音のない戦争
ETV「ナートネットTV」の「#ろうなん 8月号 手話で語る ろう者と戦争」の再放送を見た。 手話通訳者が、ろう者の戦争体験を聞く内容だった。 初めて気づかされたことがあった。 戦争の場面では、空襲や爆撃の音があるのが当たり前だと思っていたが、それは聴力がある人間にとってはそうだ、ということだ。この番組では、戦争の場面でも全く音が流れていなかった。 ろう者にとっては、戦争も音がない世界での出来事だったのだ。 空襲の音も聞こえず、アメリカ兵の接近を音で察知することもできない。 防空壕が暗闇では話ができないので、ろうそくの明かりでやっと手話で話をしたという。 聞き取った内容を、文章にまとめて、後世に残そうとしている人も登場した。 しかし、それは困難な作業であるという。「手話」は「日本語」とは異なる言語になっているので、そのまま日本語の文章にすることができないのだ。 今まで考えたことのないことばかりだった。