「グリーン・デスティニー」 【監督・李案。2000年】
何年か前に、民放で放送されたのを見たことがある。正直なところ、なんだかよくわからない話だった。 今回、BSでの放送なので、ノーカットなのだろうと見てみた。 やっぱりよくわからない。 二組の悲恋が描かれていることはわかるのだが、その背景がつかみきれない。 チョウ・ユンファがなぜ自分で北京に持って行かないのかもわからない。 どうやら、長い物語の結末部分らしい。 例えば、源義経について何も知らない人が、衣川《ころもがわ》の場面だけ見せられても、なんだかよくわからないだろう。 映像は美しく、ワイヤーアクション満載のアクションも、よくできている。 宙を飛ぶとスローモーションのようになってしまうが、それはそれで見やすい。 私の好みとしては、こういうアクションよりも、「酔拳」のような、肉体だけで見せる方が見ていて感動する。 この映画には不思議なことがほかにもあって、そもそもタイトルの「グリーン・デスティニー」がわからない。 「緑の運命」って何だろうと思ったら、剣の名前だという。しかし、その名は「青冥剣」だ。これは、民放で見たときは「劈名剣」になっていて、調べたら、映画公開時の字幕でもそうなっていたらしい。 「名」と書くか「命」と書くか迷ったときに、「劈命剣」で無理に英語化して「グリーン・デスティニー」にしてしまったのではないかと想像する。 台詞では「Qingming Jian」と言っているので、「青冥剣」が本来の名のようだ。 現代は「臥龍藏虎」で、優れた人物が世に現れずにいる」というような意味だろう。 しかし、英語題は、「CROUCHING TIGER, HIDDEN DRAGON」で漢字の意味を訳しただけで芸がない。 願をかけて身を躍らせる話に関して、「心のままに」という台詞が二度出てくる。 これは「心誠則霊」と言っているようだ。直訳すれば、「誠心誠意願えば奇跡が起こる」というような意味。・グリーン・デスティニー@映画生活楽天ブログランキング←クリックしてください 楽天会員以外の方のコメントは「輾転反側掲示板」へどうぞ。