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非常に適当な本と映画のページ

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2006.11.23
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カテゴリ:洋書

 元ニューヨーク市警刑事で、現在は弁護士のストーン・バリントンが活躍する。ニューヨークタイムズ紙ベストセラー。


粗筋

 ストーンは、パーティで検察局で勤務する女性と出会う。彼女の誘いに乗ってアパートを訪れる。用事を言いつけられて一旦アパートを後にし、戻ると、その女性は殺されていた。ストーンに殺人の容疑がかかる。
 その直後に、ストーンの秘書が暴漢に襲われて死亡した。と思ったら、ストーンの近所に住む露出魔の女性まで殺される。
 いずれの女性も喉を切り開けられていた。
 これは偶然ではない、と察したストーンは、刑事時代にパートナーを組んでいたディノと共に捜査を開始する。二人が取り扱った過去の事件を調べたところ、妻の喉を切り開けて殺害した男に行き当たった。ハーバート=ミテルドーファーである。
 ストーンとディノは、ミテルドーファーが怪しいと睨む。逮捕に加わったストーンを恨んでいると見たのだ。が、ミテルドーファーには完璧なアリバイがあった。まだ監獄にいたからだ。
 犯人は、ディノの妻にも襲いかかる。幸いにもかすり傷で難を逃れた。
 ストーンとディノは、ミテルドーファーをますます怪しいと睨む。が、再び監獄を訪れると、彼が出所したことを知る。刑期を完全に務め終えた為、保護司などへの報告義務もないという。つまり出所後の居所が全く掴めなくなった。
 ストーンは、ミテルドーファーの故郷であるドイツに甥がいることを知る。ディノの妻を襲った暴漢に似ていた……。


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解説

 最初の三件の殺人は、50ページ目を読む前に起こる。かなりスピーディな展開だ。本書は400ページ。どういう展開になるのかと思っていたが……。
 最初の三件で「これくらいでいいや」と著者は思ったらしく、ペースがかなり落ちる。
 ストーンは、自分や自分の周辺にいる者が危険にさらされているというのに、様々な女性と恋愛関係を持つ。その結果、それらの女性を余計な危険にさらす。ま、女性らも危険を承知してストーンと付き合ってしまうのだが。
 最初に、ストーンの元恋人で画家のサラがヨーロッパから帰ってきて、二人は恋を再び暖め始める。ストーンは彼女に迫られ、受け取ったばかりの弁護報酬でベンツや家を買った。彼女が本書のヒロインか、と思ったら、犯人のテロ活動でサラは怖じ気ついてイギリスに帰ってしまう。去った後、ストーンは彼女のことを思い出しもしない。
 入れ替わりに、ドルセという女性がストーンとの恋愛関係を半ば強引に進める。ドルセは、ニューヨークの黒幕エドアルドの娘だった。ドルセの姉が、ディノの夫だ。ディノは、ストーンに対し、ドルセは危険な女だと告げる。ドルセ本人も危険だが、それ以上にエドアルドが危険だから、付き合うのはよせ、と。ストーンは危険だと知りながらもドルセに惹かれていく……。
 とにかくストーンは性欲旺盛。自分を誘った女が殺されたにも拘わらず、何でもないように二人の女性と肉体的関係を持つのである。しかもわずか数日の内に。節操も何もない。
 また、AMGチューンのベンツや郊外の豪邸を即金で買ってしまうあたりや、よく分からないが高そうな酒をガブガブ飲むところや、ニューヨークのハイソサイエティと当たり前のように付き合うところは、庶民感覚では理解できない。
 自分と知り合っていたため被害に遭ってしまった者に対し特に後悔の意を示さないことも、納得できなかった。
 著者はストーンを善人として描いているが、こちらとしてはあまり感情移入できる人物ではなかった。
 主人公の他に、真犯人ミテルドーファーの行動も不明。彼は甥をドイツから呼び出し、ストーンの周辺にいる者を殺させるのだが、その動機がさっぱり分からない。
 ミテルドーファーは狡猾な上に頭が切れる男で、監獄で服役していた最中も株取引などで大儲けしていた。それどころか看守らも儲けさせていた。刑期が短縮されたのも、看守らをそうやって買収していたからだ。
 なぜそこまで頭の切れる男が、自分を逮捕した者に恨みを抱いて、自分の親類に襲わせる、という馬鹿げた行動に出たのか。出所前にそんな行動に出たから、ストーンに目を付けられてしまうのである。
 出所直後にストーンを殺し、そのままさっさと海外へ高飛びすれば、逃げ通せただろう。しかし甥に無駄な殺人を犯させ、出所後もニューヨークでモタモタしていたから、結局ドイツ行きの旅客機内で逮捕されてしまう。
 ミテルドーファーの二人の甥の行動も不明である。なぜ叔父に言われるまま何人も殺したのかは、結局解明されなかった。双方とも射殺されるからだ。思えば彼らが射殺されたのに、一番の悪人であるミテルドーファーが生きて逮捕されるのは承伏し難い。
 また、最初の女性の殺人は、実はミテルドーファーの手によるものでなく、彼女が勤務していた検察局の者によるものであることが判明するが、なぜそんな展開にしたのか。推理小説にする為の「ひねり」のつもりだったかもしれないが、あまりにも有り触れた展開で驚きがない。
 本書は一気に最後まで読ませるほどの上手さはあったが、読み終わってみると、キャラクター面、そしてストーリー面で首を捻りたくなる部分が多かった。



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Last updated  2006.11.23 09:35:51
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