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非常に適当な本と映画のページ

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2019.09.05
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カテゴリ:洋画

 1964年に公開されたミュージカル・ファンタジー『メリー・ポピンズ』の続編。
 今回、主人公のメリー・ポピンズを演じるのは、エミリー・ブラント。
 原題は「Mary Poppins Returns」。


粗筋

 前作から25年後。
 ロンドンは大恐慌時代の真っ只中にいた。
 ジェーン(エミリー・モーティマー)とマイケル(ベン・ウィショー)は大人になっていた。
 マイケルは3人の子供、ジョン(ナサナエル・サレー)、アナベル(ピクシー・デイヴィーズ)、ジョージー(ジョエル・ドーソン)の子宝に恵まれたが、妻を失うという悲劇に遭う。
 その傷が癒えないまま、今度は沢山の思い出が残る自宅を手放さなければならない、という危機が迫る。
 度重なる悲劇で、心の余裕を失っていくマイケル。
 3人の子供らも、明るさが無くなっていった。
 そんな彼らの前に、メリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)が再びやって来る。
 25年も経つのに、容姿が全く変わっていない事に驚くジェーンとマイケルだったが、メリーを子供達のナニーとして雇う事に。
 3人の子供らは、自宅を手放さなくて済むよう奔走する父親を手助けする為に、自分らなりに考えて行動を起こす。メリーは、それを魔法で手助けする。
 マイケルは、今は亡き自身の父親と同様、銀行で勤務していた。
 銀行の頭取ウィルキンズ(コリン・ファース)は、マイケルの父親が銀行の債券を持っていた筈なので、それを探し出せれば自宅を手放さなくて済む、と伝える。
 マイケルは、自宅を引っ掻き回して、亡き父親が残した筈の債券を探すが、見付からなかった。
 3人の子供らは、メリーが付き添う冒険の中で、ウィルキンズは悪人で、いかなる手段を取ってでもマイケルの自宅を奪おうと画策している事を知る。3人はそれを父親に伝える。が、マイケルは、昔からお世話になっている銀行の頭取を務めるウィルキンズが、そんな事をする訳が無い、と聞く耳を持たない。
 そうこうしている内に、返済の期限が迫って来る。
 余裕をますます無くし、子供には勿論、メリーにも叱責するようになるマイケル。
 その時点で、3人の子供らは自分らの思いを父親に伝える。思い出が詰まった家を失うのは辛いが、それ以上に父親の事が心配だと。
 それを聞いたマイケルは、我に返る。子供らは母親を失ったばかりで、悲しみで一杯の筈なのに、父親である自分の事をここまで心配してくれている。自宅を守るのは重要だが、それ以上に子供を守るのが自分の役目ではないか。思い出が詰まった自宅を守った所で、子供の思いを汲み取ってやれない様では、本末転倒ではないか、と。
 その時点で、マイケルは開き直る。
 自宅を手放さなければならないならさっさと手放し、引っ越し先で子供達と一緒に人生をやり直そう、と。
 マイケルは、ジェーンの助けを借り、引っ越しの手続きを進める。
 引っ越しの荷物の一つに、子供の為に作った凧があった。凧は、破れた部分を、紙で塞いであった。その紙は、画家を目指していた自分が描いた家族の似顔絵を使っていた。自身が描いた懐かしい似顔絵を見て、子供達と一緒に思い出話にふける。
 その紙を透かして見ると、ある事に気付く。似顔絵は、債券の裏に落書きされたものだったのだ。
 漸く債券を見付けたマイケルは、家族と一緒に銀行へ急ぐ。
 マイケルは、ウィルキンズに、凧ごと債券として提出。
 期限ぎりぎりに提出出来たと喜ぶマイケルに対し、ウィルキンズは冷たく言い放つ。債券は完全な状態でないので、無効だと。
 その時点で、マイケルは気付く。子供達の忠告は事実で、お世話になっていたと思っていたばかりの頭取は、最初から家を奪う算段だった、と。
 怒ったマイケルは、家をそんなに奪いたいならくれてやる、自分には家族さえいれば充分だ、と言い、頭取室から出ようとする。
 そんな所、前の頭取ドース・ジュニア(ディック・ヴァン・ダイク)が現れる。年老いて引退した、とウィルキンズは説明していたが、実は元気そのものだった。
 ドース・ジュニアは、ウィルキンズに対しお前は経営者として失格だとし、解雇を伝える。そして、マイケルに対し、家を手放す必要は無い、とも伝えた。
 晴れて自宅も家族も取り戻したマイケル。
 子供達とジェーンと共に自宅に戻る途中、公園でカーニバルが開催されているのを知る。
 風船売りから風船を一つ選ぶよう促されたマイケルは、風船を一つ選ぶと、身体が浮き上がり、空を飛び始める。心の余裕を取り戻した瞬間だった。
 マイケルに続き、ジェーンも子供達も風船で空を飛び、自宅まで戻る。
 マイケル一家が明るさを取り戻した事を悟ったメリーは、風に乗って帰って行く。



