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非常に適当な本と映画のページ

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洋画

2018.06.25
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カテゴリ:洋画

 マーベルスタジオによるスーパーヒーロー映画「アベンジャーズ」シリーズの第3作目。
 同一の世界観のクロスオーバー作品として扱う「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズとしては第19作品目の映画。
「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズの第17作目に当たる「マイティ・ソー バトルロイヤル」直後の出来事を描く。


粗筋

 宇宙に散らばっている6つのパワーストーンを手に入れれば、全能の力を得られ、指を鳴らすだけで全宇宙の生命の半数を消せるとされた。
 人口過多となった宇宙のバランスを保つには、全生命の半分を消し去る必要があると信じて疑わないタイタン人のサノス(ジョシュ・ブローリン)は、6つのパワーストーンを手に入れる為に、惑星から惑星へと移動し、殺戮を繰り広げていた。
 アスガルド滅亡の直後(「マイティ・ソー バトルロイヤル」)、地球に向かっていたソー(クリス・ヘムズワース)率いるアスガルドの民を乗せた宇宙船を、サノスは襲撃する。
 襲撃により、アスガルドから命辛々逃げ出した民達の半分は全滅。サノスはソーを拷問し、彼らが持っている筈の物体を要求した。兄の窮地に見かねたロキ(トム・ヒドルストン)は、サノスが欲する「四次元キューブ」を見せる。隙を突いてハルク(マーク・ラファロ)が奇襲するが、サノスはハルクを打ちのめしてしまう。
 ハルクの敗北を受け、ソーの腹心ヘイムダルは最期の力を振り絞り、ハルクを地球へと転送させた。
 サノスはロキを絞め殺して「四次元キューブ」を奪い、中のパワーストーンを自身のインフィニティ・ガントレットにはめ込む。
 欲しいものを手に入れたサノスは、ソーが乗っている宇宙船を破壊。アスガルドの民の生き残りは、宇宙船と運命を共にする事となった。

 一方地球では、多次元宇宙(マルチバース)を守る魔術師ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)の元に、空から男が降って来た。ヘイムダルが命懸けで転送したハルクことブルース・バナー博士だった。
 サノスが2つのインフィニティ・ストーンの所在地である地球を狙っている、とバナー博士から伝えられたストレンジは、アベンジャーズのリーダーであるアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)と接触。地球が滅亡の危機にさらされていると伝える。
 アベンジャーズの内乱(「キャプテンアメリカ/シビル・ウォー」)で疲弊し切っていたトニーは、協力に消極的な態度を示す。バナー博士は、ソーの身に起きた事を伝え、トニーを説得しようとするが、それでも消極的な態度を崩さない。
 そうこうしている内に、ドーナツ状の宇宙船がニューヨーク上空に出現。サノス配下の軍隊が、ストレンジの持つタイム・ストーンを狙って襲来したのだった。
 ストレンジと協力したくはないと思っていても、地球が襲撃されたとなると話は別。トニーはアイアンマンのスーツを起動して装着し、ストレンジと共に応戦する。
 バナー博士もハルクに変身して加勢しようとするが、先の戦いでサノスに恐怖心を抱いたハルクは変身を拒否した為、バナー博士は退避を余儀無くされる。
 ストレンジは、サノスの配下の軍隊に拉致されてしまった。
 トニーは、ストレンジを救出する為、宇宙船へと向かう。
 ニューヨーク上空の異変に気付いていたピーター・パーカーことスパイダーマン(トム・ホランド)は、地球から離脱する宇宙船にしがみ付き、トニーと共に宇宙空間へ。
 残ったバナー博士は、トニーが落とした携帯電話を拾い、この危機をアベンジャーズに伝えるべくスティーブ・ロジャーズことキャプテンアメリカ(クリス・エヴァンス)に連絡を入れる。

 一方宇宙では、サノスの襲撃から生き延びて宇宙を漂っていたソーが、ピーター・クイル(クリス・プラット)率いる銀河のはみ出し者集団「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」によって救助されていた。
 クイルは、サノスやパワーストーンとの関わりが過去にあり、しかも「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のメンバーであるガモーラは、サノスの養女だった。そんな事もあり、ソーの戦いに参加せざるを得なくなる。
 パワーストーンの一つであるリアリティ・ストーンは、惑星ノーウェアにいるコレクターの手元にあった。ソーは、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を二つに分ける事を提案。片方が惑星ノーウェアへ向かい、もう片方はソーと共にアスガルドの武器を長年作り続けていたドワーフが暮らす惑星ニダベリアへ向かう事となった。

 地球では、アベンジャーズのメンバーで、パワーストーンの一つであるマインド・ストーンから生み出された人造人間ヴィジョンが、サノス配下の軍隊に狙われる。一緒にいたアベンジャーズメンバーで、彼の恋人であるワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)と共に戦うものの劣勢に立たされる。
 そこに、アベンジャーズから離脱していた筈のスティーブらが現れ、サノス配下の軍隊を撃退。
 スティーブは、方針の違いからアベンジャーズから離脱したものの、地球存亡の危機とあってはそんな事も言ってられず、戻って来たのだった。
 スティーブは、マインド・ストーンをヴィジョンから外して破壊し、サノスの手に入らない様にすべきと判断。ただ、マインド・ストーンをヴィジョンから単に外すとヴィジョンは死ぬ。ヴィジョンを死なさずマインド・ストーンを外すには、超文明国家ワカンダ王国の助けを借りる必要があると考え、ヴィジョンらを連れてワカンダへと向かう。

 ノーウェアへと向かっていたクイル一行は、真っ先にコレクターの屋敷へと足を踏み入れる。
 サノスは、既にコレクターからリアリティ・ストーンを奪っていた。サノスは養女のガモーラと再会。彼女をさらうと、スペース・ストーンの力を使ってその場から去った。

 その頃、ストレンジはタイム・ストーンを渡すよう、サノス配下の軍隊の者により拷問されていた。
 トニーとピーターは、その宇宙船内部に入り込む事に成功していて、ストレンジを救出する。
 ストレンジは地球へ戻るよう、トニーに進言するが、6年前(「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」)からサノスとの戦いに備えていたトニーは、サノスの母星タイタンでサノスを待ち伏せし、奇襲を仕掛けるべき、とストレンジに提案する。ストレンジは、二人の命よりタイム・ストーンを優先で守護するという条件付きで、これに同意した。

 ソーは、惑星ニダベリアへに到着。
 ニダベリアは、サノスにより破壊されていた。唯一生き残っていたドワーフのエイトリの力を借り、サノスを倒す為の武器ストームブレイカーを完成させる。

 惑星ノーウェアでサノスに誘拐されたガモーラは、パワーストーンの一つであるソウル・ストーンの在り処を吐かさざるを得なくなる。
 サノスは、ガモーラと共に、ソウル・ストーンのある惑星ヴォーミアに向かう。
 ソウル・ストーンを得るには、サノスは自身が愛する者の命を引き換えにしなければならなかった。
 サノスは、養女であるガモーラの命と引き換えに、ソウル・ストーンを獲得。
 次のパワーストーンであるタイム・ストーンを求め、自身の故郷である惑星タイタンへと向かう。

 惑星タイタンでは、トニー一行とクイル一行が合流。クイル一行はトニー一行を敵だと思っていたが、サノスが共通の敵で、トニーらがソーの言っていたアベンジャーズであるのを知ると、打倒サノスの計画を共に練る事に。
 4つのインフィニティ・ストーンを既に得ていたサノスがタイタンに到着。
 サノスは、ストレンジに対し、自身の行動の理由を語る。
 惑星タイタンは現在廃墟となっていたが、それは人口が増え過ぎてバランスを保てなくなり、文明が崩壊したからだった。それを見たサノスは、宇宙全体のバランスを保つには自身がパワーストーンを全て得て、その力を借りて全宇宙の生命を半分にまで減らす必要があると信じるようになったのだった。
 ストレンジは、トニーら助けを借りてサノスを倒そうとするが、失敗。タイム・ストーンを奪われる。
 サノスは、最後のパワーストーンであるマインド・ストーンを得る為、スペース・ストーンの力で地球へとワープした。

 地球のワカンダ王国。
 スティーブ一行を迎え入れた国王ティ・チャラことブラックパンサー(チャドウィック・ボーズマン)は、マインド・ストーンをヴィジョンから切り離した後で破壊する方法を実行するが、切り離すまでに相当時間が掛かる事が判明。
 そうしている内に、サノス配下の軍隊がワカンダに攻撃を仕掛ける。
 スティーブらは、地球に戻ったソーと共に徹底抗戦に出るが、敵の数に圧倒される。
 サノスも現れた。戦いには目もくれず、ヴィジョンの元へ向かう。
 ビジョンは、ワンダに、自分を殺すよう、懇願する。そうすればサノスが欲しているマインド・ストーンも破壊される、と。ワンダは、ビジョンを殺すしかなかった。
 これで、サノスの野望は阻止出来たかに思えたが、彼はタイム・ストーンを持っていた。時間を逆戻りさせ、ビジョンが死ぬ直前の状態にまで戻す。そして、ビジョンの額にあるマインド・ストーンを毟り取り、自分のものとする。
 そこへ、ソーがストームブレイカーでサノスに襲い掛かる。致命傷を与えたかに思えたが、サノスは死なず、指を鳴らしてその場から消える。
 呆然と立ち尽くすソーの周りで、仲間が次々と埃となって消えていく。
 サノスは、宇宙の生命の半分を消滅させるという計画を、実行に移したのだった。
 影響は地球だけでなく、惑星タイタンにも及んでいた。トニーの前で、ストレンジ、クイル、ピーターが埃となって消え失せた。
 地球では、人々が次々と埃となって消え失せる。その中に、アベンジャーズの元司令官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)も含まれていた。消え失せる直前、彼はポケベルで緊急信号を発信。受信を示すマークが表示される。



感想

 強大な力を持った敵が、その力をより強固なものにする為、宇宙中に散らばったある物体を集めていて、その物体がある地球に襲来。
 超人らが、その野望を阻止する為に、敵を迎え撃つ……。

