非常に適当な本と映画のページ
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20世紀を代表する英国作家C.S.ルイスによる全7巻からなるファンタジー巨編「ナルニア国物語」シリーズの第1章を映画化。 監督は『シュレック』シリーズのアンドリュー・アダムソン。粗筋 20世紀半ば、第二次世界大戦の最中のイギリス。 首都ロンドンの空襲を避ける為田舎に疎開したペベンシー家の4兄弟(ピーター、スーザン、エドモンド、ルーシー)。そんな中、末っ子のルーシーが疎開先の古い屋敷の空き部屋にあった衣装ダンスから、別世界の国ナルニアに引き込まれる。 ナルニアでは魔法が活き、獣たちが喋り、神話的生き物や妖精が住んでいた。ルーシーは、そこで出会ったフォーン(神話的な生き物)から、偉大なる王アスランが作ったナルニアは冷酷な白い魔女により100年にもわたり冬の世界に閉ざされている、という事実を知らされる。 ルーシーはいつの間にか元の世界に戻り、自分のナルニアでの体験を兄や姉に話すが、当然ながら信じてもらえない。 そんな中、2番下のエドモンドもナルニアに迷い込んでしまう。エドモンドは、ナルニアの女王(ティルダ・スウィントン)を名乗る女性と会った。女王は、なぜか人間であるエドモンドにやけに興味を持っていた。 エドモンドとルーシーはナルニアから元の世界に戻るが、エドモンドは自分の体験を信じられず、夢を見ていたんだろう、と勝手に思う。 そんなところ、ふとしたことで今度は4兄弟全員がナルニアへ迷い込む。 ルーシーは兄弟を連れ、前回訪れたフォーンのところへ行く。すると、フォーンは「人間と一緒にいた」という罪で女王直々の命令で逮捕されたことを知った。 4兄弟はフォーンの友人のビーバー夫婦と会う。ビーバー夫婦は、ナルニアの真の王アスランが復活し、ナルニアを現在支配している白い魔女――女王――から解放する予定だ、と説明する。 4兄弟は、なぜそんなことが分かるのか、と問うと、ビーバー夫婦は言う。予言通りにことが進んでいるからだ、と。 予言によると、4人のイブとアダムの子供たち――つまり人間――が現れ、女王から王座を奪回し、ナルニアを支配する、となっていた。 4兄弟がその予言通りに現れたのだ。 残念ながら、エドモンドは白い魔女と会った際、魔法をかけられていた。兄弟を連れて来るように、と。 エドモンドは白い魔女の元へ行き、捕まってしまう。ピーターらはエドモンドを追うところだったが、ビーバー夫婦に止められた為、白い魔女に捕まるのを免れた。もし4人が一緒に捕まっていたら、女王は予言が成立しないよう、4人を殺していたところだった。 ビーバー夫婦は言う。今となっては、エドモンドを救えるのはアスランしかいない、と。 3兄弟は、ビーバー夫妻によってアスラン――不思議なライオン――の元へ連れられていく。 アスランは、エドモンドを救出する。 そんなところ、白い魔女がアスランの元を訪れる。ナルニアの法律に基づいて、自分に裏切り者――エドモンド――を引き渡すように、と。アスランは白い魔女と二人きりで会合。会合の結果、白い魔女は裏切り者の所有権を放棄する。 アスランは、エドモンドが引き渡されるのを阻止する為、自らを犠牲にし、身を差し出したのだった。白い魔女はアスランを処刑する。 アスランという指導者を失った解放軍は、ナルニアの王となるピーターに委ねられた。 ピーターは、不安を感じながらも、解放軍を率いて白い魔女が率いる軍と衝突する……。感想 ナルニア国物語はこれまで何度かアニメ化されていたが、実写化されることはなかった。 動物が人間のように喋って活躍する、というストーリーなので、CGや特撮技術が発展していなかった時代はそういったシーンを説得力ある形で映像化できなかったのである。 ようやく実写化できたのは嬉しいのかも知れないが……。 問題は、実写化されたものが現在の視聴に耐えられるかどうか。 原作は1950年に発表されたもの。 もはや古典である。 ストーリーの時代設定は古いし、登場人物の言動も古いし、ストーリーの展開も古い(原作は文体も古い)。 最近製作された映画にも拘らず、既に古臭くなってしまっている。 現在では、幼い子供が親元を離れて遠い場所に疎開することは殆どないので(少なくとも先進国では)、そうした時代背景を理解するのは難しい。 蘇ったアスランは、何でもないように白い魔女を始末。 