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カテゴリ:邦画
007シリーズのパロディ映画。 草刈正雄が本人を演じる。更に、草刈正雄の実の娘麻有が本作でも草刈正雄の娘として出演。他に、お天気キャスターの森田正光が本人を演じる。 映画評論家・映画監督の水野晴郎がカメオ出演。 主演の名前がタイトルになっている、という珍しい映画でもある。 粗筋 2枚目俳優草刈正雄。 実は、彼は女王陛下の元で働く諜報部員だった。コード番号は0093(ゼロゼロキュウサン)。ただし、俳優として顔が売れてしまった為、20年間も諜報活動ができないでいた。 そんなところ、草刈正雄にあるミッションが与えられる。 IT企業会社社長の三輪が、イギリスの研究所から盗まれた洗脳信号ディスクを手に入れた、というのだ。三輪は、近々テレビ局「COME ON V」を立ち上げる予定だった。どうやら、三輪はテレビ放送を通じて、国民を洗脳しようとしているらしい。 草刈正雄は、ディスクを取り返し、三輪の予防を打ち砕くよう、命じられたのだった。 三輪に接近するのは、俳優の顔を持つ草刈正雄にとって、困難なことではなかった。三輪の方から接近し、「COME ON V」を盛り上げて欲しい、と持ちかけてきたからだ。 ただ、問題があった。草刈正雄の娘麻有が、「COME ON V」のキャンペーンガールオーディションに勝手に応募してしまい、受かってしまったのだった。 草刈正雄は、ミッションを全うする為、そして愛娘を守る為、「COME ON V」に潜入する……。 感想 007シリーズのパロディ映画。 草刈正雄が本人を演じる。更に、草刈正雄の実の娘麻有が本作でも草刈正雄の娘として出演。他に、お天気キャスターの森田正光が本人を演じる。 映画評論家・映画監督の水野晴郎がカメオ出演。 主演の名前がタイトルになっている、という珍しい映画でもある。 2枚目俳優草刈正雄。 実は、彼は女王陛下の元で働く諜報部員だった。コード番号は0093(ゼロゼロキュウサン)。ただし、俳優として顔が売れてしまった為、20年間も諜報活動ができないでいた。 そんなところ、草刈正雄にあるミッションが与えられる。 IT企業会社社長の三輪が、イギリスの研究所から盗まれた洗脳信号ディスクを手に入れた、というのだ。三輪は、近々テレビ局「COME ON V」を立ち上げる予定だった。どうやら、三輪はテレビ放送を通じて、国民を洗脳しようとしているらしい。 草刈正雄は、ディスクを取り返し、三輪の予防を打ち砕くよう、命じられたのだった。 三輪に接近するのは、俳優の顔を持つ草刈正雄にとって、困難なことではなかった。三輪の方から接近し、「COME ON V」を盛り上げて欲しい、と持ちかけてきたからだ。 ただ、問題があった。草刈正雄の娘麻有が、「COME ON V」のキャンペーンガールオーディションに勝手に応募してしまい、受かってしまったのだった。 草刈正雄は、ミッションを全うする為、そして愛娘を守る為、「COME ON V」に潜入する……。 見るからに低予算で、短期間の内に製作された映画だ、というのが分かる。 にも拘らず、観ていて楽しい。 エンドクレジットの最後の最後まで楽しませてくれる。 こんなに笑わされた映画は久し振り。 007シリーズファンだ、てこともあるのだろうが……。 成功した秘訣の一つは、低予算であることをあえて隠さず、むしろそれを逆手に取った演出をし、ギャグにしたこと。 鑑賞者からすれば、むしろチープさがギャグの度を高めているのである。 また、パロディ映画ではあるものの、ストーリーがそれなりにしっかりしているのも成功した理由だろう。 改めて考えてみると穴だらけなのだが、流れ的には不自然な部分や、完全に破綻している部分はない。 複線もきちんとまとまっているし。 キャストの演技も良い。 草刈正雄は諜報員でもあり俳優でもある自分を、ある場面では真剣に、ある場面では自虐的に、適度に抑えて演じている。 