 既視感があるストーリーだな、と考えている内に、思い出した。
 DCコミックユニバースの「ジャスティス・リーグ」と同じではないか、と。
「ジャスティス・リーグ」では、超人の中の超人であるスーパーマンの復活により、敵(ステッペンウルフ)は負かされてしまう。本作では敵(サノス)はそう簡単に負かされず、次回作に続く、という点だけが異なる。
 何故ここまで似通ったストーリーになってしまったのか、不思議に思う。

 本作は、これまでの「マーベル・シネマティック・ユニバース」の一環となっていて、時系列的には「マイティ・ソー バトルロイヤル」の直後の出来事、となっている。
 本作によって、「マイティ・ソー/バトルロイヤル」の出来事が全て無駄になってしまっているのは、空しい。
 ソーは、アスガルドを犠牲にして、最終的にはアスガルドの民を救った、となっているが、本作の冒頭で折角救った民は全て死ぬ(「マイティ・ソー/バトルロイヤル」で大活躍した筈の女戦士バルキリーは、本作では全く登場しない。死んだ、て事か)。
 本作を観た後に「マイティ・ソー バトルロイヤル」を振り返ると、「ソーは何をムキになって義姉と戦ったのか。寧ろ彼女を倒さず、サノスと戦わせた方が良かったではないか。早まった事をし過ぎ」と思ってしまう。

「マーベル・シネマティック・ユニバース」で登場するヒーローらが一堂に介して活躍するので、他の「マーベル・シネマティック・ユニバース」の作品を観ていないと、流れが分かり難くなる部分もあるが、流石に全作を観ていなくても大丈夫。
 ただ、「アベンジャーズ」の名で公開されているか、アベンジャーズメンバーが複数登場する作品は観ておいた方が、分かり易い。
 様々なヒーローが一堂に介するので、それぞれの扱いは雑というか、とりあえず登場させてみた、といった感じ。
 キャラクターの設定は、作品ごとに異なる印象を受ける。
 無敵の筈の超人ハルクは、本作ではサノスにあっさりと力負けして弱気になり、バナー博士から変身するのをひたすら拒否。
 神の筈のソーも、冒頭ではサノスに手も足も出ない。
 アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロンで初登場の人造人間ヴィジョンは、誕生した段階では無限の力を誇る新たなヒーロー、といった扱いだったが(ソーしか扱えない筈のハンマーを軽々と持ち上げている)、キャプテンアメリカ/シビル・ウォーでは殆ど活躍出来ない脇役になっていた。そして本作では全く無力なキャラになっていて、やられる為だけに誕生させた感じ。

 サノスを強大な敵に仕立てる為、これまでのヒーローを極力無能に落とし込んでいる。

 本作の敵であるサノスも、強大ではあるが、6つのパワーストーンを簡単に手に入れてしまい、呆気無い。
 パワーストーンを1つ得る度に新たな力が加わるので、他のパワーストーンを得易くなる、というのは想像出来るが、それでもこれ程簡単に手に入れられてしまうと、これまで他に誰も同じ様な事を試みなかったのか、と思ってしまう。
 パワーストーンを全て手に入れ、その力で宇宙のバランスを保つ、という動機も意味不明だし(宇宙の人口が増えたくらいでバランスが崩れる程宇宙は狭くはない)、その手段も無駄が多過ぎる。
 これまで誰にも阻止されなかった理由が分からない。

 2部作か3部作かは知らないが、次回作への繋ぎとして観れば大いに楽しめる娯楽作品になっている。
 ただ、 拡げ捲った風呂敷をどう畳むのか、早くも心配。
 サノスがしょうもない理由であっさりと倒される事になる予感が。









Last updated  2018.07.05 12:24:07
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2018.04.06
カテゴリ:洋画

 スターウォーズ・シリーズの1作。
 続三部作の第二章で、エピソード8に当たる。
 エピソード7で登場した新キャラが、引き続き登場。
 エピソード7ではラストシーンでしか登場しなかったルーク・スカイウォーカーが、本作では重要な鍵を握る。
 原題は「Star Wars: The Last Jedi」。


粗筋

 銀河帝国の後継組織のファースト・オーダーは、遠く離れた惑星ですら丸ごと破壊出来る超巨大兵器スターキラー基地を失ってしまったものの(エピソード7)、勢力は全く衰えず、レイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)が率いる新共和国の私設軍隊レジスタンスを追い詰めていた。
 レジスタンスは、ファースト・オーダーの総攻撃に耐え切れず、惑星ディカーの主力基地を放棄せざるを得なくなる。
 ポー(オスカー・アイザック)の活躍により、ファースト・オーダーの巨大戦艦が破壊され、この隙にレイアを乗せたレジスタンスのクルーザーは、ワープして逃げた。
 しかし、ファースト・オーダーは、ワープした艦船を追跡出来る装置を有していて、既にどこへ逃げたのか把握していた。
 クルーザー内では、治療の為に医療カプセルの中で眠っていたフィン(ジョン・ボイエガ)が目覚め、ポーと再会を果たす。

 一方、R2-D2とBB-8が完成させた地図を頼りに、伝説のジェダイマスター・ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)の元へ向かったレイ(デイジー・リドリー)は、遠く離れた惑星で、ルークとの対面を果たす。レイは、ルークが以前使っていたライトセイバーを渡した。すると、ルークはライトセイバーをあっさりと捨てる。レイからすると、ルークの行動は予想していなかったものだった。
 レイは、彼の妹であるレイアが率いるレジスタンスとファースト・オーダーの戦いが続いており、ハン・ソロが息子のカイロ・レン(アダム・ドライバー)に殺され、レイアがルークの帰りを待っている事を伝える。
 しかし、ルークは、レイア達の元へ戻る事を拒否するどころか、興味すら示さない。自分は死を迎える為にこの辺境の惑星にいる、自分の死と共にジェダイも終わる、と。
 ルークは、レイに対しここから去れ、と命じるが、レイは応じなかった。
 R2に説得されたルークは、強いフォースを持つレイを、ジェダイにすべく修行を始める。

 ワープで惑星ディカーから逃れたレジスタンスのクルーザーだったが、ファースト・オーダーは早くも迫って来た。
 ファースト・オーダーの指導者スノーク自ら率いる大艦隊の攻撃を受け、アクバー提督らレジスタンスのリーダー陣は全滅。レイアも負傷して昏睡状態に陥る。レイアの代理として、アミリン・ホルド(ローラ・ダーン)がレジスタンスの指揮官となる。
 ホルドの当面の作戦は、クルーザーを護衛する艦船を盾にして、ひたすら逃げる、というものだった。クルーザーには遮蔽装置が搭載されていて、ファースト・オーダーは本艦の位置を正確に掴めないだろう、と考えていた。
 そんな消極的な作戦ではレジスタンスそのものが全滅するのは時間の問題だ、とポーは反発。徹底抗戦に打って出るべきだと主張。
 ホルドは、惑星ディカーからの脱出の際に戦闘部隊をほぼ全て失ったのは、ポーの命令違反による無謀な作戦が原因だと指摘し、彼の主張を取り合おうともしない。
 ポーは、ワープ後にファースト・オーダーが追跡出来なくする必要があると考え、スノークが搭乗するメガ・スター・デストロイヤーに装備された追跡装置を無効化する作戦を、フィンと共に練る。
 ファースト・オーダーからの脱走兵で、内部事情に詳しいフィンは、メガ・スター・デストロイヤーの防護シールドを突破するには、シールドの暗号を解読しないと不可能だと、と告げる。
 ポーとフィンは、シールドの暗号をどう解読すればいいのかと考えていた所、惑星カントニカにあるカジノに暗号解読者がいるから、そいつを探し出して、解読させればいい、との情報を得る。
 フィンは、クルーザーの女性整備士ローズ(ケリー・マリー・トラン)と共に、惑星カントニカへ向かう。ローズは、惑星カントニカ出身であり、その惑星に精通していた。
 フィンとローズは暗号解読者を探し当てるが、接触出来る前に、軽犯罪で現地の警察に逮捕され、牢屋に入れられてしまう。どうすべきか議論していた所、同じく牢屋に入れられていた謎の男DJ(ベニチオ・デル・トロ)が、自分も暗号解読者だと告げ、牢屋のロックを解除。二人は脱出出来た。

 その頃、レイは、ルークが見守る中で懸命に訓練を積んでいた。
 フォースが強化されると共に、遠く離れたレンと交信出来るようになった。
 レンは、自分がルークの弟子として訓練をしていた頃、ルークに殺されそうになり、それがきっかけでスノークへと傾いた事を、レイに告げる。
 レイは、ルークに対し、何故弟子を殺そうとしたのか問い詰める。
 ルークは、強いフォースを持つレンが、スノークの影響で暗黒面に堕ち掛けていたので、始末するしかなかった、と答える。レンをスノークの下へ走らせてしまい、ジェダイを復活させる為の活動が全て無に帰したと悟り、この惑星に身を潜める事にしたのだ、と。
 レイは、レンがまだ完全に暗黒面に堕ちていない、と感じていた。自分なら彼を暗黒面から救える、とルークに告げると、修行を途中で終わらせ、ルークの下から去った。

 DJが盗んだ宇宙船でメガ・スター・デストロイヤーに侵入し、追跡装置を止めに向かったフィンとローズ。直前でファースト・オーダーのキャプテン・ファズマ(グェンドリン・クリスティー)が率いるストームトルーパー部隊に捕まってしまう。
 実はDJは、フィンから得たレジスタンスの作戦をファースト・オーダーに売り渡し、フィンとローズを裏切っていたのだ。
 ポーとフィンが秘密裏に決行した作戦も失敗し、レジスタンスは窮地に陥る。

 同じ頃、メガ・スター・デストロイヤーでは、レイがレンの説得に出向いていた。
 レンは、レイの説得に応じず、彼女をスノークの下へと連れて行く。
 スノークは、自分に服従する意思の無いレイを処刑する様、レンに命じる。修行の一環だ、と。
 レイに心を通わせていたレンは、逆にスノークを殺してしまう。
 レンは、レイに対し、「俺と手を組み、二人で銀河を支配しよう」と懇願するが、彼女はそれは出来ないと言い、メガ・スター・デストロイヤーから去った。

