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2016.04.24
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カテゴリ:邦書


 著者を代表する浅見光彦シリーズの一つ。
 浅見光彦シリーズというと、素人探偵の浅見光彦が旅の過程で事件に巻き込まれ、解決の為に奔走するという、いわゆる旅情ミステリが当たり前だが、本作は、その殻を破る目的で古典的なミステリに仕上げられている。


粗筋

 ルポライターで素人探偵の浅見光彦は、大物俳優加堂孝次郎の別荘で催されるパーティに招待される。
 不審な死亡事故が二年続いて起こっていたので、加堂が浅見に監視を依頼したのだった。
 僻地にある別荘には、12人の有名芸能人が招待されていた。芸能人とあって、いずれもひとくせもふたくせもある輩ばかり。互いの腹を探り合う。
 しかも、別荘で執事とメイドを務めていたのは、加堂によって芸能界を追放された元俳優夫婦だった。
 浅見は、この状況では事件が起こらない方がおかしい、と感じるようになる。
 招待客らは主催者の加堂が現れるのを待つが、なかなか姿を現さない。
 主催者の加堂の姿が無いまま、晩餐を始める羽目に。
 その直後、男優永井が何者かに毒殺される。
 警察に通報しようと考えるが、電話はいつの間にか外部に通じなくなっていた。
 乗って来た車で助けを呼ぼうとするが、招待客全員の車が跡形も無く消えていた。しかも、外に出ようとすると、何者かが空気銃で狙い撃ちしてきた。
 どうやら、誰かが招待客全員を別荘に監禁したいらしい。
 打つ手が無いので、招待客は別荘に留まる。芸能人なので、一日でも行方が分からないと、所属事務所が不審に思うので、いずれ助けが来てくれるだろう、と。
 招待客は、それぞれに割り当てられた部屋に入る。
 すると、招待客が次々毒殺されていく。
 残った招待客は、加堂の仕業だと判断し、主催者の部屋に突入。それと同時に銃声が。
 加堂の射殺死体が発見される。
 因縁のある芸能人らを道連れにする為、別荘に招待して次々殺害した後、自ら命を絶った、と判断された。
 警察に通報する事が可能になっていたので、通報する。
 警察がやって来て、芸能人が何人も死んでいる事実に驚く。
 浅見は、執事とその妻が死んだ事を知って、真相が分かったと宣言。今回の事件は加堂が仕組んだのではなく、執事とその妻が仕組んだ、と。
 加堂は例年通り様々な芸能人を招待してパーティを開催するつもりだった。が、自ら芸能界から葬り去った元俳優夫婦を執事とメイドとして雇う、という悪戯心が運の尽きだった。
 元俳優夫婦は、これを機に積年の恨みを晴らし、命を絶つ、という計画を立てたのである。
 元俳優夫婦は、加堂から手渡された招待客のリストを無視し、恨みを持つ芸能関係者を加堂の名の下で招待。招待客は加堂から送られたものだと疑わず、加堂も元俳優夫婦に全て任せ切りだったので、本来の招待客が呼ばれていない事に誰も気付かなかった。加堂が唯一自身の手で招待状を出したのは浅見だけで、彼も本来の招待客の情報は与えられていなかったので、居合わせたのが本来の招待客だと判断するしかなかった。
 俳優夫婦は加堂を自室に監禁した上で招待客を受け入れ、次々殺害。加堂も殺害した後、自ら命を絶ったのである。



解説

 本作は、旅情ミステリしか書けないと一般的に思われている著者が、古典的なミステリも書ける事を世間に知らしめる為に書き下ろしたという。
 著者本人は良いものに仕上がったと自画自賛しているが……。
 ミステリアニメの脚本を、文系の大学アルバイトがやっつけ仕事でノベライズした代物を読まされた気分。
 古典的な「閉ざされた状況下で発生した事件」のミステリとして成立しているとは言い難い。
 登場人物も、きちんと書き分けが出来ていないのでどれも印象に残らず、区別するのに苦労する。
 結末も、「枚数に達したからここで終わらせないと」と判断したかの様にとって付けられているだけで、納得のいくストーリー展開になっていない。

 主人公の浅見も、作中では「名探偵」として名が通っているという設定になっている割には、やけに無能。
 実兄が警察庁の幹部で、それを盾に事件捜査にやって来る警察関係者を適当にあしらうだけ。
 兄の七光りが無かったら、ただの一般人でしかない。
 無能であっても、キャラ的に魅力があればまだマシなのだが、それも無い。無能で退屈という、読む側からすれば苦痛でしかないキャラ。

 執事とメイドの元俳優夫婦が一枚噛んでいて、加堂が全く事件に携わっていないのは、途中で読めてしまう。
 ラストで、こちらの読みを、浅見がまるで読者が誰一人予想もしていなかった大どんでん返しであるかの様に語る場面に達した時は、呆れるしかなかった。

 僻地でも携帯電話が全く通じない場所は国内で少なくなっている現在、古臭さも感じる。

 芸能界に関する雑学でも盛り込まれていれば、その手の読み物として成立するが、そうした要素も感じられない。

 今となってはミステリとしても、キャラ小説としても、描かれている時代を楽しむ小説としても、雑学を得る書物としても読めないのは、とにかく残念。

 著者が本作以降旅情ミステリ作家としての殻を破っておらず、低予算サスペンスドラマの原作に徹しているのは、正解だったと言える。


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Last updated  2016.04.24 18:30:51
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