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カテゴリ:洋画
マーベルスタジオによるマイティ・ソー・シリーズ第三作。 クリス・ヘムズワース、トム・ヒドルストン、アンソニー・ホプキンスが引き続きこれまでの役を演じる。 同じマーベルユニバースのキャラであるハルクが登場。ベネディクト・カンバーバッチ演じるドクター・ストレンジもカメオとして登場する。 原題は「Thor: Ragnarok」。 粗筋 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』から2年。 ソー(クリス・ヘムズワース)は、アベンジャーズのメンバーから離れ、インフィニティ・ストーンについて調べていた。その過程で、アスガルドを滅ぼさんとする炎の巨人スルトに囚われてしまう。スルトをどうにか倒したソーは、アスガルドへと帰還する。 2年振りに見るアスガルドは、様子が変わっていた。特に、父親であり、王でもあるオーディン(アンソニー・ホプキンス)は、呑気に芝居見物をしていた。 不審に思ったソーは、死んだと思っていた義弟のロキ(トム・ヒドルストン)がオーディンに化けていた事実を暴く。 ソーは、ロキに対し、オーディンをどうした、と問い詰める。ロキは、地球のニューヨークの老人ホームに預けた、と答えた。 二人は、オーディンを取り戻す為に、ニューヨークへ向かう。が、問題の老人ホームは取り壊されていて、オーディンの行方は不明だった。二人が呆然と立ち竦んでいると、ロキが突然謎のワームホールに吸い込まれ、消滅。ソーは、ロキのポケットから落ちた名刺を拾い、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)の館に辿り着いた。ストレンジは、危険人物のロキを地球に連れて来た動機を、ソーに問う。ソーは、自分らの父親を探しに地球にやって来ただけだと告げる。ストレンジはその説明を受け入れ、ソーとロキを、オーディンがいる場所へと瞬間移動させた。 ソーとロキは、オーディンと再会。ソーは、共にアスガルドへ帰ろう、とオーディンを促す。しかし、オーディンは拒否。自分の寿命はあと僅かだから、と。 オーディンは、アスガルドに重大な危機が迫っていると告げ、自身の過去について述べる。 実は、ソーにはヘラという姉がいた。若きオーディンは、娘を副将として他の世界を征服し、アスガルドを築き、王の座に就いた。しかし、ヘラが余りにも凶暴な為、彼女を封印してしまう。が、この封印は、封印した本人が死ぬと解かれる。 オーディンは、ヘラを止めるようソーとロキに命じると、光と化して散った。 直後に、封印から解き放たれたヘラ(ケイト・ブランシェット)が、ソーとロキの前に現れる。 王位を継承するのは自分だと言い切るヘラは、ソーとロキを圧倒する力を披露。 ロキは、ソーと共にアスガルドへ逃れようとするが、追って来たヘラは移動中の異空間で二人を吹き飛ばした。 異空間を飛び越え惑星サカールへ流れ付いたソーは、そこでヴァルキリー(テッサ・トンプソン)によって捕らえられ、サカールの統治者グランドマスター(ジェフ・ゴールドブラム)に闘士として売られてしまう。先にサカールに流れ着いていたロキは、グランドマスターに取り入っていた。 かつてアスガルドの王に忠誠を誓った筈のヴァルキリーも、王子であるソーを助ける素振りを見せない。 グランドマスターが主催する格闘大会で、チャンピオンに勝利すればグランドマスターが望みを叶えると聞いたソーは、アスガルドへ帰還する為参加したが、チャンピオンとして現れたのはかつての戦友・超人ハルク(マーク・ラファロ)だった。 ハルクは、ソーの事を全く覚えていなかった。ソーは、ハルクと真剣に戦わざるを得なくなる。ハルクを倒す寸前まで追い詰めた時点で、ソーに勝ってもらいたくないグランドマスターが、ソーに電気ショックを与え、気絶させる。 ソーは、チャンピオンに勝利すれば望みを叶えてもらえる、という甘い考えが許されない事を悟った。 一方、アスガルドではヘラがウォリアーズ・スリーを含めたアスガルドの戦士を排除。王宮に踏み込む。王宮に描かれたアスガルドの歴史絵巻を目の当たりにする。アスガルドがいかに平和的に築かれたのかを描いたものだったが、実情を知っていたヘラは、自分の父親はいつでも自分の都合のいい様に史実を曲げてきた、と蔑む。 ヘラは、死んだ兵士を蘇らせる。封印前に目標としていた、九つの世界全てを支配するという野望の為に動き始める。 サカールでは、ソーはハルクをブルース・バナーへと戻す事に成功する。バナーは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』から2年も経っている事を全く知らなかった。 二人は、ヴァルキリーを何とか説得して、サカールから脱出。アスガルドへ帰還する。 ソーの帰還を知ったヘラは、彼を襲う。 同じくアスガルドに帰還したロキも加わり、ヘラと対峙するが、ソー・ロキ・ヴァルキリー・ハルクの4人合わせてやっと互角、といった状況で、決定打を与えられない。 そこで、ソーは、「毒を以て毒を制す」の戦術で、炎の巨人スルトを復活させる。 アスガルドを滅ぼさんと怒り狂うスルトは、ヘラを攻撃。 流石のヘラも、スルトに倒されてしまう。 