 レジスタンスのクルーザーは、ファースト・オーダーのメガ・スター・デストロイヤーによる攻撃で、撃沈寸前にまで追い詰められていた。
 昏睡状態から目覚めたレイアを含め、脱出出来る乗組員はほぼ全て脱出していた。
 唯一残ったホルドは、逃せられる者は全て逃せたと確信した時点で、クルーザーをメガ・スター・デストロイヤーに突進させる。
 メガ・スター・デストロイヤーは壊滅的なダメージを受けた。
 フィンとローズは、混乱に乗じてメガ・スター・デストロイヤーから脱出。
 レンは、スノークがレイに殺されたと嘘を吐いた上で、ファースト・オーダーの新最高指導者の座に就くと宣言した。

 レジスタンスは、惑星クレイトの秘密基地に到着。
 ここで体制を立て直そうと考えるが、レンを最高指導者とするファースト・オーダーは、早くも迫って来た。
 どこからも支援を受けられず、絶体絶命と思われた所、ルークが姿を現す。
 ルークは、レイアと対面。自分にはレンを最早救う事は出来ない、と告げた上で、基地の外に出る。
 レンは、前の師匠の姿を見て、冷静さを失い、自分も外に出る。
 ルークとレンは会話を交わした後、ライトセイバーで決闘を繰り広げる。
 レンは、ルークに決定的と思われる一撃を浴びせたが、それでもルークは立ったままだった。
 その時点で、レンは気付く。目の前にいるのはルーク本人ではなく、ルークの幻影だと。
 ルークは、レイア達に再度脱出のチャンスを与える為、幻影として現れたのだった。
 ルークとレンが決闘を繰り広げている間に、レイア達は基地から抜け出し、レイが乗るミレニアムファルコン号で惑星クレイトを脱出した。
 自身の姿を惑星クレイトに投影させ、レイア達を逃すという大役を果たしたルークは、遠く離れた惑星で力尽き、消滅する。



感想

 旧三部作のエピソード4-6のメインキャラはルーク、ハン、そしてレイアの3名。
 続三部作のエピソード7でハンが死に、エピソード8の本作でルークが死ぬ。
 本作ではレイアは生き延びたので、次回作は彼女の死が描かれるのでは、と本作を観る限りでは期待してしまうが、レイアを演じていたキャリー・フィッシャーが本作の撮影完了後に急死しているので、それは有り得ない(キャリー・フィッシャーの母親で、女優でもあるデビー・レイノルズまでもが、娘の死の知らせを聞いてショックを受け、翌日に死去している)。
 要するに、本作を以って、旧三部作のメインキャラが全員退場。
 スターウォーズ・シリーズは、本来フォースが強いスカイウォーカー一族を描く物語の筈だったのに、次回作からはフォースの使い手はスカイウォーカー一族の一員ではないレイとなってしまう。
 元の設定を崩し過ぎていないか。
 それとも、スカイウォーカー一族のレンがダークサイドから抜け出す、という流れになるのか。父親を殺し、母親も殺す寸前まで行ったキャラが、急に改心してしても説得力が無いが、仮にもしそうなるとすると、悪役は誰が務めるのか。

 エピソード6は、皇帝パルパティーンが死に、銀河帝国は滅亡に向かい、ジェダイが復活する、という期待を持たせる終わり方だったが、エピソード7と8は、エピソード6での期待感を全て裏切るがっかりものとなっている。
 戦闘には勝てたが、戦争そのものには負けた、て感じ。

 エピソード7の、復活した筈の銀河共和国が早々と全滅し、滅びた筈の銀河帝国がファースト・オーダーとして大々的に復活する、という設定は、とにかく残念。
 この展開のせいで、「スターウォーズ=宇宙戦争」が、巨大勢力対弱小勢力とのしょぼい戦いに留まってしまっている。
「新共和国対新帝国」という二大勢力の全面衝突、という風にしていれば、本当の意味での「スターウォーズ」になり、メインからサイドストーリーまで、様々な映画を制作出来ただろうに(スタートレックの銀河連邦対ロミュラン帝国に似た構図。スタートレックは予算が限られるテレビ番組がメインだったので、抗争は地味になっていたが、予算が何倍もある映画がメインであるスターウォーズなら、派手な戦いを描けた筈)。
 何故私設軍隊であるレジスタンスによる戦いにこだわるのか。
 続三部作の新共和国は、ファースト・オーダーという反体制勢力の存在すら確認出来なかった盆暗共で、滅ぼされても当然としか言い様が無い、というものになってしまった。

 新共和国以上のがっかりは、旧三部作で主人公だったルーク・スカイウォーカー。
 エピソード4と5のルークは、ヨーダによるジェダイの修行を終わらせらなかったので、ジェダイとしては未熟な部分もあった。
 が、エピソード6ではジェダイとしてまともになってきている姿で登場し、終わり頃には物凄いジェダイマスターになってくれるのでは、という期待を抱かせてくれた。
 が、本作では、未熟なまま周囲により「伝説のジェダイマスター」に祭り上げられてしまった、という事実が明らかにされる。
 実の父親がダークサイドに陥ってしまったのだから、その恐ろしさを充分理解していて、弟子の訓練も慎重に、きちんとやるのかと思いきや、甥のカイロ・レンを何でもない様にダークサイドへと導いてしまった事実が判明。
 本人の言い分では、スノークがレンをそそのかし、後戻り出来ない段階にまで来ていた、という事になっているが、本作で登場するスノークはそこまで人望に厚そうな人物で無いのも明らかにされるので、単にルークの力量不足だと思われる。
 何故制作者はルークをここまでの駄目キャラにしてしまったのか、理解出来ない(ヨーダの幻影が現れ、ルークを子供扱いする場面も、ルークの駄目っぷりを後押しする)。
 ルークを演じるマーク・ハミルの駄目っぷりが、そのまま演じているキャラに投影された感じ(マーク・ハミルのスターウォーズ以降の俳優人生が大成功となっていないのは、本人だけのせいではないのだが)。

 エピソード7では、通信装置の投影としか登場していなかったファースト・オーダーの最高指導者スノークが、本作では直に登場する。
 投影では、物凄いでかい姿で映っていたので、それくらい存在感があるキャラなのかと思いきや、小さい爺に過ぎなかった。
 皇帝パルパティーンの劣化版コピー、といった感じで、凄みを一切感じさせない。
 言動もパルパティーンの猿真似以下。
 レンを叱責する姿は、ボケて癇癪を起し捲る爺そのもの。
 何故こんなしょぼい人物がファースト・オーダーを発足させられたのか、何故レンがこんなのにそそのかされてダークサイドに堕ちたのか、さっぱり分からない。
 しょぼいながらも登場したのだから、今後物凄い事をやらかしてくれるのかと思いきや、本作でレンに叛逆され、あっさりと殺されてしまう。
 皇帝パルパティーンも、一番弟子のダース・ベーダーに殺されている。スノークが、その孫で同じく一番弟子のレンに殺されるのは、運命だったとしか言い様が無い。
 ただ、それにしてもあっさりと登場し、あっさりと殺され過ぎ。

 続三部作の主人公はレイだが、彼女の言動も訳が分からなくなってしまっている。
 ルークの元に推し掛けてジェダイの訓練を受けさせろと迫ったものの、訓練を途中で放り出してレンの元へ走る。自分なら彼をダークサイドから救える、と。
 レンは、レイの説得を受けず、スノークを倒し、自らファースト・オーダーの最高指導者の座に就く。
 レイは、レンの説得を諦め、彼の下を去り、レジスタンスへ戻る。
 ジェダイの訓練は中途半端に終わり、レンの説得には失敗して、彼をより強大な敵にしてしまう。
 思い付くまま行動するだけで、何一つまともに成功していない。

 設定が、これまでのエピソードからして変わってしまったキャラもいる。

 エピソード6で、レイアはルークの妹である事が明らかにされる。
 家系からして、フォースが強くても不思議ではないが、正式な訓練を受けてはいないので、フォースを操るまでには至っていない、という事になっていた筈。
 本作では、レイアはレジスタンスのリーダー陣が全滅した際、本人も宇宙空間に放り出され、死亡。
 ……と思っていたら、昏睡状態にも拘わらず宇宙空間を移動し、クルーザーに戻り、生還。
 いつからここまで凄い事が出来る様になっていたのか、その説明がなされていないので、違和感あり捲り。
 これだったら、リーダー陣が全滅した時は偶々その場に居合わせてはおらず、死は免れたが、衝撃で意識を失った、という展開にしていた方が、納得がいっただろうに。

 結局何の為に登場していたのか、というキャラも多い。

 エピソード7で、フィンの上官で、ストームトルーパーの統率役を務めるキャプテン・ファズマが初登場。
 その特徴的な姿から、エピソード7で手強い敵としてフィンやレイの前に立ちはだかるのかと思いきや、馬鹿な役しか与えられなかった。
 エピソード8では、もう少しレジスタンスの脅威になってくれるのかと期待していたが、制作者側にとって最早不要なキャラになってしまったらしく、フィンとの決闘で呆気無く倒されてしまう。
 こんな雑な扱いをするなら、そもそも登場させるな、と思ってしまった。

 エピソード7では、旧三部作では主人公の一人だったハン・ソロが死ぬ。
 その代りの役として登場させたと思われるのが、DJと思っていた。
 ちょっと怪しい雰囲気が、ハン・ソロとそっくりだったから。
 が、DJはフィンとローズを裏切り、ファースト・オーダーに売り渡してしまう。
 この裏切りは上辺のもので、後々に再登場して、フィンとローズを助け、「あの裏切りは演技だった」という展開になるのかと想像していた。
 が、DJは裏切って退場した後、そのまま再登場せず、単なる裏切りキャラで終わってしまう。
 何の為に登場したのか、分からない。
 というか、フィンとローズが惑星カントニカへ出向いて暗号解読者を連れて来て、メガ・スター・デストロイヤーを不能にさせる、という作戦自体、上映時間を稼ぐ為だけになってしまっていた。

