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非常に適当な本と映画のページ

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2006.11.30
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カテゴリ:邦書

 第六回ジャンプ小説NF大賞大賞受賞作。他にもう一編収録。


粗筋

 「夏と花火と私の死体」
 男児の誘拐事件が多発していた。誰一人帰っていない。
 ……というニュースが話題になっている田舎町。
 五月と弥生は小学三年生。仲良しだった。しかし、ふとしたことで弥生は五月を高い木から突き落としてしまう。
 五月は死んだ。
 弥生と小学五年の兄の健は、五月の死体を隠してしまおうと決める。兄妹は死体が発見されないよう、死体をあちこちに移動しながら、遺棄する場所を探した。
 兄妹は、ようやく最適の隠し場所を思い付いた。死体を急いでそこへ移動する。しかし、そこでは二人の従姉にあたる緑が待ちかまえていた……。
 ……この従姉こそ誘拐事件の犯人だった、というオチ。五月の遺体は緑が働くアイスクリーム工場の冷凍室に、他の男子の遺体と共に保管されることになる……。
 よく書けていることは認めなければならないが、後味が悪い。ホラーだから当然か。
 本編の最大の特徴が死んだ五月の視点で物語が進行すること。死体が、自分が死んだ後に起こった出来事を語っているのだ。この意表を突いた作風が評価され、受賞に至ったらしい。
 ただ、「主人公」は死体となった9歳の少女だというのに、文体は当然のことながらませていて、9歳が語っているとは思えない。
 主人公を殺した五月も、死体遺棄に加担する健も、やけにませている。ませたガキばかりが登場する。作家が早熟だからいいのか。

「優子」
 清音は、ある作家のお手伝いとして働くことになる。その作家には優子という妻がいたが、姿を見せなかった。清音は不思議に思う。彼女は作家の命令に背き、優子がいる寝室を覗いてしまう。中には人形しかなかった。
 清音は、自分の前に作家の家で働いていた女性と会う。その元お手伝いによると、作家の妻は亡くなっているという。
 清音は、作家を立ち直らせる為、人形を焼いて処分してしまうが……。
 ……優子は人形ではなかった。優子は焼死する。
 作家は二度結婚していた。元お手伝いが言っていた亡くなった妻というのは、作家の前妻だった。元お手伝いが辞めた後、作家は優子と再婚したのだ。
 全ては清音の思い込みだったのだ。彼女は人間と人形が区別できないという精神病に悩まされていた。
 優子は病気がちで、動作が全く止まるという病にかかっていた。だから人形のように大人しく殺されたのだ。
 最初の短編はませたガキばかりが登場し、本編では持病者ばかりが登場する。
 ホラー、てこういうもんか。
 しかし病気持ちとはいえ、妻をお手伝いさんに紹介しない夫もどうにかしてる。


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解説

 結論としては、いずれもつまらなくはない。
 が、作家本人とは無関係の箇所でこちらの評価が下がってしまうのは残念。
 評価を下げているのは帯。
「栗本薫氏絶賛! 17歳の異色ホラー」
 ……この文面そのものに問題はない。問題はフォントサイズ。「17歳」の「17」が、帯の中で一番でかい。
 作者が17歳であることをここまで強調する必要があるのか。単なる嫌味になっている。これで栗本薫氏が男性で、作者が女だったら、栗本薫氏はロリコンだと揶揄されるだろう。
 37歳ならデビューできて当たり前とされる。27歳のデビューは普通。17歳でのデビューだと衝撃的。
 早熟ということだけで大絶賛される。
 最近は他人がこういう扱いをされるのを見ていると自分自身が情けなくなってくる。



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Last updated  2006.11.30 21:43:15
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