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非常に適当な本と映画のページ

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2010.06.19
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カテゴリ:洋画

 アメリカのベストセラー作家スティーブン・キングの著作の映画化。
 ジェームズ・カーン、キャシー・ベイツ、ローレン・バコールが出演。
 キャシー・ベイツの出世作となった。
 キング原作の映画化としては派手さに欠ける(SFや超常現象的な要因が無い)、まともな作品に仕上がっている。


粗筋

 ポール・シェルダン(ジェームズ・カーン)は、ミザリーという女性を主人公にした小説シリーズでベストセラー作家にのし上がった。
 が、世間の評価とは裏腹に、本人はミザリー・シリーズを書くのが嫌になっていて、最終作と決めた新作では、ミザリーを死なせる事にした。
 完成した原稿を鞄に収め、ホテルを後にしたものの、その日は吹雪。
 シェルダンは運転ミスで道路から外れ、谷底に落ちてしまう。
 瀕死の状態のシェルダンを、ある女性が救出する。ミザリー・シリーズの「ナンバーワン・ファン」を標榜するアニー・ウィルクスだった。
 シェルダンは、直ちに病院に連絡してくれと頼むが、アニーは吹雪で電話が通じない、と説明する。
 元看護婦と名乗るアニーは、自身でシェルダンを看護する事に。
 シェルダンは止むを得ない、と判断し、アニーに自身を委ねる。
 アニーは、ミザリー・シリーズの最新作を読みたがっていたので、シェルダンは書き上げたばかりの原稿を読ませる事を了承する。が、これが間違いだった。
 最新作がミザリー・シリーズの最終作で、しかもミザリーは死んでしまう、という結末に、アニーは激怒。
 この原稿は駄目だと言い出して処分し、「正しい最新作」を書く様、迫る。
 シェルダンは両足を骨折しており、全く動けない状態。アニーの手から逃れて助けを求めるのは無理だった。
 仕方なく、アニーの為に新たな新作を書き始める。
 一方、地元の保安官(リチャード・ファーンズワース)は、シェルダンが行方不明になっている事を知らされ、直ちに捜査を開始。当初はシェルダンの事故車が雪で埋もれてしまって発見出来なかったが、数日後、上空から発見。事故車にはシェルダンの姿は無かった。
 地元警察は、シェルダンが自力で事故車から這い出たが、雪の中をさまよっている内に死亡した、と見る。誰かが発見したなら、病院に連れて行っている筈だから、と。シェルダンの遺体は雪に埋もれているから、発見は雪が解けてなくなった後になる、として、捜査を打ち切る。
 ただ、事故車を発見した保安官は、その結論に納得しなかった。何故なら、事故車のドアは外からこじ開けられていたからだ。シェルダンが自力で脱出したのではなく、誰かがシェルダンを助け出したのだ、と。
 保安官は、ふとしたきっかけで、アニーの存在を知る。アニーついて調べてみると、彼女が勤務していた病院で発生した死亡事件の犯人として逮捕されていた、という過去があった。しかも、裁判所から出た後のインタビューの言葉は、ミザリー・シリーズの一節だった。
 保安官は、シェルダンを事故車から救出したのはアニーだ、と悟った。彼女の最近の買い物(大量のタイプライター用紙)から、どうやらシェルダンを監禁し、小説を書かせているらしい、と推測。
 保安官は、確証を得ないままアニーの家を訪ねる。
 アニーは、シェルダンを気絶させて地下室に押し込み、保安官を出迎える。
 保安官はアニーの目を盗んで家の中を探すが、地下室へのドアはパッと見にはそれと分からないものだったので、シェルダンを発見出来ず、アニーの家を後にする。
 が、その直後にシェルダンは意識を回復し、地下室で出来る限りの大音を立てる。
 保安官はそれに気付き、地下室にいるシェルダンを発見。しかし、その直後にアニーによって射殺されてしまう。
 アニーは、「最早これまで。シェルダンを道連れにして自決する」と言い出す。
 シェルダンは、ミザリーの最新作はあともう直ぐで完成するので、それまで待ってくれ、と頼む。
 アニーは、それを認める。
 シェルダンは、それを機会に反撃に移る。完成したばかりのミザリー最新作を彼女の目の前で燃やす。アニーが火を消そうと躍起になっている隙を見計らって、タイプライターを彼女の頭に振り下ろす。
 そこからシェルダンとアニーは乱闘し、シェルダンはアニーを倒す。
 18ヵ月後、シェルダンはミザリー・シリーズとは異なる最新作を発表。未だに死んだアニーの幻想に悩まされる。


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感想

 キングの小説をベースにした映画にしては、SF的要素も、超常現象も無く、ある意味「まとも」な映画。
 幽霊や怪物によるホラーではなく、人間が引き起こすホラー。
 本作はとにかく話題になり、キャシー・ベイツがアカデミー賞で主演女優賞を受賞した程。