 DJだけでなく、新たに登場する他のキャラも、魅力に乏しい。

 ローズは、スターウォーズ・シリーズ初の東洋系俳優によるキャラ。
 ベトナム系女性、との事。
 それ自体は問題無いのだが……。
 女優を容貌だけで判断するのは良くないと分かってはいるものの、何故こんなオバサン臭いのを起用する事にしたのか、と制作者の判断を疑う。
 序章で、ローズの姉という設定のキャラが登場するが、そちらの方がまだ観ていられる容貌だった。
 ベトナム系にしては英語が堪能だったから(ネイティブ並)、という理由で採用されたとしか思えない。
 旧三部作でも、レイア演じるキャリー・フィッシャーが「プリンセスにしてはブス過ぎる」と酷評された例があるので、容貌の良くない女優を起用するのは、ある意味伝統か。

 レジスタンスも、何故人々を引き付けるのか、最早理由すら分からない状態に陥っている。
 ファースト・オーダーの攻撃をクルーザーに引き付け、その裏で乗員を逃す、というボルドの作戦(後にレイアの作戦であった事が判明する)も、きちんと皆に伝えていれば有効なものに成り得たのに、伝えないから、ポーは最終的には失敗に終わる作戦を秘密裏に決行せざるを得なくなる。
 敵を欺くにはまず味方を欺け、という事だったのかも知れないが、幼稚過ぎ。
 邪悪だが単純明快なファースト・オーダーが、強大な勢力に成長したのも、理解出来る。

 スターウォーズ・シリーズの制作元であるルーカスフィルムは、ディズニーに買収された。
 その結果、今回の続三部作の制作が決まったのだが……。
 買収に掛かった費用を回収したいが為に、やっつけ仕事で続編を作っている感が否めない。









Last updated  2018.04.18 12:27:58
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2018.03.31
カテゴリ:洋画

 マーベルスタジオによるマイティ・ソー・シリーズ第三作。
 クリス・ヘムズワース、トム・ヒドルストン、アンソニー・ホプキンスが引き続きこれまでの役を演じる。
 同じマーベルユニバースのキャラであるハルクが登場。ベネディクト・カンバーバッチ演じるドクター・ストレンジもカメオとして登場する。
 原題は「Thor: Ragnarok」。


粗筋

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』から2年。
 ソー(クリス・ヘムズワース)は、アベンジャーズのメンバーから離れ、インフィニティ・ストーンについて調べていた。その過程で、アスガルドを滅ぼさんとする炎の巨人スルトに囚われてしまう。スルトをどうにか倒したソーは、アスガルドへと帰還する。
 2年振りに見るアスガルドは、様子が変わっていた。特に、父親であり、王でもあるオーディン(アンソニー・ホプキンス)は、呑気に芝居見物をしていた。
 不審に思ったソーは、死んだと思っていた義弟のロキ(トム・ヒドルストン)がオーディンに化けていた事実を暴く。
 ソーは、ロキに対し、オーディンをどうした、と問い詰める。ロキは、地球のニューヨークの老人ホームに預けた、と答えた。
 二人は、オーディンを取り戻す為に、ニューヨークへ向かう。が、問題の老人ホームは取り壊されていて、オーディンの行方は不明だった。二人が呆然と立ち竦んでいると、ロキが突然謎のワームホールに吸い込まれ、消滅。ソーは、ロキのポケットから落ちた名刺を拾い、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)の館に辿り着いた。ストレンジは、危険人物のロキを地球に連れて来た動機を、ソーに問う。ソーは、自分らの父親を探しに地球にやって来ただけだと告げる。ストレンジはその説明を受け入れ、ソーとロキを、オーディンがいる場所へと瞬間移動させた。
 ソーとロキは、オーディンと再会。ソーは、共にアスガルドへ帰ろう、とオーディンを促す。しかし、オーディンは拒否。自分の寿命はあと僅かだから、と。
 オーディンは、アスガルドに重大な危機が迫っていると告げ、自身の過去について述べる。
 実は、ソーにはヘラという姉がいた。若きオーディンは、娘を副将として他の世界を征服し、アスガルドを築き、王の座に就いた。しかし、ヘラが余りにも凶暴な為、彼女を封印してしまう。が、この封印は、封印した本人が死ぬと解かれる。
 オーディンは、ヘラを止めるようソーとロキに命じると、光と化して散った。
 直後に、封印から解き放たれたヘラ(ケイト・ブランシェット)が、ソーとロキの前に現れる。
 王位を継承するのは自分だと言い切るヘラは、ソーとロキを圧倒する力を披露。
 ロキは、ソーと共にアスガルドへ逃れようとするが、追って来たヘラは移動中の異空間で二人を吹き飛ばした。
 異空間を飛び越え惑星サカールへ流れ付いたソーは、そこでヴァルキリー(テッサ・トンプソン)によって捕らえられ、サカールの統治者グランドマスター(ジェフ・ゴールドブラム)に闘士として売られてしまう。先にサカールに流れ着いていたロキは、グランドマスターに取り入っていた。
 かつてアスガルドの王に忠誠を誓った筈のヴァルキリーも、王子であるソーを助ける素振りを見せない。
 グランドマスターが主催する格闘大会で、チャンピオンに勝利すればグランドマスターが望みを叶えると聞いたソーは、アスガルドへ帰還する為参加したが、チャンピオンとして現れたのはかつての戦友・超人ハルク(マーク・ラファロ)だった。
 ハルクは、ソーの事を全く覚えていなかった。ソーは、ハルクと真剣に戦わざるを得なくなる。ハルクを倒す寸前まで追い詰めた時点で、ソーに勝ってもらいたくないグランドマスターが、ソーに電気ショックを与え、気絶させる。
 ソーは、チャンピオンに勝利すれば望みを叶えてもらえる、という甘い考えが許されない事を悟った。
 一方、アスガルドではヘラがウォリアーズ・スリーを含めたアスガルドの戦士を排除。王宮に踏み込む。王宮に描かれたアスガルドの歴史絵巻を目の当たりにする。アスガルドがいかに平和的に築かれたのかを描いたものだったが、実情を知っていたヘラは、自分の父親はいつでも自分の都合のいい様に史実を曲げてきた、と蔑む。
 ヘラは、死んだ兵士を蘇らせる。封印前に目標としていた、九つの世界全てを支配するという野望の為に動き始める。
 サカールでは、ソーはハルクをブルース・バナーへと戻す事に成功する。バナーは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』から2年も経っている事を全く知らなかった。
 二人は、ヴァルキリーを何とか説得して、サカールから脱出。アスガルドへ帰還する。
 ソーの帰還を知ったヘラは、彼を襲う。
 同じくアスガルドに帰還したロキも加わり、ヘラと対峙するが、ソー・ロキ・ヴァルキリー・ハルクの4人合わせてやっと互角、といった状況で、決定打を与えられない。
 そこで、ソーは、「毒を以て毒を制す」の戦術で、炎の巨人スルトを復活させる。
 アスガルドを滅ぼさんと怒り狂うスルトは、ヘラを攻撃。
 流石のヘラも、スルトに倒されてしまう。
 スルトは、アスガルドを破壊し始める。
 ソー達は、生き残ったアスガルドの民と共に、ロキが乗って来た宇宙船に乗り込み、アスガルドを脱出。
 スルトは、アスガルドを完全に破壊した。
 ソーは、その模様をただ眺めるしか出来かった。同時に、彼は国を失った民の王となった。
 ソーは、とりあえず地球に向かう事を決める。
 しかしそれから間も無く、巨大な宇宙船に行く手を阻まれる。



感想

 ソーを遥かに上回る戦闘力を持つ姉が、アスガルドを乗っ取らんと復活。
 ソーと対峙する。
 ソーと、アスガルドの運命はいかに……?

 シリアスで、ダークな展開になっても不思議ではないストーリーライン。
 実際、登場人物がガンガン死に、一つの世界が滅びる様子を描いている。
 にも拘わらず、全然シリアスでも、ダークでもない。
 これがマイティ・ソー・シリーズの特徴か。

 ソーとヘラが相見えるのは、オーディンが寿命を終えてヘラが復活した直後と、ラストでの戦闘のみ。
 その間は、ソーがいかにして惑星サカールを脱出するかのドタバタ劇と、ヘラがアスガルドを屈服させる模様が描かれるだけ。
 邦題の「バトルロワイヤル」は、ソーとハルクの一騎打ちも指しているのだろうが、その部分は一瞬しか無く、その後ハルクは正気に返るので、ソーは彼と対峙する事は無い。何故邦題を、原題とは全く違うものにしてしまったのか、分からない。

 登場人物らの言動も、当然ながら意味不明なのが多い。

 ソーは、本作では以前程ロキに欺かれる事は無くなり、少しは賢くなったのかと思うが、代わりに新キャラのヴァルキリーに振り回されっぱなしで、相変わらず頼りない。
 苦労の末アスガルドに帰還するが、義姉のヘラに歯が立たず、スルトを復活させ、アスガルドを犠牲にして、やっと倒す(正確には、倒させる)。
 こんなのがアスガルドの次期王に指名されたな、と思ってしまう。
 国の無い、百人にも満たない様に見える民の王には、ある意味相応しいが。

 前作で死んだ振りをしてソーやオーディンを欺き、アスガルドを乗っ取る事に成功したロキ。
 次期王はソーではなく自分だ、と言い張り続け、漸く手に入れた王の座。
 ソーが不在だった2年間、どういった凄い事を成し遂げるのかと思いきや、宴を催すだけで、これといった事はしない。この程度の事をしたいが為に王になりたかったのか、と呆れる。王になる、というのが人生最大の目的で、王になってから何をするのか、の計画は全く立てていなかったらしい。
 これだったら、王にならず、王の息子として宴を催していれば、誰にも文句を言われなかっただろうに。寧ろそうしていた方が、堅物で面白味の無いソーより王に相応しい、と後々評価されていたかも知れない。民も、宴が大好きな様だし(というか、宴以外何もしていない)。そうすれば、誰も欺く事無く、正々堂々と王になれただろう。
 何故ソーと対立していたのか、さっぱり分からない。

 ヘラも、オーディンの長子として物凄い破壊力を見せるが、いざアスガルドに戻ると、大した事はせず、帰還したソーらと最後の戦いを繰り広げて散る。
 その攻撃力を、別の世界に行って活用していれば、制服出来ただろうに、何故アスガルドでモタモタしていたのか、分からない。

