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非常に適当な本と映画のページ

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2006.12.07
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カテゴリ:邦書

 日本国の諜報員草薙丈二が活躍するKiller Crowシリーズ第六巻。最終作でもある。


粗筋

 マラッカ海峡で海賊による強奪事件が多発していた。日本も標的となった。海峡周辺の国々と、日本は、共同で海賊の相当を図ることにした。
 日本は、海上自衛隊艦船、海上自衛隊特殊部隊、そして実戦経験を持つ諜報員草薙丈二を派遣することとなった。
 海賊問題を担当する部局は多国籍艦隊を編成し、海賊に乗っ取られたと思われる船を追跡する。しかし、敵は彼らを待ちかまえていた。情報が漏れていたのだ。敵はアッと言える間に多国籍艦隊を殲滅する。草薙は捕虜となって海賊のアジトへ連れて行かれる。
 草薙は、寝返った振りをして敵の全貌を掴もうと考えるが……。


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解説

 草薙は実戦経験のある優秀な諜報員とされている。必要となれば、本編のように、味方もためらいなく殺す。
 ただ、本編では、実は無能じゃないのか? と首を捻りたくなる場面が多い。
 海賊に乗っ取られた船に乗り込むものの、あっさりと逆襲されて捕まってしまう。本当に寝返ったかの試験として、銃を敵側から渡され、また味方を殺せと命じられるが、この時彼は銃弾の数を確認しながら、空砲であることに気付かない。その為、反撃しようとするが弾が出ず、寝返りが偽りであったことが発覚してしまう。
 今回草薙が生き残れたのは、敵側の女を自分の下半身で寝返らせられたから。敵側の女がニンフォマニアでなく、もう少し理性的であったら、草薙は海上での戦闘で殺されていただろう。
 敵は、圧倒的な戦闘力と資金と情報収集能力を持っている、となっていた。なのに(自衛隊艦船を撃沈している)、最後の場面になると、草薙一人によって幹部が全て簡単に殺され、組織は瓦解してしまう。その点では、敵も無能だった。これまでよく海賊なんて出来たなと疑いたくなった。
 本編も、車に関する蘊蓄がたっぷり。草薙は高級車をためらいなく破壊しまくっている。
 本作は300ページを超えていて、シリーズ最長作といえる。にも拘わらず、最後の部分の展開が急がされた感があり、しかも「え? もう終わり?」といった感じで終わるので、最終作としては物足りない。
 なぜたった六冊で終わってしまうのか。著者の他のシリーズ(処刑捜査官や連合艦隊シリーズ。読みたい気が起こらない)は延々と続いているのに……。
 残念。
 ま、設定が破綻しかけているし、ネタ切れ感もあるので、完全に破綻する前に終わらせた方がいい、ということでもあったのかも知れない。



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Last updated  2007.10.06 18:24:02
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