スルトは、アスガルドを破壊し始める。 ソー達は、生き残ったアスガルドの民と共に、ロキが乗って来た宇宙船に乗り込み、アスガルドを脱出。 スルトは、アスガルドを完全に破壊した。 ソーは、その模様をただ眺めるしか出来かった。同時に、彼は国を失った民の王となった。 ソーは、とりあえず地球に向かう事を決める。 しかしそれから間も無く、巨大な宇宙船に行く手を阻まれる。 感想 ソーを遥かに上回る戦闘力を持つ姉が、アスガルドを乗っ取らんと復活。 ソーと対峙する。 ソーと、アスガルドの運命はいかに……? シリアスで、ダークな展開になっても不思議ではないストーリーライン。 実際、登場人物がガンガン死に、一つの世界が滅びる様子を描いている。 にも拘わらず、全然シリアスでも、ダークでもない。 これがマイティ・ソー・シリーズの特徴か。 ソーとヘラが相見えるのは、オーディンが寿命を終えてヘラが復活した直後と、ラストでの戦闘のみ。 その間は、ソーがいかにして惑星サカールを脱出するかのドタバタ劇と、ヘラがアスガルドを屈服させる模様が描かれるだけ。 邦題の「バトルロワイヤル」は、ソーとハルクの一騎打ちも指しているのだろうが、その部分は一瞬しか無く、その後ハルクは正気に返るので、ソーは彼と対峙する事は無い。何故邦題を、原題とは全く違うものにしてしまったのか、分からない。 登場人物らの言動も、当然ながら意味不明なのが多い。 ソーは、本作では以前程ロキに欺かれる事は無くなり、少しは賢くなったのかと思うが、代わりに新キャラのヴァルキリーに振り回されっぱなしで、相変わらず頼りない。 苦労の末アスガルドに帰還するが、義姉のヘラに歯が立たず、スルトを復活させ、アスガルドを犠牲にして、やっと倒す(正確には、倒させる)。 こんなのがアスガルドの次期王に指名されたな、と思ってしまう。 国の無い、百人にも満たない様に見える民の王には、ある意味相応しいが。 前作で死んだ振りをしてソーやオーディンを欺き、アスガルドを乗っ取る事に成功したロキ。 次期王はソーではなく自分だ、と言い張り続け、漸く手に入れた王の座。 ソーが不在だった2年間、どういった凄い事を成し遂げるのかと思いきや、宴を催すだけで、これといった事はしない。この程度の事をしたいが為に王になりたかったのか、と呆れる。王になる、というのが人生最大の目的で、王になってから何をするのか、の計画は全く立てていなかったらしい。 これだったら、王にならず、王の息子として宴を催していれば、誰にも文句を言われなかっただろうに。寧ろそうしていた方が、堅物で面白味の無いソーより王に相応しい、と後々評価されていたかも知れない。民も、宴が大好きな様だし(というか、宴以外何もしていない)。そうすれば、誰も欺く事無く、正々堂々と王になれただろう。 何故ソーと対立していたのか、さっぱり分からない。 ヘラも、オーディンの長子として物凄い破壊力を見せるが、いざアスガルドに戻ると、大した事はせず、帰還したソーらと最後の戦いを繰り広げて散る。 その攻撃力を、別の世界に行って活用していれば、制服出来ただろうに、何故アスガルドでモタモタしていたのか、分からない。 オーディンの言動も不明。 自分が死んだらヘラが復活すると知っていたのなら、ヘラを封印した直後に何か手を打っていれば良かったのに、何もせず、王国を適当に統治し、死ぬ間際に漸くヘラについて二人の息子に告げ、さっさと消滅。 何も知らされず後を継いた息子は、民を救う為に故郷を犠牲にせねばならなかった。 アスガルドはあくまでも自分の為に作り上げた王国で、後継者に渡す気等鼻から無かったらしい。 史実を自分の都合の良い様に曲げてきた、と娘のヘラに蔑まれて当然。 新キャラのヴァルキリーも、これといった活躍はしない。 ソーは、サカールから脱出し、アスガルドへ帰還するまでは彼女の助けが必要だったが(手助けに消極的だった彼女を、何とか説得して協力させている)、いざ帰還すると用済み扱い。 これだったら、ヴァルキリーをぶん殴ってでも協力させ、彼女をサカールに残して一人で帰還していた方が良かったかも。 ハルクは、2年振りにソーと再会。 この2年間、ハルクは一瞬もバナーに戻る事無く過ごしたらしい。 2年間ずっと怒り続けていた、て事か。 ハルクは、本来なら主役クラスのキャラなのに、映画シリーズではサポート役しか与えられない。 映画1本を作れる程のキャラじゃない、て事か。 本作では、シリーズ第1作から出演していた浅野忠信が、ウォリアーズ・スリーの一人であるホーガンを再び演じる。 が、本作で彼のキャラは用済みになったらしく、雑魚キャラとしてヘラにあっさりと殺される。 何の為に登場していたのか、よく分からない。 本作は、あまり真面目に見るべき映画ではないのかも知れないが、といって、単なる娯楽映画にしては、重要人物がバタバタ死ぬので、純粋に楽しむ事も出来ない。 製作者は、このソー・シリーズをどういう位置付けにしているのか、どこへ持って行きたいのか、観ている側からすると分かり辛い。
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Last updated
2018.04.06 22:23:27
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