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非常に適当な本と映画のページ

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2006.11.27
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カテゴリ:邦書

 田中芳樹が大人気作家の地位を気付くきっかけとなった全十巻のスペースオペラの第九巻。


粗筋

 ヤンを失ったイゼルローン要塞で新たに誕生した共和政府は、ヤンの未亡人フレデリカを政府の最高責任者、ヤンの養子ユリアン・ミンツを政府軍最高責任者とした。
 戦略上、帝国の侵攻は暫く有り得なかった為、その期間を利用して建て直しを図る。
 フェザーンの帝国政府でも様々な出来事があった。ラインハルトの部下ヒルデガンドが、ラインハルトの子を身ごもったのだ。ラインハルトはヒルデガンドを皇妃とすることにする。
 旧同盟領の総督となったロイエンタールに敵対心を抱くラング内国安全保障局長は、元フェザーン自治領主ルビンスキーの助けを借り、ロイエンタールをラインハルトに対する反逆者に仕立て上げる。
 ラインハルトは、5年も前から行動を共にし、「帝国の双璧」の一人でもあるロイエンタールが自分を裏切ったことが信じられず、ハイネセンへ向かい、説明を求めることにした。が、その途中でロイエンタールの命令で動いていると称する連中に襲われる。ラインハルトは命辛々フェザーンに戻った。
 このことを知ったロイエンタールは、釈明の為フェザーンへ向かうことも検討するが、二度目の嫌疑で、しかも皇帝を襲撃したということになっていては、釈明も無駄だと判断する。せっかくラングがお膳立てしてくれたのだから、自分が銀河の覇者となる機会にすればいいと考え、ラインハルトと一戦を交えることに決める。
 ラインハルトは、「帝国の双璧」のもう一人ミッターマイヤーにロイエンタールの討伐を命じる。ロイエンタールを無二の友とするミッターマイヤーは、乗り気ではなかった。が、ロイエンタールに匹敵する実力を持つのは自分を除けばラインハルトしかいない。皇帝に討伐を指揮させる訳にはいかない。ロイエンタールを自分なら説得できるのではという期待も抱いて、ミッターマイヤーはハイネセンに艦隊を進める。
 イゼルローン共和政府はロイエンタールから、メッセージを受ける。協力して、自分が帝国の覇者となった場合、旧同盟領を返還してやる、と。共和政府はロイエンタールが圧倒的に不利だと見て、協力を拒否し、静観することにする。
 ミッターマイヤーはロイエンタールを説得しようと試みるが、ロイエンタールの腹は決まっていた。決裂する。
 ロイエンタール率いる艦隊は、ミッターマイヤー艦隊と衝突する。一進一退の状況が続くが、ラインハルトは次々援軍を送る。ロイエンタール艦隊とミッターマイヤー艦隊は本来は味方同士。ロイエンタール艦隊の兵は必ずしも戦闘に積極的ではない。兵力の補充がないことから、ロイエンタールは徐々に追い詰められていく。ついに味方から裏切り者が出た。
 ロイエンタールは深手を負い、ハイネセンに戻る。彼はそこでトリューニヒトを射殺すると、息を引き取る。
 ロイエンタールの愛人は、自分とロイエンタールの間にできた子をミッターマイヤーの養子にさせる。
 ラングは無実の者に罪を着せ処刑したことで拘束される。


