「はじめの四年間」 【ローラ・インガルス・ワイルダー】
はじめの四年間(著者:ローラ・インガルス・ワイルダー/谷口由美子|出版社:岩波書店) 夢のような新婚生活のはずなのに、毎年毎年自然の力によって収穫がだめになる。2度の出産、火事、乳児の死と、つらいことばかりが続いている。 作り話なら、幸せな結婚で終わりにすることもできるが、現実は結婚してからの生活の方が長いし、一人の大人として行動しなくてはならないのだから、常に現実に直面し、自分で問題を処理していかなくてはならない。 アルマンゾの不屈の精神には感心するが、ローラはつらかったろう。 これでは、あまり人に読ませようとは思わないわけだ。 読者としては、幸せな結婚をした、というところで終わりになっていれば、つらい生活を知らずにいられたのだが。