2005/07/13(水)14:52
三毛猫ホームズの推理/赤川次郎
解説/感想:
三毛猫ホームズシリーズの第一作。
順番に読んでおらず、本作を読んだのは他の三毛猫ホームズシリーズ作をかなり読んでからだった。
本シリーズは回を重ねるごとに軽さが増している感じだが、第一作はこんなに暗いものだったのかとびっくり。
思えば本シリーズに限らず、赤川作品はユーモア抜きで書かれていれば暗いものが多い。
赤川次郎は一般的に思われているようなユーモア作家ではないらしい。
ちなみに、プレハブ建築殺人でのトリックは物理的に無理があり過ぎ。
このトリックはプレハブの片方をクレーンで吊り上げ、密室の中にいる者を「転落死」させるというトリック。
あるミステリ解説本では、これをやるとプレハブが折れ曲がってしまう、と指摘していた。
仮にプレハブが折れ曲がらないほどの強度を持っていたとする。それなら大丈夫か?
残念ながら、そうはいかない。片方を持ち上げたら、地面に付いたままの部分の角が重量に耐えられず、潰れてしまう。土台の上に建てられていたとしたら、プレハブ全体の重量がその土台に集中し、破損してしまう。
建築について何も知らない素人が思い付いたトリック、と言える。
本書は、「意外と暗い」というのが最終的な結論。
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