感想

 続編である本作は、第1作から54年後に公開されている。
 ここまで期間が空いてしまったのは、原作者パメラ・トラバーズが、第1作で描かれているメリー・ポピンズが自身がイメージしたものと全く異なる、ミュージカル仕立てになっているのが気に入らない、アニメとの合成が原作のイメージに合わない等といった不満を持ち、それらをカットするよう、ウォルト・ディズニーに直談判したものの、全く取りあってもらえなかったから(ウォルトからすれば、当たり前の対応だったが)。これに腹を立てた原作者は、続編の話が何度も持ち掛けられたにも拘わらず、拒否したという。
 映画が、原作者の手を完全に離れ、名作と絶賛される様になった事態が、ますます原作者の気分を損ねたらしい。
 原作者は1996年に死去しているが、遺言状が続編制作を阻む内容になっていて(アメリカ人を一切使うな、等々)、なかなか続編の制作には至らなかった。
 しかし、没後20年以上が経過し、遺族も流石にディズニーの要望を拒否し切れなくなり、本作の制作に至ったらしい。

 最早古典的名作に列せられる作品の続編を制作するのは、あらゆる意味で危険を伴う。
 偉大な名作を超えるのはほぼ不可能だし(冷静に観ると名作を上回る出来になっていたとしても、名作は実際より美化され、客観視を超える存在になっている)、下手すると続編のお蔭で名作の評価まで落ちる可能性がある。
 第1作を観たのは子供の頃だったが、現在は大人に成長している鑑賞者と、本シリーズを初めて見る子供の鑑賞者双方を納得させるのは非常に難しい。
 スターウォーズシリーズも、旧3部作(エピソード4-6)は子供向けだったので、新三部作(エピソード1-3)も子供向けにしようとしたら、旧3部作をリアルタイムで観た後に大人へと成長していた鑑賞者から、「何故こんなお子様向けの代物にした?」と反発された経緯がある(リアルタイムで観た頃はあんたらもまだ子供だっただろうに、という理屈は通用しない)。
 その結果、エピソード1は子供受けするキャラが登場し(間が抜けているもののヒーローになってしまうジャー・ジャー・ビンクス等)、ストーリーも子供受けする展開になっていたのに(幼いアナキン・スカイウォーカーが大活躍)、その後制作されたエピソード2からはそうした要素が排除され、ひたすら大人向けのダークな映画となってしまった(お陰で、今度は「旧3部作と比べてダーク過ぎて夢が無い」という批判が挙がった)。
 スターウォーズシリーズは子供向けの要素を排除する事が可能だったが、メリー・ポピンズではそうした対策は取りようが無い。
 本作に至っては、割り切って子供向けにし、大人の鑑賞者に対しては「メリー・ポピンズですから」という態度を取ったと思われる。
 その結果は、第1作を大幅に超えるものにはなっていないかも知れないが、より現代的で、第1作について全く知らない子供が観た場合、充分観賞に耐えうるものに仕上がっている。

 第1作は、悪人らしい悪人が登場せず、勧善懲悪の展開は無かったが、本作では悪人が登場し、勧善懲悪の展開もある。
 無論、子供向けの映画なので、悪人といっても極悪人ではなく、懲悪も勤務先から解雇、という程度で済ませている。
 それでも、こうした展開になっているのは、前作を知っている者からすると違和感が。

 第1作から25年後、という設定なので、当時子供だったキャラが大人として登場。
 そんな事もあり、前作ではメリーに押されっ放しだったマイケルが、本作ではメリーを叱責するシーンがある等、「あの可愛い子供がここまで成長してしまったか」と時の流れを感じさせる。
 007でQを演じたベン・ウィショーが、こういう役も演じられるとは意外だった。というか、Qの役が彼にとっては特別で、こちらが本領発揮、て事か。

 マイケルとジェーン姉弟の両親はとうの昔に亡くなっている等、登場していても不思議ではない人物が他界している、という設定になってしまっているのは、悲しいといえば悲しい。
 本作を観た後、第1作を観直した場合、「このキャラは25年後には他界している」という目で観てしまう。 

 第1作で原作者との揉め事があったからか、本作のメリーのキャラは、前作と比較すると原作寄りになっていて、可愛げが無いのは問題といえば問題。
 第1作の愛らしいメリーを知っている者からすれば、「何故こんな愛想の無いキャラになってしまったんだろう」と思ってしまう。
 これでも、原作のメリーと比較すると、まだまだ甘いが。原作のメリーは、お高く留まった自己中心的なキャラで、映画を観てから原作を読むと、不愉快極まりない。見方によっては、ウォルト・ディズニーは原作のどこを気に入って映画化の話を持ち掛けたのか、と思ってしまう。

 第1作でお馴染みとなったキャラが多数登場するものの、第1作から50年以上経ってから制作されているので、同じ役者が演じている、というキャラは一人もいない。
 第1作で登場し、本作にも登場している唯一の俳優が、ディック・ヴァン・ダイク。第1作ではメリーの相手役であるバートを演じ、本作では銀行の年老いた頭取を演じている。無論、同じキャラではない。在命中だったのが何より。
 第1作で主人公のメリーを演じたジュリー・アンドリューズも在命中で、彼女にもカメオ出演のオファーがあったらしいが、「自分が出たらエミリー(本作でメリーを演じた)の映画にならない」という理由で固辞したらしい。尤もらしい理由だが、単に年老いた姿で、別のキャラで登場するのが嫌だった、という理由もあったのかも知れない。
 
 第1作と本作で、特撮の差はそう感じられず、逆に50年前に制作された第1作の特撮技術のレベルに驚く。 

 更なる続編が制作予定との事だが、流石にそれはどうかね、と思わないでもない。








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Last updated  2019.09.27 20:35:44
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