1711602 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

非常に適当な本と映画のページ

非常に適当な本と映画のページ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Freepage List

Category

カテゴリ未分類

(339)

洋画

(279)

邦画

(85)

邦書

(140)

洋書

(57)

ニュース

(734)

DVD

(8730)

Comments

Favorite Blog

まだ登録されていません
2006.11.28
XML
カテゴリ:邦書

 創元推理文庫の江戸川乱歩全集第五巻。本作品は1934年に出版された。本書には連載当時のイラストが満載。文体も非常にサラサラと読める。
 名探偵明智小五郎が登場する。


粗筋

 美観の女怪盗「黒蜥蜴」は、岩瀬家が所蔵する宝石「エジプトの星」を盗むことを決めた。しかし、その在処を知っているのは岩瀬氏だけ。そこで黒蜥蜴は岩瀬氏の娘早苗に目を付けた。彼女を誘拐し、身代金として差し出させようと考えた。
 黒蜥蜴からの挑戦状を受け取った岩瀬氏は、名探偵明智小五郎の助けを求めた。
 明智と黒蜥蜴は、知力を絞って早苗を奪ったり奪い返したりしていたが、黒蜥蜴はようやく早苗をさらうことに成功し、明智を始末することにも成功した。
 黒蜥蜴は早苗を自分の隠れ家に連れていき、自分がこれまで盗んできた宝石類を見せびらかす。黒蜥蜴は宝石だけに飽きたらず、美女や美男をさらって剥製にした「芸術品」まで作っていた。
 が、黒蜥蜴は油断し過ぎてしまった。さらった女は早苗ではなく、替え玉だったのだ。しかも殺したと思っていた明智は生きていて、手下に変装して隠れ家に潜入していた。
 警察に踏み込まれた黒蜥蜴は、観念して毒をあおる。明智の腕の中で死んでいった。


楽天ブックス(large)

解説

 悪女が登場する作品はあるものの(魔術師の妙子など)、女がメインの悪党を務めるのは乱歩作品の中でも本作品だけだろう。
 本作品は殺人が少ないので(黒蜥蜴は過去に多数殺しているとほのめかしてはいるが)、グロは比較的少ない。が、エロは全開。早苗(実は替え玉)は勿論、黒蜥蜴も脱ぎまくる。というか、
 黒蜥蜴が一番脱ぎまくると言える。
 ただ、性交は皆無である。乱歩はエロにはそれなりの関心があったらしいが、ポルノの線は越えたくなかったらしい。
 本作品も他の作品同様、プロットにご都合主義が多く、明智も黒蜥蜴も状況によって賢くなったり、信じられないほど間抜けになったりする。最終的には「エジプトの星」をそっちのけに早苗拉致ゲームに終始しているのだ。
 これだったら岩瀬氏本人を拉致して直接聞き出せばと思ってしまうのだが、早苗をさらうと宣言した黒蜥蜴は、それを許さなかったのだろう。そもそも岩瀬氏に早苗をさらうと挑戦状を送ってしまう(事前に知らせておかないのはアンフェアだという)ところから黒蜥蜴がまともな精神状態の者でないのは確か。
 黒蜥蜴は変装の名人の筈なのに、自分がさらった早苗が替え玉であることに気付かないし、明智の変装も看破できなかった。
 当時の変装グッズはかなり品質が高かったようだ。
 明智は相当な変装マニアらしい。何度も変装している。
 本作品でも著者が「読者諸君」と読者に語りかける場面や、「ああ、一体どうなってしまうのか」と読者をよそに嘆く場面がある。
「著者が知らんでどうする」と突っ込みたくなった。
 本書では、章の終わりに、連載当時に編集部が入れたコメントも添えられている。現在の視点ではかなり痛い。
 当時警官は銃を携帯していなかった、という注釈には驚き。一般市民は簡単にピストルを入手できるようであるから意外である。



関連商品:

人気blogランキングへ

楽天ブックス(large)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.11.28 16:32:45
コメント(0) | コメントを書く
[邦書] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.