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テーマ:時代小説・歴史小説(171)
カテゴリ:時代小説・歴史小説
雨の山吹(著者:山本周五郎|出版社:新潮文庫)
「暗がりの乙松」「喧嘩主従」「彩虹《にじ》」「恋の伝七郎」「山茶花帖」「半之助祝言」「雨の山吹」「いじが奢る」「花咲かぬリラの話」「四年間」 最初の、悪人が心を入れ替える話と次の武士道物語以外は恋愛の関係する話。そのうち時代小説はハッピーエンドなのだが、最後の二作は現代物で、暗い面がある。 また、「花咲かぬリラの話」は設定としては無理がある。 それでも、いずれも山本周五郎の味があり、読後に独特の味わいが残る。 これを読んだのは「初蕾」を見たのがきっかけだった。 妻にあらすじを話したら、「それは昔、秋吉久美子でドラマ化されたものではないか」と言うので調べたら、そちらはこれに収められている「山茶花帖」だった。 身分違いの恋の成就という点では同じだが、味付けが違う。 終わりの方は、妻に聞いたドラマのあらすじの方が面白かった。 当人が知らないところで計画が進められ、訳もわからずあっちこっち行かされて、という方が展開としてはいいと思うのだが、分量が多くなってしまうし、作者として描きたかったのはそういう解決法ではなく、主人公の心だったのだろう。 新字新かななのだが、「画期的」ではなく「劃期的」となっている。(P212) 「歴史のどの一頁でも」(P214)の「一頁」は「いちぺーじ」と読ませるのだろうか。「いちけつ」ではわからないし、「いちよう」と読ませるなら「一葉」と書いた方がわかりやすい。 楽天ブログランキング←よかったらクリックしてください お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.10.05 23:28:08
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