木曾義仲の進撃と、都落ちしていく平家。
合戦の場面も多い。
時代が違うと感じさせるのは「篠原合戦」で、十八歳の若者が、一度は命を助けられながら、その相手の高橋判官長綱を討つところ。すぐれた敵であれば、討ってしまうのだ。
斉藤別当実盛の活躍も生き生きと語られる。
老武者として侮られたくない、と、髪を黒く染めての出陣というのは印象に残る話だ。
平家の都落ちでは、貴族化している平家の様子がわかる。
俊成に歌を託していく薩摩守忠度《さつまのかみただのり》、名器である琵琶をもとの持ち主に返しに行く経正《つねまさ》。
とらえていた東国のものたちを「心は東国にあるのに、魂の抜け殻ばかり西国へ連れて行ってもしょうがない」と逃がしてやるのも印象に残る。
楽天ブログランキング←クリックしてください
楽天会員以外の方のコメントは「輾転反側掲示板」へ