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2003.07.31
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カテゴリ:岡本綺堂


世界怪談名作集(下) (著者:岡本綺堂|出版社:河出文庫)


ドイル「北極星号の船長」
ホフマン「廃宅」
フランス「聖餐祭」
キップリング「幻の人力車」
クラウフォード「上床《アッパーバース》」
アンドレーフ「ラザルス」
モーパッサン「幽霊」
マクドナルド「鏡中の美女」
ストックトン「幽霊の移転」
瞿宗吉「牡丹《ぼたん》燈記」

 それぞれ趣向の異なる怪談集。
 「廃宅」はいかにもホフマンらしい、難解な面がある。
 「ラザルス」など、怪談と言うよりは哲学小説とでもいうべき雰囲気。
 「怪談」だからといって恐怖譚とは限らない。
 「幽霊の移転」など、山本周五郎の滑稽もののような味わいがある。
 解説は種村季弘で、軽妙な書きぶりながら要所を突いている。
 電灯の発明によって、ゴシック小説の夜と闇の世界が崩れたというのは、実際そうだったのだろう。
 闇が消えたとき、新たな道具立てとして鉄道などが取り入れられた結果が、上巻の「信号手」なのではないか。





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Last updated  2005.04.01 21:28:22
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