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解説

 新帝国誕生から二年目にも拘わらず、早くも破綻の兆しを見せている。シリーズも同様に破綻している。なぜ続けているのか。
 ラインハルトに対し、これまで数人がロイエンタールが反逆したのではない、ラングの陰謀だと告げているのに、「証拠がなければ罰せない」と言って何もしない。
 が、戦闘が終わり、ロイエンタールが死んだ後、ラングが犯した数々の罪に関する証拠が発見されると即刻拘束に踏み切っている。この行動は当たり前といえば当たり前のようだが、その証拠というのが単なる文書なのだ。その程度の微妙な証拠で拘束するなら、嫌疑が向けられた時点で拘束していれば、事態は良い形で収拾していたかも知れないのに。
 今回の無駄な死はトリューニヒトだろう。同盟・帝国のほぼ全員に嫌われながらも生き延びてきたのに、本巻で死んでしまう。しかも呆気なく。何かやらかすのではないか、と思っていたがそれもなく、瀕死のロイエンタールによって射殺されるのだ。
 ジェシカ・エドワーズが殺された時も思ったが、結局何の為に登場してたんだか。トリューニヒトは胡散臭い、汚い人物であるのは確かで、同盟にとっては裏切り者。したがって裏切られた同盟の者が嫌うのは理解できるが、ロイエンタールやラインハルトなど帝国側があそこまで毛嫌いしたのかは理解できない。こいつが降伏を申し出たから帝国は勝利し、ラインハルトはヤンに撃破されないで済んだのだ。
 戦闘中にロイエンタールを裏切った部下は、学者提督グリルパルツァー。彼はロイエンタールに従うといち早く宣言しながらも、最初から裏切るつもりでいた。戦闘中にチャンスを見てロイエンタールを裏切り、ミッターマイヤーを一気に勝利へと導くきっかけを作った。
 ただ、ラインハルトやその臣下は、主君に対する裏切りを軍人として最も恥じる行為と見なす。たとえその主君が敵で、裏切りが自分らにとって有利に働いても、裏切り者は厳重に処罰する。現に、併合前の旧同盟軍首脳は、同盟国家元首を裏切ったことでラインハルトによって処刑されているし、元国家元首トリューニヒトがラインハルトに嫌悪されているのも、敵国の同盟を裏切った、と考えているからだ(トリューニヒトの場合、元国家元首を処刑するのはまずい、ということで生かされた)。
 このことをグリルパルツァーは知っている筈なのに、なぜロイエンタールを裏切ることにしたのか。戦闘中、不利になった為やむを得ず裏切ったならまだ分かるが、最初から裏切るつもりでいたのだ。
 ロイエンタール配下の部下には、ミッターマイヤーとの戦闘を最初から反対し、ロイエンタール不支持を宣言した者もいた。ロイエンタールはその部下に謹慎を命じるだけで、処罰しなかった。グリルパルツァーも、身の安全を図るなら最初から不支持を宣言して退場していれば良かったのに、なぜそうしなかったのか。
 そもそも、乱世の中で裏切りを一々処罰するのはおかしい。誰だって自分の身が可愛いし、誰だって先が見えないのだから。敗北が明らかなのに、偶々選んでしまったその主君に死ぬまで付いていけ、というのもおかしい。離脱して降伏する、というやり方もあるかも知れないが、激怒した主君に攻撃される恐れがある。それを防ぐ為に先制攻撃としての裏切りを実行することもやむを得ない場合もあるだろう。裏切りを単に「許しがたい行為」として処罰するのは、あまりにも非現実的。
 ラインハルトは「許しがたい行為」を嫌悪していると言うが、本人はどうか。貴族連合との戦争の際、彼は貴族連合による核攻撃を知っていながらも見過ごし、惑星を全滅させた。その場面を記録し、政治的に利用した。ヴェスターランド事件である。本巻では、ラインハルトはヴェスターランドで妻子を失った者に命を狙われ、愕然とする。「ヴェスターランドは絶対忘れない」と失敗した暗殺者はラインハルトの前で喚く。そのことで悩み、ヒルデガンドに「今夜は一人にさせないでくれ」と言う。その結果ヒルデガンドは身ごもった。
 ラインハルトは、ヴェスターランド事件を二度も利用したことになる。はっきり言って、ここまで汚い奴はいないのでは。
 自分はここまで汚い手を使っているのに、部下やその他の者に対し、「汚い手を使うな!」と恫喝するのはおかしい。



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Last updated  2006.11.27 13:00:41
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