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2016.10.18
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カテゴリ:邦書

《警視庁特務武装班》シリーズの一つ。
 特別に武装訓練を受けた捜査官浅倉と、彼が率いる捜査班が、事件を捜査する。


粗筋

 警視庁特務武装班の主任浅倉と、彼が率いる捜査班は、ある事件の捜査を命じられる。
 山中という人物の死体が自宅で発見される。一見他殺の様だった。が、山中は自身に多額の生命保険を掛けていて、しかも仕事上のストレスで鬱病と診断されていた。自殺だと生命保険が降りないので、他殺に見せ掛けて自殺したのではないか、という説が有力視される。しかし、ベテラン捜査官は他殺を装った自殺ではなく、他殺そのものだと主張。
 上層部が検討した結果、他殺の可能性が高いと判断された。初動捜査班は既に解散されていたので、「支援捜査」の名目で、浅倉が捜査する事になったのだ。
 浅倉達は、山中の殺害の動機を二つに絞る。仕事上のトラブルと、恋愛上のトラブル。
 山中は、いわゆるブラック企業で勤務していた。労働条件の改善を会社側に訴えたが、会社の顧問弁護士の意見により、完全に無視されていた。そこで、「東京青年ユニオン」という労働者支援団体に相談する。「東京青年ユニオン」の代表長坂は、山中の勤務先である「くつろぎ商事」に押し掛け、交渉のテーブルに着くよう、迫る。しかし、「くつろぎ商事」はこれを渋っていた。
 また、山中には別れたばかりの恋人理恵がいた。別れた理由は、山中が多忙過ぎて全く会えないから、だった。そんな事もあり、山中にはまだ未練があり、理恵に対しストーカー紛いの事をしていた。理恵の新しい恋人である田浦はこれを腹立たしく思い、山中を殴った事もあった。
 仕事上のトラブルが動機だとすると、「くつろぎ商事」は山中に何らかの弱みを握られ、それに危機感を抱き、殺害したという事になる。
 恋愛上のトラブルが動機だとすると、理恵と田浦は、ストーカー行為を止めない山中に対し、手を下したという事になる。
 浅倉達は二手に分かれ、双方の線を洗い出しする。
「くつろぎ商事」では、専務が納入業者から巨額のリベートを得ているらしい事が発覚。山中がこの事実を掴み、労働条件を改善しろと脅していたら、専務が何者かを雇って殺させた可能性が高くなった。
 一方、理恵と田浦は、ネットのサイトで、交換殺人をしないかと持ち掛けていたことが発覚。理恵と田浦が殺させた可能性も高くなった。
 浅倉達は捜査を進める。理恵と田浦の線は、捜査が進むにつれ薄くなっていた。
 しかし、「くつろぎ商事」の線は、専務を事情聴取した直後に浅倉が暴漢によって襲われる等、濃くなっていった。
 暴漢を取り押さえた浅倉達は、暴漢から証言を得て、専務を拘束する。
 専務は、巨額のリベートを得て、自分の懐に納めていた事、浅倉が「支援捜査」の目的で事情聴取に来た事を脅威に思って暴漢に襲わせた事を認める。しかし、山中の死には関与していない、と主張する。
 裏付け調査も、専務が山中の死に関わっていない可能性が高い事を示していた。
 浅倉は、「くつろぎ商事」でリベートを得ていたのは専務だけでなく、会社そのもの、つまり社長も一枚噛んでいたのでは、と考える。
 この事実を社長に突き付けるが、社長はリベートについて全く知らず、山中の死にも関与していない、と主張した。
 捜査は完全に振り出しに戻る事となった。
 その時点で、浅倉は新たな線を見付ける。「くつろぎ商事」の顧問弁護士が、実は女装マニアだったのだ。顧問弁護士は、この弱みを何者かに握られ、悪事を働いているようだった。
 浅倉は、顧問弁護士の身辺を洗う。
 また、山中の身辺も再度洗う。すると、山中は「東京青年ユニオン」があまり助けにならないと感じていて、学生時代の先輩小池にも相談していた事が分かった。小池は顧問弁護士の周辺をうろつき、彼が女装マニアである事実を掴む。
 小池こそ、顧問弁護士に悪事を働かせていた人物だった。若者を集め、集金車強盗をしていたのである。
 山中は、この事実を知った為、小池に殺された可能性が高くなってきた。
 浅倉の部下らは、小池を確保すべきだと主張するが、浅倉は、小池が全てを計画したにしては若過ぎる、黒幕がいる筈だ、と考え、捜査を継続させる。
 すると、また新たな事実が発覚。小池の伯父は、「東京青年ユニオン」の代表長坂だったのだ。
 浅倉達は、漸く事件の全貌を掴む。
 山中は、労働条件を改善して貰う為に、「東京青年ユニオン」と接触している内に、そこの代表が甥で学生時代の先輩である小池と、「くつろぎ商事」の顧問弁護士と結託して集金車強盗をしていた事実を知ってしまったのだ。
 その為、頼っていた筈の長坂に殺されたのだった。
 浅倉は、長坂を確保する。