白い魔女が無慈悲で、冷酷で、始末されて当然の悪役だったが、だからといってアスランが無慈悲に、冷酷に始末するようでは、結局アスランも白い魔女と同じになってしまわないか。 そこまで冷酷になれるなら、白い魔女と一対一で対面した際、さっさと始末すれば良かった。なぜ自分を犠牲にするという回りくどいことをしたのか。 ストーリー展開もよく分からない。 白い魔女が法律を振りかざして宿敵のアスランと普通に対面するのはおかしいし、アスランの取引条件に白い魔女が乗るのはおかしいし(予言では4兄弟が揃ったら白い魔女は破滅する、となっていたのだから、アスランを殺したところで予言が覆る訳ではないのは理解していた筈)。 一度殺されたアスランが別の法律(らしい)で復活してしまうのはルール違反だろう。 何でもありのファンタジーで細かい部分にケチを付けても意味ないのかも知れないが。 原作が子供向けなので、映画も当然ながら子供向けに作られている。 戦闘シーンはあるもの、血生臭さは省略されている。 ただ、戦闘は戦闘。 つまり暴力。 子供に積極的にお勧めできる映画とは必ずしも言い難い。 その一方で、大人からすると戦闘シーンに全くリアルさに欠ける為物足りない。そもそも子供が戦闘に加わっているシーンで大人が喜べるのか。 結局どういった客層を狙っていたのか分からない。 トールキンの「ロード・オブ・ザ・リング」は、同じファンタジーでも大人向けに書かれているが、本シリーズは子供用。 したがって、教訓が盛り込まれているというか、説教臭い部分がある。 邦画のようにあからさまに、白けるほどに説教臭くはないが。 ただ、説教がキリスト教に基づいているので、キリスト教信者でない者からすると鼻に付く。 本作は、子供用の本を大人が大真面目になって大金を投じて実写化したもの。 大人の鑑賞には堪えられないし、現在の子供にも向いているとは言い難い。 第2巻も、「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」として映画化されている。 本来は、全巻がそれぞれ映画化される予定だったが、制作費が高く、第二弾が期待されたほどの興行収入を得られなかったことから(ロード・オブ・ザ・リングによって始まったファンタジー映画の人気が一段落した、の観測が強い)、第3巻と第4巻を1本にまとめて映画化し、三部作として打ち切りにする、という計画が濃厚である。 やはりターゲットの客層が曖昧過ぎたか。人気blogランキングへ関連商品:
2009.04.05
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テレビシリーズを原作として制作されたイコライザー・シリーズ第3弾。 主人公のマッコールはデンゼル・ワシントンが引き続き演じる。 原題は「The Equalizer 3」。日本では「THE FINAL」となっていて、最終作である事を強調している。 制作者側も3部作としているので、最終作と称しても間違いは無いのだろうが、興行収入によっては第4弾の制作も有り得るので、日本で勝手に「THE FINAL」としてしまうのはどうかねと思わないでもない。粗筋 アメリカ情報局の特殊工作員であったロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)は、イタリアのシチリア島を牛耳るマフィアが所有するワイナリーを襲撃する。 目的の品を取り返したマッコールはその場を去ろうしたが、マフィアのボスの子供に油断し、銃弾を背中に受けてしまう。 重傷を負ったマッコールはイタリア南方のある田舎町で力尽き、車の中で意識を失っていたのを地元の国家憲兵に属するジオ(エウジェニオ・マストランドレア)に発見される。 ジオは、マッコールを町で長年医者を務めてきたエンゾ(レモ・ジローネ)の元に運ぶ。 エンゾとジオは、マッコールが被弾していた事を知るが、エンゾは「転んで負傷した」という事にし、ジオもそれを受け入れる。 マッコールはエンゾの計らいで、町で療養する。 一方、CIA局員のエマ・コリンズ(ダコタ・ファニング)は、マッコールからワイナリーで偶然発見した代物について通報を受ける。現場に赴くと、ワイナリーでは死体と共にテロリストに流れていると思われる薬物や資金を発見。捜査を開始する。