナル・アフェア 無間序曲」は第一作をさかのぼった歳月(1991~1997)を背景とし、「1991年」、「1995年」、「1997年」の 3つの章で構成、“一つの伝奇の誕生”の成り行きを描いている。また、ストーリーは冒頭からすでに「無間」の本当の意味を伝えている。つまり、冒頭の「阿者言無,鼻者名間,為無時間,為無空間,為無量受業報之界。(註一)」という言葉の頭2句は「涅槃経第十九」からの引用、後ろの3句は脚本家が付け加えた解説だ。そこにある「阿」と「鼻」はそれぞれ「無」と「間」に対応しており、八大地獄(註二)の中でも最下層にあり、最も苦しいと言われる「阿鼻地獄」、別名「無間地獄」のことを指している。「阿鼻」とは原語を漢訳したもので、「永遠に助からない」という意味。つまり、一旦この地獄に入れば助かることはなく、永遠に終わりのない厳しい苦難を受け続けることになるのだ。前述の“業”とは、人間一人一人が行う全ての事であり、それが正しくとも、また間違っていようとも、必ず“報い”が返ってくるという意味だ。
さらに、本作品のラストで使われている言葉、「無間有三,時無間,空無間,受業無間,犯忤逆罪者永墮此界,盡受終極之無間。(註三)」とは、脚本家がさらに具体的に「無間」の概念を解説したもので、3作目の「インファナル・アフェア 終極無間」の主人公の境遇へと続く言葉でもある。
一 無時間:時間が止まることなく続き、日夜を通して罪の償いすることになる。
二 空無間:受刑の空間が果てることなく続き、誰かを身代わりにすることもできず、一人で罪の償いをすることになる。
三 罪器無間:刑罰の器具が果てしなくあり、様々な敬具による刑罰を受け続けることになる。
四 平等無間:男女の別、また前世と今世の別に関わらず、同様に自分の“業”による刑罰を受けることになる。
五 生死無間:死後も刑罰を受け続けなければならず、永遠に終わることのない苦痛を永遠に受け続けることになる。
註一:字幕翻訳=“阿鼻”とは、時間、空間、量の際限も無く、苦しみを受け続ける地獄である。
註二:「八大地獄」とは、「等活地獄」「黒縄地獄」「衆生地獄」「叫喚地獄」「大叫喚地獄」「焦熱地獄」「大焦熱地獄」「無間地獄」。
註三:字幕翻訳=絶え間無きもの3つ、時間、空間、業。罪を犯したる者は、この地獄で絶え間無き苦しみを受ける