源頼政の挙兵によって平家との間に戦闘が繰り広げられる。
僧兵を味方に付け、平家と闘うが敗戦。
戦闘の場面は躍動感がある。
「長刀に乗らんととんでかかるが、乗りそんじて、ももをぬひだまにつらぬかれて」(p113)
など、実際にありそうな戦いぶりだ。
太刀の使い方にも名前が付いていて、
「蜘蛛手《くもで》、かくなわ、十文字、とんぼ返り、水車、と自由自在にかけまわって、八方すきなく斬りまくった」(p206)という具合。
面白いのは浄砂房という僧兵の論理で、合戦の中で思いのままに奮戦し、満足すると、去ってしまう。
集団で生死を共にするという武士の倫理とは異なる行動だ。
頼政がヌエのような鳴き声の怪物を射止める話はこの巻の終わりにある。
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