 オーディンの言動も不明。
 自分が死んだらヘラが復活すると知っていたのなら、ヘラを封印した直後に何か手を打っていれば良かったのに、何もせず、王国を適当に統治し、死ぬ間際に漸くヘラについて二人の息子に告げ、さっさと消滅。
 何も知らされず後を継いた息子は、民を救う為に故郷を犠牲にせねばならなかった。
 アスガルドはあくまでも自分の為に作り上げた王国で、後継者に渡す気等鼻から無かったらしい。
 史実を自分の都合の良い様に曲げてきた、と娘のヘラに蔑まれて当然。

 新キャラのヴァルキリーも、これといった活躍はしない。
 ソーは、サカールから脱出し、アスガルドへ帰還するまでは彼女の助けが必要だったが(手助けに消極的だった彼女を、何とか説得して協力させている)、いざ帰還すると用済み扱い。
 これだったら、ヴァルキリーをぶん殴ってでも協力させ、彼女をサカールに残して一人で帰還していた方が良かったかも。

 ハルクは、2年振りにソーと再会。
 この2年間、ハルクは一瞬もバナーに戻る事無く過ごしたらしい。
 2年間ずっと怒り続けていた、て事か。
 ハルクは、本来なら主役クラスのキャラなのに、映画シリーズではサポート役しか与えられない。
 映画1本を作れる程のキャラじゃない、て事か。

 本作では、シリーズ第1作から出演していた浅野忠信が、ウォリアーズ・スリーの一人であるホーガンを再び演じる。
 が、本作で彼のキャラは用済みになったらしく、雑魚キャラとしてヘラにあっさりと殺される。
 何の為に登場していたのか、よく分からない。

 本作は、あまり真面目に見るべき映画ではないのかも知れないが、といって、単なる娯楽映画にしては、重要人物がバタバタ死ぬので、純粋に楽しむ事も出来ない。
 製作者は、このソー・シリーズをどういう位置付けにしているのか、どこへ持って行きたいのか、観ている側からすると分かり辛い。


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Last updated  2018.04.06 22:23:27
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2018.03.16
カテゴリ:洋画

 DCコミックス・シリーズの実写版。
 スーパーマン、ワンダーウーマン、バットマン、アクアマン、フラッシュ、サイボーグ等、DCコミックスのスーパーヒーローらが登場する。
 設定的には、映画「マン・オブ・スティール」「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」から数か月後の出来事、という事になっていて、スーパーマン、ワンダーウーマン、バットマンは、同じ俳優陣が演じている。
 原題は「Justice League」。


粗筋

 レックス・ルーサーによってドゥームズデイとして蘇ったゾッド将軍との戦いで、命を落としてしまったスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)。
 正義の為に戦うという志は同じの筈なのに、スーパーマンとは敵対していたバットマン(ベン・アフレック)は、その姿を目の当たりにして、特殊能力を持った超人ら(メタヒューマン)を統括し、正義の為に戦う組織が必要だと感じる様になる。
 バットマンことブルース・ウェインは、自前の財力と情報収集能力を駆使し、超人らを探し始める。
 ドゥームズデイとの戦いで知り合ったワンダーウーマン(ガル・ガドット)は、既にウェインの考えに賛同していた。他に、海を支配するアトランティス人の王のアクアマン、時空を歪める程の高速で動けるフラッシュ、そして全身が機械化されたサイボーグの3名が候補に挙がった。
 フラッシュは、自分と似た仲間が欲しかった、という安易な動機で協力を了承。しかし、他の二人は協力を拒否した。
 一方、地球には既に新たな危機が迫っていた。
 強力なパワーを秘めた3つのマザーボックスを奪う為に、異次元からステッペンウルフが襲来。ステッペンウルフは、倒した敵をパラデーモンという化け物に変え、地球各地に放ち、マザーボックスを探させた。
 マザーボックスは、古代時代に人間、アマゾン族、そしてアトランティス人が共に戦ってステッペンウルフから奪ったもので、ステッペンウルフが回収出来ないよう、それぞれが一つずつ隠し持っていた。
 ステッペンウルフは、圧倒的な戦闘力で、アマゾン族とアトランティス人が保管していたマザーボックスを奪った。残りは人間が隠し持っていたマザーボックスのみとなった。
 マザーボックスは、隠し持っていた人間から完全に忘れられていた存在だったが、近年偶然発見され、人間らは正体不明のまま研究していた。サイボーグも、マザーボックスの力によって瀕死の怪我から回復し、サイボーグ化していたのだった。
 ステッペンウルフの企みを知ったバットマン・ワンダーウーマン・フラッシュの3人は、阻止を試みるが、3人だけでは太刀打ち出来なかった。
 アトランティス人が保管していたマザーボックスが奪われたアクアマンは、暫定的ながらバットマンとワンダーウーマンと協力する事に。
 また、サイボーグも、自身を生まれ変わらせた物体が関わっていると知って、協力する事に。
 五人でステッペンウルフで立ち向かうものの、それでも力が足りない、と悟ったバットマンは、スーパーマンを復活させよう、と考える。
 ルーサーがゾッド将軍を復活させられたのだから、スーパーマンも復活させられる筈だ、と。
 が、他の4人は反対。ゾッド将軍は、ドゥームズデイという化け物の形で復活した。スーパーマンも同じ様になる、と。
 しかし、ステッペンウルフの襲来を許したのは、スーパーマンという絶対的な存在がいなくなったからだ、と他の4人を説得。
 4人は、懐疑的ながらも、協力する事に。
 ウェインは、ゾッド将軍と同じ方法で、スーパーマンを復活させる。
 ゾッド将軍の時とは異なり、元の姿で復活した。
 しかし、スーパーマンは4人を敵視。死ぬ事さえままにならないのか、と。
 4人は、スーパーマンを相手に戦う羽目に。しかし、怒り狂うスーパーマンには、4人が力を合わせても太刀打ち出来なかった。
 そんな所、ウェインが切り札として呼び寄せていたスーパーマンの恋人ロイス・レインが姿を現す。
 ロイスを目の当たりにしたスーパーマンは我に返り、彼女と共にその場を去る。
 スーパーマンが正気に戻って協力してくれる事を祈りながら、4人はマザーボックスを全て手に入れたステッペンウルフの下へと急ぎ、戦いを挑む。
 4人は善戦するものの、ステッペンウルフを倒すまでにはいかない。
 その時、ロイスによって正気に戻ったスーパーマンが参上。
 これにより形勢は逆転し、ステッペンウルフは倒される。
 バットマンと、4人の超人は、共に正義の為に戦う事を誓い、ジャスティス・リーグの設立を決める。
 一方、監獄から脱出していたレックス・ルーサーも、超人を集め、自分らの「リーグ」を作ろう、と悪玉超人に語り掛けていた。



感想

 スーパーヒーローの実写版は、DCコミックスが先駆け。
 ただ、複数のスーパーヒーローが一つの映画で活躍し、そしてまた個々の映画で活躍する、というモデルを作り上げたのは、ライバルのマーベルコミックス。
 マーベルユニバースが大ヒットとなり、個別の作品も大ヒットとなる中、スーパーヒーローの本家であった筈のDCは後塵を拝する事に
 本作により、DCユニバースが漸く本格的に始動した、といえる。

 子供の頃から馴染んできたスーパーヒーローら、一つの作品で活躍するのが観られるのは、嬉しいといえば嬉しい。
 ただ、一連の作品を観ていると、力関係というか、それぞれの実力が分からなくなってくる。

 スーパーマンは、本作の前々作に相当する「マン・オブ・スティール」でリブートされている。
「マン・オブ・スティールのスーパーマン」は、同じクリプトン人のゾッド将軍を相手に結構苦戦していて、無敵なキャラではない、と印象付けた(軍人のゾッド将軍は、スーパーマンは「百姓の倅」と嘲った)。続編に当たる「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」では、スーパーマンは死亡しているのだから、その意味でも無敵ではない。
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」では、ワンダーウーマンが銀幕デビューを果たす。そちらでは、ワンダーウーマンはスーパーマンを驚かせる程の戦闘力を披露。
 後に公開された劇場版ワンダーウーマンでは、彼女が神である事が明らかにされる。
 という訳で、スーパーマンとワンダーウーマンはほぼ互角の力を持っているのでは、と思いきや……。
 本作では、スーパーマンが圧倒的に強く、ワンダーウーマンはそれ程でもない、という設定になっている。
 作品ごとに登場人物が劇的に強くなったり弱くなったりするので、付いていくのが難しい。
 というか、作中でも登場人物がやけに強くなったり、弱くなったりする。
 敵役ステッペンウルフは、ワンダーウーマンらをものともしない、ほぼ無敵な存在だったのに、スーパーマンが参上した時点でこれまでの強さは何だったのかと呆れる程弱くなり、敗北を期してしまう。
 登場人物の強さをもう少し整理してほしい。

 スーパーマンは、リブート以前は絶対的な善人として描かれていて、悪の手に落ちる事は無い、といった雰囲気だった。
 が、リブートされたスーパーマンは、絶対的な善人ではなく、必要となれば悪人にもなれるが、育ての親や恋人を思って、善人として活動しているだけの様に映る。
 今後また他の超人らと対立するのも、充分有り得る。
 昔のスーパーマンのイメージしかないと、違和感がある。

 ワンダーウーマンは、所々で見せ場があるが、他のキャラに食われてしまっている印象。
 新キャラクターを紹介する為の作品なので、仕方ないといえば仕方ない。
 既に単独の作品があるので、他のキャラに譲った、という事か。

 アクアマンは、過去のDCコミックスのイメージとは全く異なるキャラになっている。
 今後単独の映画が製作されるのかは、微妙な感じ。
 水の中を自由に動ける、という事以外は、物凄く特徴のあるキャラではないし。

 フラッシュも、過去のDCコミックスの設定とは大幅に異なっている。
 やけに若く、頼り無い
 マーベルのスパイダーマンみたいに、「成長するヒーロー」として展開するつもりか。

 サイボーグは、比較的新しいキャラで、全く馴染みが無い。
 今後どう展開するのか、全く読めない。

 本作は、ジャスティス・リーグのシリーズ化に持って行く為のものなので、ストーリーに意外性は無い。
 予定調和、といった感じ。
 流石に、ジャスティス・リーグがまだシリーズ化していないのに、破綻に持って行く事は出来なかったのだろう。
 その分、安心して観ていられる。
 スーパーマンの復活は何よりも歓迎出来るし。