マッコールの身元や居所も直ぐ掴み、接触。何故自分に通報したのか、と彼に問うが、マッコールは適当にはぐらかす。 マッコールは、町の人々との交流を通し、町での生活に安らぎを感じる様になっていたが、この町も平和でない事に次第に気付いていく。 マルコ(アンドレア・ドデロ)一味が率いるチンピラが、場所代と称して町内の店をカツアゲしていたのだ。支払いに応じない者に対し、マルコは暴力を振るって金をもぎ取っていた。 マルコはナポリを拠点とするマフィアのボス・ビンセント(アンドレア・スカルドゥツィオ)の実弟とあって、町民は誰一人反抗出来なかった。 マルコは、ビンセントに対し、カツアゲでは物足りないのでもっとでかい事に参加させてくれ、と願い出る。 ビンセントは、カツアゲはただの始まりで、町ごと地上げしてリゾートとして開発するつもりだ、という計画を打ち明ける。その為にもカツアゲをしっかりやれ、と命じる。 マルコは、カツアゲを激化。支払いに応じていなかった店を放火する等の行動に出る。 監視カメラ映像から、ジオは放火犯らしき人物らが利用していた車両のナンバープレートについて、当局に問い合わせする。しかし、その捜査活動はマルコ側に筒抜けだった。 マルコ一味はジオの住まいを強襲し、ジオの家族の前で暴力を振るい、次はお前の妻と子供を痛め付けるぞと脅迫する。国家憲兵のジオも、ここまでされると手も足も出なかった。 マルコの行動を監視していたマッコールは、後日ジオに対し難題を押し付けようとしたマルコを撃退。 正体不明のアメリカ人に恥をかかされたマルコは、直ちに戻ってマッコールをぶっ殺してやると宣言。 が、マッコールはその行動を読んでいて、マルコ一味を容赦無く殺害する。 弟を殺されたビンセントは、息が掛かっている警察署長に対し、弟を殺した奴の正体を掴んで来いと命じる。 警察署長は、今は派手な行動を控えた方がいい、と忠告する。CIAの女がやって来て、ビンセントが絡んでいる薬物や資金の取引について嗅ぎ回っている、と。 ビンセントは、その忠告を一蹴。警察署長にも暴力を振るう有様だった。 エマは、ビンセントらによって車ごと爆殺されるところを、マッコールの電話による警告で間一髪で逃れたが、重傷を負ってしまう。 ビンセントは、町に自ら乗り込み、弟を殺した奴を差し出さないと町民を全て殺すと脅迫。 町民が集まる中、マッコールが姿を現し、お前の弟を殺したのは俺だと名乗り出る。 ビンセントはその場でマッコールを殺そうとするが、町民がスマホでその場面を撮影し始める等して抵抗した為、お前を殺しに必ず戻って来る、と告げて町を一旦離れる事に。 住まいに戻ったビンセントは、翌日にも町に戻って町ごと潰してマッコールも殺すと誓い、その夜は眠りに就く。 が、それはマッコールの思うつぼだった。マルコの背後にいた黒幕の正体を掴み、その居所も掴めたので、マッコールはその夜の内に強襲。 ビンセントの手下を抹殺してビンセントを孤立させた後、気を失わせる。 目を覚ましたビンセントは、マッコールに告げられる。お前が扱っていた薬物を大量に投与してやったので、過剰摂取で間も無く死ぬ、と。 解放されたビンセントは、街中を彷徨った後、薬物による症状で死ぬ。 それを見届けたマッコールは、その場を去る。 CIAとイタリア当局による合同捜査により、マフィアが中東のテロリスト集団と組んで薬物取引して資金を得ていた事実が明らかになり、多数が摘発された、というニュース報道が、テレビで流される。 その報道を病室で見守るエマの元に、マッコールが見舞いに来る。 エマは、マッコールが何故イタリアにまでやって来てマフィアを始末し捲ったのか、その理由を問う。 マッコールは答える。知人がサイバー強盗で老後の資金を盗まれてしまったので、それを取り返そうと辿って行ったらワイナリーに行き着いたので、そこに乗り込んで金を回収しただけだ、と。ワイナリーを隠れ蓑にしていたマフィアが薬物取引や中東のテロリスト集団と絡んでいたのは乗り込むまで全く知らなかったし、その薬物取引にビンセントが絡んでいて、ビンセントが自分が療養していた町を地上げしようとしていたのは全くの偶然だった、と。 エマは、知人の為にそこまでやるのか、と疑うが、マッコールはワイナリーから回収した金を病室に残して去る。 エマは、マッコールに教えられた老夫婦の元を訪れる。その老夫婦は老後の為の資金を全て失い、家を手放さなければならないところだった。