主人公が適度に抑えた演技をしているお陰で、ギャグもすっ飛び過ぎることはなかった。 麻有は、本作が女優デビュー。 ぎこちない部分は見られたものの、それが作品にリアリティを感じさせ、ギャグとギャグの間の息抜きとなれた。 敵役の三輪を演じた嶋田久作の演技も良かった。 007のパロディ映画では、敵役が単なるおバカキャラに成り下がってしまうことが多い。が、嶋田久作は三輪を単なるバカキャラにはせず、むしろ凄みのある人物にしたことで、ギャグが行き過ぎるのを阻止していた。 本作が作品として成功した最大の秘訣は、ギャグ映画・パロディ映画に徹したこと。 最近の「大作」邦画は、「とにかくお涙頂戴にすればいいんだろ」的な部分が見られ、「感動的なシーン」を無理にでも捻り込もうとする。例えどんなジャンルの映画であろうと(アクションに徹するべき作品にも無用な感動シーンを捻り込みたがる)。その結果、登場人物(そして製作者ら)が勝手に感動しているだけの、白けたものに仕上がってしまう。 しかし本作は、お涙頂戴にしよう、という意図が全く見られない。そんな訳で、鑑賞者は無用で白けるだけの「感動的なシーン」に付き合わせられることなく、ストーリーやギャグに集中することができる。 本当に印象に残る作品、何度も何度も観られる作品、名作となる作品(評論家らが推したがる「名作」という意味ではない)、とは「感動」を無理矢理捻り込んだものより、エンターテインメントに徹したものである。感動シーンはあるものの、スパイス的なもので、それを目的としない作品。そういうのが「真の良作」である。 「大作」邦画の製作者らは、本作を見て、観客を心底から楽しませる映画とはどういうものか学んで欲しい、と言いたい。 本作は、上述したように、007シリーズのパロディ。 007へのオマージュが随所に見られる。 本家007シリーズではなくなってしまったガンバレルシークエンスもある(許可を得てパロッたのかね。本家そっくり)。 上司Mとして、お天気キャスターの森田正光が本人として登場。俳優ではないが、それなりの演技をこなしていた。 Q(九さん)も登場する。変な兵器(?)を数々披露していた。 兵器満載のボンドカーが登場しなかったのはちょっと残念(低予算だし。作中では「車検で取り外す羽目になった」と説明)。 本作は、ほぼ全てのシーンにギャグが盛り込まれていて、一度観ただけでは観切れない。 数回観るべきだろう。 少なくとも、本作はDVDを借りてまた観てみたい、と思わせた。 最大の問題点というか、悲しいところは、本作がギャグ映画・パロディ映画としてしか成り得ないこと。 シリアスなものに仕上げようとしたら、お決まりの「感動シーンを入れなければ!」といった下らぬ意見が上がり、駄作になっていただろう。 本作では、草刈正雄が実の娘で、作中でも娘役を演じた麻有に、芸能界に入るなと説教するシーンがあったが……。 これはどこまで本音なのかね。 仮に反対していたとしても、最終的にはこうして出演しているのだから、一応認めたことになる。 「一作なら」てことだったのか。 007のパロディ映画には、オースチン・パワーズ・シリーズがある。 オースチン・パワーズ・シリーズはギャグを下ネタに頼っているが、本作のギャグはそういったものではないので、家族でも安心して観られる。 オースチン・パワーズ・シリーズも嫌いではないが、ギャグの質は勿論、総合的にも本作の方が勝っている感じ。 ちなみに、本作は、「年末にどんな映画がやってるのかな」と検索していたところ、偶々上映を知ったもの。 1週間限定公開。 ミニシアターでだった。 全国公開しろ、とは言わないが、もう少し大きな劇場で上映しても良かったのでは? 大劇場を占拠している駄作よりマシ。 関連商品: PERFECT BLUE お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.12.28 18:11:43
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