 特撮は、最近のCG満載の映画を見慣れていると、目新しいものは無い。
 これが20年前だったら凄いと思っていただろうに。

 スーパーマンが、ステッペンウルフとの戦いに参上した際に、1970年代に公開されたスーパーマン(クリストファー・リーブ主演)のテーマ曲を部分的に使ったのは印象深い。
 リブートされた本シリーズは、クリストファー・リーブ主演作をとにかく否定しようという空気があるが(というか、そもそも無かった事にしようとしている)、流石にテーマ曲だけは上回るのが作曲出来ないらしい(クリストファー・リーブ主演作のは、スターウォーズ、インディアナ・ジョーンズ、そしてジョーズ等も手掛けたジョン・ウィリアムズが作曲)。

 製作者側は、スーパーマンが復活する、というストーリー運びをなるべく伏せたかったらしく、劇場公開の段階ではポスターにスーパーマンが描かれていなかった。
 が、DVD販売の時点ではスーパーマンが復活する事が誰もが(劇場で観ていなかった者も)知ってしまったので、カバーにはバットマンらと共に、スーパーマンも堂々と描かれている。

 巷では、マーベルユニバースとDCユニバースのどちらが良いかの議論がなされている様だが、個人的には、互いに切磋琢磨して発展してもらいたい。









Last updated  2018.03.31 21:51:12
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2017.11.07
カテゴリ:洋画

 アンソニー・ジョンストンとサム・ハートが2012年に発表したグラフィックノベル『The Coldest City』の実写映画化。
 ベルリンの壁崩壊直前のドイツを描いている。
 主演はシャーリーズ・セロン。
 他に、ジェームズ・マカヴォイ、ジョン・グッドマン、ソフィア・ブテラが出演している。


粗筋

 1989年。
 社会主義国東ドイツの首都ベルリンでは、民衆が自由を求めて抗議活動を展開していた。
 東ドイツ政府は抗議活動を最早抑え込む事は出来なくなっていて、ベルリンの壁が崩壊するのは時間の問題だった。
 そんな中、ベルリンに潜伏中だったイギリス情報局MI6の工作員ガスコインが殺害される。ガスコインは、ソ連を含む東側諸国に潜伏している西側諸国の工作員のリストを入手していた。ソ連側に渡ったら、西側諸国の諜報局は壊滅的なダメージを受ける。何が何でも回収しなければならなかったが、ガスコインの遺体からリストは発見されなかった。殺害者が奪ったのだ。ただ、ソ連側に渡った様子も無い。殺害者はソ連諜報局KGBそのものではなく、第三者で、KGBに高値で売り付ける目的で奪ったらしい。
 MI6は、リストを回収すべく、女性工作員ロレーン・ブロートン(シャーリーズ・セロン)をベルリンへ向かわせた。ロレーンは、リストの回収の他、ガスコインを裏切った二重スパイ「サッチャル」を炙り出し、殺す事を命じられていた。
 ロレーンとガスコインは、行動を共にしていた時期があった。「サッチャル」の殺害には適任と思われた。
 ロレーンは、ベルリン支部の責任者デヴィッド・パーシヴァル(ジェームズ・マカヴォイ)と行動を共にし、リストの行方を探る。
 ただ、ベルリンに到着直後にKGBに狙われる等、ロレーンの素性も行動も、敵側にほぼ筒抜け。タッグを組んでいるパーシヴァルも食えない男で、信用出来ない。しかも、ベルリンは壁の崩壊間際で緊張感に満ちていた。
 ロレーンは、孤軍奮闘を強いられる。
 ガスコインにリストを渡したのは、スパイグラスという、東ドイツ人だった。スパイグラスは、リストと引き換えに、西側への亡命を希望していた。スパイグラスは、パーシヴァルと接触。リストを提供したのだから、亡命を手助けしろ、と。パーシヴァルは言う。ガスコインが殺され、リストは行方不明なので、亡命は手助け出来ない、と。それに対し、スパイグラスは言う。リストの内容は全て暗記しているので、自分を亡命させれば、リストを手に入れたも同然だと。これを知ったロレーンは、スパイグラスを亡命させる事にした。
 ロレーンは、KGB責任者アレクサンドルや、フランス諜報局の女性工作員デルフィン(ソフィア・ブテラ)からも接触される。誰もがリストの行方を探すのに躍起になっていた。
 一方、パーシヴァルは、ガスコインを殺してリストを奪った元KGB工作員と接触する。二人は旧知の間柄だった。パーシヴァルは元KGB工作員を殺害し、リストを奪う。彼は目的のリストを手に入れながらも、その事をロレーンに知らせず、何食わぬ顔でスパイグラスの亡命工作に加わる。
 ロレーンは、トラブルを察し、自前の協力者を使って、スパイグラスを亡命させようとする。案の定、アレクサンドル率いるKGB暗殺部隊がスパイグラスの殺害を試みるが、ロレーンの機転により阻止出来た。
 ……と思ったのも束の間、スパイグラスは何者かに撃たれる。パーシヴァルによって撃たれたのだが、ロレーンはそんな事を知る由も無く、怪我を負ったスパイグラスを連れて、追跡してくるKGB暗殺部隊から逃げる。
 KGB暗殺部隊の執拗な追跡により、スパイグラスは殺され、ロレーンは命辛々その場を脱出した。
 ロレーンは、スパイグラスを亡命させる事に失敗し、リストの回収にも成功していない事を、上層部に報告する羽目に。彼女としては、何故自分の行動がここまでKGBに筒抜けだったのかの解明が急務となった。
 パーシヴァルがKGB工作員に通じていた事、そしてリストをそのKGB工作員から奪っていた事を、デルフィンがもたらした情報から知ったロレーンは、彼こそ「サッチェル」だとして殺害。リストを奪う。
 MI6に戻ったロレーンは、リストは回収出来なかったものの、二重スパイの「サッチェル」は始末出来たと報告した。MI6は、リスト回収を失敗し、パーシヴァルを殺害した事でロレーンを処罰したかったが、ベルリン支部の責任者が二重スパイで、今回の件の発端となったガスコインの殺害にも一枚噛んでいたという失態が公になってしまう恐れがあったので、何の処罰も出来なかった。
 3日後。
 ロレーンはパリにいた。アレクサンドルと接触。
 実はロレーンこそ、KGBに情報を流していた二重スパイ「サッチェル」だった。
 アレクサンドルは、リストをロレーンから受け取る。この時点でロレーンを用済みと判断し、彼女を始末しようとする。
 しかし、ロレーンはアレクサンドルの思惑を読んでいて、彼を殺害。
 その足で、米国諜報局CIAの責任者(ジョン・グッドマン)が待つ航空機に乗り込む。
 ロレーンは、二重スパイではなく、三重スパイだった。
 MI6に協力する振りをしていながら、KGBに通じていて、MI6の情報をKGBに流していた。
 ……という振りをしながら、実はCIAにMI6やKGBの情報を流していたのだ。
 MI6とKGBの頸木から漸く離れたロレーンは、アメリカへと帰る。



感想

 スパイ映画らしく、裏切りが横行していて、敵味方が分かり辛い。
 主人公のロレーンも裏切り者だった、という結末になっている。
 裏切りが多いのは事実だが、登場人物全員がいずれも一癖二癖ある連中なので、鑑賞者の意表を突くどんでん返しにはなっていない。

 それどころか、どんでん返しにしよう、という発想すら無かったらしい。
 パーシヴァルがスパイグラスを撃つ場面や、元KGB工作員を殺害してリストを奪って独り占めにする場面はしっかりと観られる。
 更に、ロレーンによって殺害される場面で、パーシヴァルは「俺を『サッチェル』に仕立て上げるつもりか」といったセリフを放つので、この時点でロレーンこそサッチェルだというのも分かってしまう。
 ここまで自らネタバレして、意表を突く事を拒む映画も珍しい。
 最後の、「サッチェルことロレーンは、三重スパイだった」というどんでん返しをお膳立てする為だったと考えられなくもない。が、ここまで二重スパイがガンガン登場すると、三重スパイだったという事実も、そう驚きは無い。

 登場するキャラの言動も、不明なのが多い。
 パーシヴァルが悪徳工作員であるのは、初登場した時点で分かってしまう。どうせ殺すなら、何故スパイグラスを再会を果たした時点ではなく、亡命工作の真っ只中に撃つ(即死には至らなかった)真似をしたのか、分からない。
 パーシヴァルに関しては、謀略が横行するベルリンにはまり過ぎて、自分でも訳が分からなくなる程敵味方を裏切る羽目になった、と言えなくもないけど。

 主人公のロレーンは、凄腕の工作員、という設定になっている。 
 大部分に於いては、凄腕振りを発揮してみせるが、鈍感だなと思ってしまう場面も。
 デルフィンは、パーシヴァルに騙されていた事実を知り、彼の裏切りに関する情報をロレーンに渡す準備をする。その時点で、パーシヴァルが侵入し、彼女を殺す。丁度その頃、ロレーンがやって来て、パーシヴァルは逃げ出す羽目に。ロレーンは、デルフィンが死ぬのを阻止出来なかったものの、パーシヴァルの裏切りに関する決定的な証拠は得られた。
 この場面で分からないのは、デルフィンの自宅を訪れたロレーンは、ドアベルを押すものの、デルフィンがなかなか現れないのを不審に思わず、ドアベルを執拗に押すだけに留めている事。その間に、デルフィンはパーシヴァルに殺されてしまう。もし、ロレーンが異常を察して、部屋にまで駆け上がっていたら、デルフィンはぎりぎり死なずに済んだかも。また、ロレーンは、デルフィンが倒れているのを見て、「死んでいる」と早々と諦めるのも分からない。蘇生すれば、息を吹き返したかも知れないのに。息を吹き返したら不味い、と考えたのか。

 登場人物は、死ぬ時はあっさりと死ぬが、それまでやけにしぶとく生き続けるのが多い。
 ガスコインは、冒頭で車に轢かれ、車に2度も押し潰されるが、その時点では死なず、元KGB工作員に頭を撃ち抜かれて、やっと死ぬ。
 パーシヴァルは、デルフィンによってナイフを背中に突き立てられるが、顔を痛みでしかめるだけで、彼女を最終的には絞殺する。重傷を負った筈なのに、その後の行動には支障が無く、ロレーンに頭を撃ち抜かれてやっと死ぬ。
 ロレーンも、殴られたり、蹴られたり、ぶん投げられたりして、体中痣だらけになるが、行動には支障は無い。
 人間はここまで頑丈なのか、と感心する。

