
ブルース・リーの監督作品。どんな映画を作りたいと思っていたのか、その一端を知ることができる。
中国を舞台にしていないのは、中国が舞台ではそれまでの映画の域を出ることができないと考えたからだろう。ただ、ローマで撮影されたのはほんの一部らしく、スタジオ撮影がほとんど。それでも、よくある香港映画とは一線を画している。
不思議なのは、レストランの従業員たちのアクションがあまりうまくないこと。アシスタントとして、出演もしている小麒麟が指導したようだが、みな素人なのだろうか。ジャッキー・チェンらが敵の門下生を演じた「ドラゴン怒りの鉄拳」に比べると見劣りする。
何度も現れる敵の部下は女風の仕草をしているのだが、テレビで放送された日本語吹き替え版ではそれが理解できていないらしく、ただのヤクザのような吹き替えになっていたのを覚えている。
チャック・ノリスとの一騎打ちは見応えがある。立てなくなっても立ち向かう姿は、立派でさえある。
スターが自ら理想とする映画を作る、というのは、ブルース・リーの独奏ではないのかもしれないが、サモ・ハンやジャッキー・チェンらに受け継がれていき、開花した。