解説

 物凄い安っぽい刑事ドラマのノベライズみたいな小説。
「特務武装班」として、刑事らを必要以上に武装させて、格好良く見せかけているものの、事件そのものは小粒。国際的テロ組織と対峙するならともかく、何故この程度の犯罪者を取り締まるのに武装させるのか、と思ってしまう。
 作中では、一般の犯罪捜査でも刑事を武装させるべきだといった論争が繰り広げられるが、本作の捜査手法を読む限りでは、こういう奴らに武装させては不味い、と寧ろ思ってしまう。

 浅倉は、特務捜査官という立場にありながら、物凄い女好きで、女を次々と取り替えては情事に及んでいる、という設定になっている。現実では、この手の者は、特務捜査官に適していない、と検討段階で真っ先に撥ねられそう。ハニートラップに引っ掛かり易い、という理由で。何故こんなキャラ設定にしたのか、さっぱり分からない。
 捜査班全員が、浅倉の上司である班長を含めてやけに和気藹々とやっている姿も、作り物っぽい。警察官というより、刑事捜査も行う仲良しクラブの雰囲気。

 一企業の重役が殺し屋を当たり前の様に雇えたり、銃を手に入れたり出来るのも、異様な感じ。
 銃刀が厳しく取り締まられている日本を舞台にしているとは到底思えない。
 もし、作中の様に一般市民が銃器を手に入れられるなら、刑事を武装させたがるのも当然か。

 捜査手法も、仮説を立てては容疑を向けられた者の下に押し掛け、自供を促すというもの。
 仮説が完全に正しければそういう捜査手法も問題無いが、裏付けもなく、見切り発車で容疑対象者の下へと走るので(無論、武装して)、部分的にしか合っていない、もしくは完全に思い込み違い、という例が多い。容疑対象者を「シロ」と判断する材料も、相手の反応と自分らの直感だけで、科学的根拠に基づいたものではない。
 何故この班が有能扱いされるのか、さっぱり分からない。
 今回のケースでも、ある企業の汚職問題を副産物として暴いたが、その企業は本来の事件には全く関わっていなかった。
「くつろぎ商事」の仕業である可能性が高い、と散々掻き立てながら、実は全く違いました、という結末は、どんでん返しのつもりらしい。
 ただ、被害者山中の先輩で、「東京青年ユニオン」の代表の甥である小池は、「くつろぎ商事」が山中殺害に関しては完全に「シロ」だというのが判明したラスト辺りにやっと登場するので、どんでん返しというより反則っぽく、白けてしまう。
「東京青年ユニオン」の代表が山中を殺した、という真相も、意外に思うより、取って付けた印象しか残らない。
 何故初動捜査班は、この程度の真相も暴けなかったのか、と警察の捜査能力を疑ってしまう。普通に捜査していれば、小池という存在に直ぐ気付く筈だし、その伯父が「東京青年ユニオン」の代表であり、この代表が胡散臭い人物である事も掴めた筈。「くつろぎ商事」のリベート問題は暴けなかったとしても、集金車強盗の方は充分暴けた筈なのだ。

 本作は、構想を練りに練って書かれた小説、というより、出版社が書店のスペースを確保し続けたいが為にお抱えの作家にそれっぽいのを書き飛ばさせた、といった代物。
「捜査班」ではなく、「一人の捜査官が単独で捜査する」という設定にし、無駄な銃撃シーンは省略し、被害者の元恋人の線も省略し、「くつろぎ商事」の腐敗の線だけに焦点を当てる内容にしておけば、より引き締まった小説になっていただろうに、と思う。


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Last updated  2016.10.21 17:41:58
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