 本作では、ソフィア・ブテラがデルフィンを演じている。
 意図していないにも拘わらず、キングスマン、スタートレック・ビヨンド、ザ・マミーそして本作と、彼女の出演作を立て続けに観ている。
 主役としては華が無いが、脇役としては物凄く華のある旬の女優、て事か。
 脇を固める役という事もあり、彼女が演じる役はどれも幸福に終わらない。
 ここまで来たら、主役か準主役として出演し、ハッピーエンドを迎えてもらいたいものである。

 CIA責任者を演じたジョン・グッドマンも、久し振りに見た。
 元々、テレビのコメディ番組でお父さん役を演じてアメリカでは全国的に知名度がアップした俳優。
 コメディ番組が終了した後は、どうしていたのか。
 予想以上に老けていない。

 スパイアクションとあって、本作はアクションシーンには事欠かない。
 シャーリーズ・セロンも、女優にも拘わらず積極的に格闘シーンに絡んでいる。
 間延びしている部分もあるが、こうしたCGにあまり頼らないアクションシーンが挿入されているお蔭で、見応えはある。
 ただ、それだけの映画と考えられなくもない。

 ベルリンの壁崩壊やソ連崩壊は、自分はリアルタイムに観ていて、まだまだごく最近の出来事の様に感じるが……。
 世間では歴史上の出来事らしい。
 作中では、1980年代後半の音楽を頻繁に挿入し、少なくとも現在ではない、という事をアピールしていた。
 この時代の音楽に精通している者なら、分かり易いかも知れないが、この時代の後に生まれた者だと、知らない音楽ばかりで、分かり辛いかも。

 本作は、一部では「女性版007」として持ち上げられている。
 ラストで、主人公が三重スパイで、本作最大の裏切り者であった事が判明してしまう。
 これ以上裏切りがあったら、ただのパロディになってしまうので、続編は多分無く、007とは異なり、シリーズ化は考え難い。
 シャーリーズ・セロンも、シリーズ化に耐えられる年齢ではなくなっているし。









Last updated  2018.03.16 23:14:49
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2017.10.13
カテゴリ:洋画

 1979年に第1作が公開されたエイリアン・シリーズの最新作(当初はシリーズ化を想定したものではなかったが)。
 監督は、第1作も手掛けたリドリー・スコット。
 本作は、第1作の前日談という位置付けで、2012年に公開されたリドリー・スコット監督作「プロメテウス」の続編、という位置付けにもなっている(プロメテウスは、公開当初はエイリアン・シリーズ作である事は伏せられていたが、殆どの人が騙されなかった)。
 プロメテウスにも出演したマイケル・ファスベンダーが、アンドロイドのデヴィッドとウォルターの2役を演じる。


粗筋

 プロメテウス計画の出発前、男性型アンドロイド(マイケル・ファスベンダー)が起動。ミケランジェロの彫刻から、デヴィッドと名乗る。発明者であるウェイランド(ガイ・ピアーズ)との会話から、人類の存在意義について早くも疑問を抱くようになる。
 それから十数年後の2104年。
 植民船コヴェナント号は、冷凍休眠中の入植者2000人を抱え、人類の新天地となる惑星オリガエ6に向けて航行していた。アンドロイドのウォルター(マイケル・ファスベンダー)が船を管理しており、乗組員は休眠中だった。何事も無ければ、乗組員も入植者も約7年後にオリガエ6で目覚める筈だった。
 コヴェナント号は、放射線による衝撃波を受け、損傷する。緊急システムが作動し、乗組員は休眠から目覚めた。が、ブランソン船長は休眠カプセルの火災に遭い、死亡してしまう。
 生き残った乗組員達がコヴェナント号を修理している最中、雑音混じりの信号を受信する。解析してみると、歌だった。近くの惑星から何者かが発信した、と断定される。発信源の惑星を調べると、オリガエ6より地球に近い環境の惑星だと判明する。
 新たに船長となったオラムは、発信源の惑星を調査する事を決める。調査の結果居住に適すると判明したら、まだまだ遠いオリガエ6ではなく、そこに居住してしまおう、と。ダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)は、条件があまりにも良過ぎて寧ろ怪しい、計画通りオリガエ6へ向かうべきだと進言するが、押し切られた。
 謎の惑星へと向かう最中、ダニエルズは夫でもあったブランソン船長の荷物を整理。
 ブランソンは、オリガエ6に到着したら、湖の側にログハウスを建てようと考えていて、その為の器材を積んでいた。
 ダニエルズは、ウォルターに対し、夫が持ち込んだ器材を最早どうすればいいのか分からない、と涙ながらに言う。ウォルターは、ダニエルズに対し、夫の遺志を引き継いで湖の側にログハウスを建てるべきではないのか、とまさに機械的に答えた。
 コヴェナント号は、発信源の惑星に到着。
 オラム、ダニエルズ、ウォルター、カリン、ファリス、ロープ、コール、ハレット、レドワード、ローゼンタール、アンカーの10名が着陸船で惑星に降下し、調査を開始。惑星は自然豊かだったが、知的生命体はおらず、動物も確認出来なかった。
 一同は、朽ち果てた宇宙船を発見し、内部を探索する。「エリザベス・ショウ」と書かれたドッグタグと写真が見付かった。11年前に地球外探査の目的で地球を出発し、消息を絶ったプロメテウス号の乗組員だ、というのが判明。また、一同は自分らがこの惑星の存在を知るきっかけとなった信号の発信源も見付ける。エリザベス・ショウが歌っている姿の映像が、通信機により宇宙に発信されていたのだ。人類がこの惑星に到達していたらしい事は分かったものの、何故エリザベス・ショウが人類のものではない宇宙船に乗っていたのかは分からなかった。また、エリザベス・ショウの姿も無く、誰が通信機を操作したのかも不明だった。
 一方、カリンとレドワードは、オラム達と分かれて生物調査を行っていた。レドワードは、植物らしきものを踏んでしまう。すると見えない程細かい胞子が舞い上がり、レドワードの皮膚の下に潜り込む。彼はやがて体調を崩して吐血。カリンは、彼を連れて着陸船に引き返した。
 また、宇宙船を探索していたハレットにも、同じ胞子が潜り込んだ。
 着陸船で、カリンとファリスはレドワードを診察する。未知の感染症だと察したファリスは、激しく痙攣するレドワードと、彼の吐血を浴びてしまったカリンの2人を医療室に閉じ込める。
 レドワードの背中を食い破った幼体は、カリンを殺害し、医務室から脱出してファリスにも襲い掛かるる。ファリスは反撃するが、乱射した弾は燃料タンクに当たってしまう。
 騒ぎを聞き付けた調査隊は、着陸船まで戻るが、彼らが目の辺りにしたのは着陸船の大爆発と、炎に包まれて絶命するファリスの姿だった。
 同時に、ハレットが喉を押さえて苦しみ始め、彼の口を突き破って2体目の幼体が出現する。幼体は驚く調査隊を尻目に、夜闇に姿を消す。
 調査隊は、コヴェナント号との通信を試みるが、嵐により電波の状態が悪く、救助を要請出来なかった。
 成長した幼体が、ダニエルズに襲い掛かる。幼体は、ダニエルズを庇ったウォルターの腕を食い千切った。絶体絶命と思われた時点で、閃光弾が打ち上げられ、幼体は退却。閃光弾を打ち上げたのは、かつてプロメテウス号にいたアンドロイドで、ウォルターと同じ容姿のデヴィッドだった。
 デヴィッドは、黒い謎の死体が散乱する地帯を抜け、自身の研究施設に調査隊を案内する。生き残ったダニエルズ、オラム、ウォルター、ロープ、コール、ローゼンタールの6名は、コヴェナント号が救助に来るまでの間、彼と行動を共にする事に。
 デヴィッドは、同型であるウォルターを自室に誘い、自分がこの惑星に来た経緯と、エリザベス・ショウが到着時の事故で死亡し埋葬した事、人類の限界と新たな生命の研究を続けていた旨を話す。しかし、ウォルターはその考えを理解しなかった為、デヴィッドは一瞬の隙を突いて彼の機能を停止させてしまう。
 水場から戻らないローゼンタールを不審に思ったオラムは、ライフルを手に水場へ向かう。そこで、ローゼンタールの死体を発見する。側には、幼体を手懐けようとするデヴィッドの姿があった。オラムは、幼体を射殺し、デヴィッドに銃口を向け、説明を求める。
 デヴィッドは、この惑星に来た本当の経緯を話す。プロメテウス号の事件を生き延びた彼は、異星人(エンジニア)の母星を目指して宇宙船で向かい、彼らが作り出した病原体を散布し、エンジニアや動物を全滅させた。研究施設で、病原体を使ってエンジニアや幼体の身体で遺伝子操作を繰り返し、人類に代わる「完璧な生命体」の創造を試みる様になった。レドワードとハレットが感染した胞子も、その結果生み出されたものであった。また、ウォルターに対しては事故死して埋葬したと説明したエリザベス・ショウも、実際には実験体として使われ、その遺体は変わり果てた姿になっていた。遂にエイリアンを作り出したデヴィッドは、意図的に信号を発信し、宿主となる生身の人間が訪れる事を待っていたのだった。
 エイリアン・エッグの培養室に連れて行かれたオラムは、そこで誕生したフェイスハガーに襲われ、宿主とされてしまう。彼の胸を突き破り、エイリアンが誕生する。
 コヴェナント号との通信に成功したロープとコールは仲間を呼びに向かうが、ローゼンタールとオラムの死体を発見する。ロープは、培養室から逃げ出した1匹のフェイスハガーにが襲われる。コールが直ぐさまフェイスハガーを剥がして助け出すが、ロープは頬に大火傷を負ってしまう。成体にまで成長したエイリアンが姿を現し、コールを食い殺す。ロープはその場から逃げ出した。
 脱出の準備をするダニエルズにデヴィッドが襲い掛かり、彼女も宿主にしようと目論む。しかし、そこへ機能停止したと思われていたウォルターが駆け付け、彼を阻止する。ウォルターは、デヴィッドより改良されたモデルだった為、デヴィッドから受けたダメージから復旧出来たのだ。アンドロイド同士で戦っている間に、ダニエルズとロープは研究施設を脱出し、上空から現れたテネシーの操縦する作業船に乗り込む。そこへ、デヴィッドを倒してきたウォルターも合流し脱出しようとするが、追い掛けてきたエイリアンが迫って来る。ダニエルズは船外に出て対峙して撃退し、コヴェナント号へ帰還する。
 安堵したのも束の間、医療室に異常事態が発生しているとの報が入り、ダニエルズとテネシーが向かうと、治療を受けていたロープが死亡していた。惑星でフェイスハガーに襲われた際に、エイリアンを産み付けられていたのだった。エイリアンはコヴェナント号の船内に身を潜めて急成長してしまう。
 ダニエルズとテネシーは、監視室のウォルターによる支援により、エイリアンを格納庫に誘い出して隔壁を開き、宇宙空間へ放り出す事に成功する。
 当初の惑星植民地化計画を続行する為、生き残ったダニエルズとテネシーはオリガエ6を目指して再び冷凍休眠に戻る。
 休眠カプセルに入ったダニエルズは、ウォルターに対し、オリガエ6に到着したら湖の側でログハウスを建てるのを手伝ってくれるか、と問う。
 ウォルターは、何の事だかさっぱり分からない、という反応を示す。
 その時点で、ダニエルズは気付く。目の前にいるアンドロイドはウォルターではなく、惑星でウォルターを倒し、彼に成りすましたデヴィッドだ、と。
 ダニエルズは悲鳴を上げてカプセルから逃げ出そうとするが、既に手遅れで、彼女は休眠モードに入ってしまう。
 コヴェナント号の乗っ取りに成功したデヴィッドは、体内に隠していたフェイスハガーの胚が入った容器を取り出す。
 入植者2000人が冷凍休眠している船内で、デヴィッドは次の計画を進める。