エマは、マッコールが回収した金を返すが、老夫婦はどこの誰が回収に動いてくれたのか、全く分からなかった。マッコールと老夫婦の接点は、ほんの一瞬の出来事だったのだ。 CIA本部に戻ったエマは、イタリアでの薬物取引の摘発の功績が認められ、昇進する。同時に、マッコールからのメッセージを受け取る。お前の亡き母も喜んでくれるだろう、という内容だった。エマは、マッコールが自分の母親でCIA局員だったスーザン・プラマーの知人である事を知った。感想 イコライザー・シリーズ第3弾。 第1弾、第2弾と同様、マッコールの容赦無い殺戮が描かれている。 よって、日本ではR-15に指定されている。 圧倒的な強さで、無敵のマッコール。本気を出すと、イタリア国家機関を牛耳るマフィアですら、一方的に倒されてしまう。 そこまで隙が無い筈のマッコールなのに、冒頭のワイナリーの襲撃後、マフィアのボスが連れ添って来た少年に背を向けてしまい、撃たれ、重傷を負って今回の舞台となる町に辿り着き、新たな戦闘に巻き込まれていく。 子供でも油断出来ないというか、子供だからこそ油断出来ない筈なのに、何故背を向けたのか、よく分からない。 マッコールの事だから、ワイナリーで薬物を発見し、只事じゃないと察して、ある町が関係していると推測し、その町に潜伏し易い状況を作る為あえて銃弾を受けた、というのは考え過ぎか。 マッコールは死体の山を築き、その殺戮の現場に警察が乗り込んで捜査を開始するが、警察の手がマッコールに及ぶ気配を見せないのは、第1弾と第2弾と同様。 用意周到に殺すので証拠を残さない、という設定なのかも知れないが、その割にはビンセントに薬物を投与して殺した時は、意識が朦朧として街中を彷徨うビンセントの後を付け、彼が息を引き取るのを大勢の目撃者の前で確認した上でその場を立ち去っている。これはどう切り抜けたのか。「知らない人が自分の側で突然倒れただけ」と言い訳したのか。 この手のご都合主義を一切排除して作品を制作しろ、となったら何も制作出来なくなってしまうんだろうけど。 敵も味方も全てマッコールの思惑通りに動き、死ぬべき者は全て死に、助かるべき者は一応死なずに助かり、とりあえずハッピーエンド。 R-15指定されているとあって、暴力の描写はかなり強烈だが、頭を空っぽにして楽しめるハリウッド的なエンターテインメント作品に仕上がっている。 マッコールは普段は温和な性格で、一般市民の間に難無く溶け込めるが、実際は殺しのプロ。 いざ殺すとなると相手が抵抗する間も無く、問答無用で、無表情で、効率的に殺す。 が、それは雑魚相手の場合に限り、本当の悪に対してはじわじわと効率悪くなぶり殺しにする残虐性も持ち合わせている。 演出の仕方によっては非常に陳腐になってしまうが、この二面性を説得力ある形で演じられるのは流石デンゼル・ワシントン、といったところ。 本作を観ると、イタリアはマフィアが牛耳る危険な国家、という印象を受けてしまうが、実際はどうなのかね、と思う。 確かに、マフィアのルーツとなる地かも知れないし、マフィアが現在も暗躍しているのかも知れないが、作中の様に表立って悪事を働けるのか。 流石に今は摘発されていると思うが。 本作で、イコライザー・シリーズは完結との事だが、シリーズ作はどれも評価が高く、興行的にも成功しているので、要望があれば続編が制作されそう。 デンゼル・ワシントンも、一応その意欲はあるとの事だし。 一方、もし続編が制作されるとなったら、本作の続きではなく、前日譚になる可能性もあるという。デンゼル・ワシントンより若い俳優を起用し、マッコールの工作員時代を描くものを構想しているとか。 それだと全く違うものになってしまうので、それはどうかねと思う。 本シリーズは、アメリカではそれなりの扱いを受けているが、日本では全く取り上げられていない。 デンゼル・ワシントンも来日してプロモーションする等はしていない。 本作に於いては、公開を偶然知り、急遽劇場に足を運んだ。 邦画も洋画も結構しょうもないものは執拗に推してくるのに、何故本シリーズがここまで冷遇されているのか分からない。イコライザー [ クロエ・グレース・モレッツ ]価格:1,320円(税込、送料無料) (2023/10/26時点) 楽天で購入
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