 無論、細かいところを見れば、問題は多い。
 最大の問題点は、警察の杜撰さというか、のんびりし過ぎたところか。
 著名なベストセラー作家の行方が分からなくなり、付近にいる可能性が高いというのに、警察はなかなか腰を上げない。
 ようやく腰を上げ、事故車を発見するが、警察は「シェルダンは自力で脱出して遭難した。既に死亡している可能性が高い」と早々と決め付け、捜査を打ち切ってしまう。
 保安官が、事故車を前に一目で「シェルダンは自力で脱出したのではなく、何者かがやって来てさらった」と推測したにも拘らず、である。
 その保安官も、のんびりと単独で捜査するだけで、アニーに行き当たったのは偶然。それも単独でアニーの元を訪れ、最終的には射殺されてしまう。
 どこまで無能というか、暢気な警察なのか。

 最大の問題点は、シェルダン本人か。
 シェルダンは、大量殺人犯と思われる女性により監禁され、足を骨折されるなど酷い目に遭わされるのに、常に冷静。
 アニーが感情を爆発させて狂気を見せるのに対し、シェルダンは最初から最後辺りまで感情を内に秘めている。
 通常の人間がこの様に監禁されたら、正気でいられないと思うのだが。
 この状況で平静でいられるシェルダンの方が、ある意味アニーより狂っていたのかも。
 本作は、アニーが感情を爆発させるシーンが多いので、シェルダンまで感情的になっていたら映画としては重くなり過ぎる、という演出状の判断だったと納得するしかない。

 シェルダンの出版エージェントとして、往年の名女優ローレン・バコールが登場。
 登場シーンは多くないが、それなりの存在感を示していた。

 原作の小説とは異なっている部分も多い:

・本作では、シェルダンはミザリーの最終作を書き上げ、その原稿を出版社に届ける途中で事故に遭い、アニーに原稿を読まれた結果新たなミザリー小説を書く事を強いられる、という内容になっている。原作では、シェルダンは既にミザリー最終作(ミザリーが死ぬ)を出版していて、書き上げた新たな原稿は犯罪小説だった。アニーは、これまでのミザリー・シリーズと全く異なる内容の小説に納得せず、新たなミザリー小説を書け、ミザリーを生き返らせろ、と要求している。

・本作では、シェルダンは足を折られる。が、原作では、足を切断され、傷口を熱消毒される。

・本作では、保安官が重要な登場人物になっていて、アニーがシェルダンを監禁している、と推理した上でアニーの家を訪れている。シェルダンの存在を知り、アニーによって射殺される。原作では保安官は偶々アニーの家に寄っただけで、確信があった訳ではない。同じ様にシェルダンの存在を知るが、アニーによって大型芝刈り機によって殺される。

・本作では、シェルダンは完成したばかりの原稿をアニーの目の前で燃やして油断させ、その隙を狙ってタイプライターで殴り付けたり、アイロンで殴り付けたりして死なせる。原作では、原稿をアニーの目の前で燃やして油断させるところまでは同じだが、燃える原稿を口の中に押し込んで窒息死させる。翌日、仲間の保安官の行方を捜しに来た警察官らによってシェルダンは発見されるが、アニーは側の納屋で、チェーンソーを手にした状態で死んでいた。アニーは窒息しておらず、納屋まで移動したものの、脳挫傷が原因でその場で倒れたのだった。

・本作では、シェルダンはミザリー・シリーズから完全に足を洗い、批評家の間でも評判のいい新作を発表している。原作では、実はシェルダンがアニーの前で燃やしたのは何も書かれていない原稿用紙だけで、新作はそのまま残っていた。シェルダンは監禁中に書き上げたミザリー・シリーズの新作を出版社に持って行き、そのまま出版するが、その後はスランプに陥り、監禁中に服用していた鎮痛剤の後遺症に悩まされる、という結末になっている。

 要するに、後味が必ずしも良くない原作を、映画化の際に多少救いのあるものにしている。
 原作の様に、監禁中に書き上げた原稿をそのまま出版社に持って行く、という結末は理解し難いが、せっかく書き上げた原稿を何の躊躇いも無く燃やす、という結末も、「どんな作品も自分の分身」と見なす小説家の心理を掴んでない感じがしないでもない。

 ハリウッド映画らしく、ラストではアニーが不死身に近い状態になって、シェルダンに何度も襲い掛かる。
 通常は重たいタイプライターを頭に叩き付けられたらそのまま死ぬか、少なくとも脳震盪になると思われるが、アニーは、シェルダンが何度殴り付けても飛び上がって襲い掛かる。最終的にはアイロンの一撃を食らって絶命するが、あまりの不死身振りに、逆にそんなに簡単に死んでいいのか、と思ってしまった。

 本作では、監督を務めたロブ・ライナーがヘリコプター・パイロットとして出演。
 海外の監督はこういうお遊びが好きである。

 原作は、キング本人の体験が下敷きになっているとか。
 熱烈なファンがキングの自宅に押しかけ、キングの妻を人質に取る騒動があった。
 熱烈なファンの狂気を肌で知り、ミザリーという小説を書き上げたという。
 転んでも只で起きないのは見事だが、こういう実体験も小説の題材にしていまうキングは、本人が書く小説以上のホラーである。


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Last updated  2010.06.19 19:12:13
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