2009/06/11(木)17:31
中学生がハン流爆弾を 奇跡への階段 最終話
それから2,3日しての事です。
ガス屋の先輩の家は私の家のななめ向かいにあります。
夜中にトイレに起きた私は、窓の外が赤く染まるのを見ました。
当時街頭がほとんどない村だったので、何の明かりだと思って、
外をのぞいて見ると、パトカーやら消防車やら、自衛隊の完全防備の
車やらが来ていて、何やら慎重に持っているではありませんか。
あれはナイスタリナイが空に向かって投げた、みんなで火にいれた・・・物では?
私はガス屋の先輩が、現行犯逮捕されたと勝手に解釈して、
布団に逃げるようにもぐりました。私も逮捕?なんてビビってました。
次の日の朝に、2キロほど離れた隣町の中学校まで歩いて行く途中、
ガス屋の先輩が、居たので、あれ、捕まったんじゃなかったの?
と聞くと、落ち込んだ表情で、兄貴にこっぴどく叱られたよ。
話の内容は、ガス屋の先輩と兄貴の部屋は同じ部屋で、
あの物体を、誇らしげに兄貴に見せようと思って、
兄貴の机の上に飾っていたらしいのです。
兄貴が夜、仕事から帰ってきて、煙草に火をつけ机に向っていると
目の前にスク流付きのハン流物体があるではありませんか、
ガス屋の先輩が言うには、いつもは寡黙な兄貴が、なんじゃこりぁーと
松田勇作チックに、びっくりして、大声をあげて、
煙草を灰皿じゃなく、机で消してしまったとのことでした。
それで、慌てて110番通報・・・・私が布団の中に隠れた結果となったわけです。
やっぱりあれは爆弾だったんです。後日、爆弾処理をしたところ
半径50メートルのものは吹っ飛んじゃったそうです。
クワバタ・・クワバタ・・・間違い(^^ゞ クワバラです。
話はまだ続き、翌週になってからの事です。
急に全校集会になりました。
校長先生がいきなりガス屋の先輩の名前を、少し怒ったような口ぶりで
呼びました。
当時、ワルまでは行かなかったがズルで有名だったガス屋の先輩に、
みんなは校長先生に叱られる物と思い、
ガス屋、また、やっちまったなーと(クールポコ風に、男は黙って爆弾かつぎ。)
冷やかしの声援が送られました。
すると、校長先生は、ガス屋の先輩に向かって、君は凄いことをした。
警視総監が君の事を誉めていたよ。私も数十年教師生活をしているが、
こんなに嬉しい事はないよ。ありがとうと言って
嬉しそうに警視総監章を読み始めました。
私は、私が最初に見つけたのになーとちょっぴり思いましたが、
焚き火から勇気を持って爆弾を取って来てくれた、ガス屋の先輩が
ヒーローでした。
本当に今、考えると危ない思い出です。
今ここに居るのもある意味奇跡かも知れません。
でも先祖様にその事を聞くと、守られているから。とのみの返答です。
本当にあった深い話だと自分では思っています。
ちなみにナイスタフガイの先輩は高校卒業と同時に、
自衛隊に入りました。
あの爆弾を爆発させたい未練があったのでしょうか?
夢を叶えるために自衛隊に・・・・
本当ところは、ガタイが良くて、勉強が反比例だったから
自分を生かせる道だったようです。
高校の時、大阪城を建てたのは誰の歴史のテストで・・・大工と答え○をもらい
学校帰りに、隣リ町の祭りで飲み過ぎて、20時の終バスに乗ったはずなのに
行方が解らなくなり、翌日、私が通学で、バス停に行くと、顔が蚊に刺され、
ボコボコに腫れあがった顔をした先輩が寝ていて、
先輩、母親が探してたけど、どこ行ってたの?と聞くと、目が早く覚めたから。
早く来ちゃった。って不気味な笑顔をみせた、ナイスタフガイの先輩。
今頃は、北の大地のどっかで、氷点下20度の極寒の演習で、
ガリガリに固まったソーセージをかじっていると思います。
先輩、がんば!!