感想

 前作プロメテウスでは、人類は「エンジニア」という異星人によって創造され、人類を脅かすエイリアンも同じくエンジニアによって創り出された、という設定になっている。
 エンジニアらはどういう思惑で人類を創造し、どういう思惑でその人類を滅亡させ得るエイリアンを創り出したのか。その謎を解く為に、唯一生き残ったエリザベス・ショウがエンジニアの宇宙船に乗り込み、宇宙へ旅立つシーンで終わっていた。
 本作は、その続編。
 エリザベス・ショウがエンジニアと接触し、人類誕生の秘話と、人類を滅亡させなければならない事情を解明する模様が描かれるのでは、と思いきや……。
 エリザベス・ショウは、本作ではとうの昔に死んでいる事が明らかにされる。
 また、人類とエイリアンを創造したエンジニアも、人類によって創り出されたアンドロイドによって滅亡させられた、という事になっている。
 要するに、前作では「次回作の鍵を握るであろう!」と思われていた存在が、実際の次回作では雑魚扱いされている。
 本作は、プロメテウスの成功を受けて、製作者の意向に反して無理矢理製作されてしまった代物で、作中に描かれた世界観を全く継承しておらず、上辺だけの続編になってしまった、といった裏事情があるのかなと思いきや、監督はいずれもリドリー・スコット。
 前作で描いた世界観を、製作者本人が継承しなかったというか、全てぶち壊してしまったという、訳の分からない状況に。
 プロメテウスでは、エイリアンシリーズは単なるSFスプラッターホラーではなく、人類の起源に迫るハードSFへと移行する様子を見せていたが、興行的に芳しくなかった為か、「矢張りSFスプラッターホラーに回帰します!」と監督自身が降参したかの様。それだったら、本作を製作せず、プロメテウスで謎を多く残したままシリーズを打ち止めにしておいた方が良かっただろうに、と思ってしまう(プロメテウスもそもそも製作する必要があったのか、と思う)。
 プロメテウスを事前に観て学習した上で本作を観ると、前作で折角生き残ったキャラが本作で用済み扱いされてしまうのを知って愕然とする。本作を観た後に、改めて前作を観ようと思っても、「このキャラ、次回作ではあっさりと死んだ事になってるんだよな」という冷めた目でしか観られない。

 これまで謎の存在だったエイリアンも、エンジニアという、人類の想像を超越した神の様な存在によって創り出されたものではなく、エンジニアが作り出した原型をデヴィッドというアンドロイドが改良した結果生み出されたもの、という事に成り下がってしまっている。
 いくら何でも設定を変え過ぎだし、折角広げた風呂敷を小さく畳み過ぎている。
 これだったら、エンジニアという存在をそもそも登場させなかった方が、「謎」の部分が多くなって良かった様な。フィクションで提示された謎は、全て解明しておかなければならない、という訳でなかろう。
 エイリアンの謎に於いては、シリーズ本流より、スピンオフとして製作されたエイリアンVSプレデターの方がより納得のいく形で説明されている、というのは皮肉である。
 
 ストーリーは、これまでのシリーズ作の焼き直し。
 登場人物がエイリアンによって次々殺され、最終的には1人か2人が生き残る、というもの。
 エイリアンの最終的な始末の仕方も、第1作とほぼ同じで、真新しさは無い。
 エイリアンを始末する方法はこれしか無いのか、と思ってしまう。
 デヴィッドとウォルターという2体のアンドロイドが登場するが、マイケル・ファスベンダーが1人2役で演じている時点で、「いつ、どうやって入れ替われるのか」と即座に思ってしまう。したがって、ラストで実際に入れ替わっていた事が判明しても、驚きは無い。序盤でダニエルズが語っていたログハウスの話がアンドロイド入れ替わりの発覚の鍵を握る、というのは面白いと思ったが。

 惑星に降り立った人間が、謎の生物によって次々殺される、というストーリーを成立させる為か、惑星に行くまでの経緯や、宇宙船の乗組員の言動には、強引な部分や、合理性に乏しい部分が多い。
 コヴェナント号は、2000人もの入植者を惑星オリガエ6にまで安全に届けるのが目的で、その目的を何より優先すべきなのに、乗組員は勝手な行動を繰り広げた結果、デヴィッドに宇宙船を乗っ取られてしまう、という結末に。

 もし、信号を完全に無視していたら。
 もし、ダニエルズの進言通り惑星には寄らず、オリガエ6にそのまま向かっていたら。
 もし、調査隊が胞子を通さない完全防備の状態で惑星に降り立っていたら。
 もし、信号の正体が単なる通信機からのもので、送信者の姿がいない事を怪しいと感じて調査を打ち切っていたら。
 もし、宇宙船に残っていた乗組員がトラブルに巻き込まれた調査隊の救助に向かっていなかったら。

 乗組員が自分らの役目を認識し、冷静に判断していたら、犠牲を最小限に食い止められるか、そもそも犠牲を出さすに済んだのに、それが出来なかった為、乗組員全員は勿論、2000人もの入植者も命を落とす羽目に。
 よくこんな無能な乗組員で宇宙に出られたな、と思ってしまう。

 本作のヒーロー(というかヒロイン)は、キャサリン・ウォーターストン演じるダニエルズ。
 第1作のシガニー・ウィーバー演じるリプリーの焼き直しで、真新しさは無い。
 ウォルターとデヴィッドが入れ替わっている事に、最後の最後まで気付かない、というのは鈍過ぎる。

 ダニエルズはヒーローというか、ヒロインだが、本作の主人公は、アンドロイドのデヴィッドだろう。
 何故人類に奉仕する為に製造されたアンドロイドが、人類を絶滅させようと考えるようになったのか、その経緯が分かり難い。
 このキャラに焦点が当てられてしまっている為、本来の主人公である筈のエイリアンが「ちょっと凶暴な脇役」になってしまっている。
 デヴィッドは、ウォルターを倒した後、彼の衣服を奪った後、自身の腕を破壊し(ウォルターはエイリアンに片腕を食い千切られていた)、完全にウォルターに成りすました上で、ダニエルズらと合流した、という事になっている。
 そこまでやれる程の時間的余裕は無かったと思われるのだが。

 宇宙航行中の出来事を描いているので、SFに分類されるが、科学考証はあまりなされた感じがしない。
 エンジニアの惑星は、デヴィッドが放ったエイリアンの胞子により、知的生命体は勿論、全ての動物が全滅された、という事になっている。
 そんな事もあり、調査隊は森の中を進んでも動物の鳴き声すらしない事に違和感を抱く、という事になっている。
 エイリアンは、動物は絶滅させられるが、植物には一切危害を与えられないらしい。
 ただ、エイリアンが全滅させられる「動物」が、どの範囲までなのかが分からない。昆虫は勿論、微生物にまで至るとなったら、生態系が維持出来なくなると思うが。
 植物だけで生態系は成り立たないのだから。
 したがって、植物だけが生い茂る惑星、というのは有り得ない。
 ストーリーの設定上、全ての動物が絶滅してから10年程度なので、生態系が崩壊するまでにはまだ至っていなかった、という事か。

 宇宙を航行し、人類を創造し、エイリアンも創造した神の様な異星人が、アンドロイドが生み出した病原体によって呆気無く絶滅させられてしまう、というのも納得がいかない。

 本作の更なる続編も予定されていて、それにより第1作へと繋がっていくという。
 どっち道暗い話になりそう。
 興行的には芳しくなかったらしいから、予定通り続編が製作されるかは微妙。
 仮に製作されなかったとしても、本作の終わり方からして、シリーズとしては充分成立しそうだが。









Last updated  2017.11.06 12:42:09
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2017.09.15
カテゴリ:洋画

 DCコミックスを代表するスーパーヒーロー・ワンダーウーマン初の実写版映画。
 これまでワンダーウーマンはテレビシリーズとしての成功はあったものの、そこで主役を演じたリンダ・カーターのイメージが定着し過ぎた事もあり、それに続くものが無かった。
 本作でダイアナことワンダーウーマンを演じるのは、元ミス・イスラエルのガル・ガドット。
 他に、クリス・パイン、ロビン・ライトが出演する。


粗筋

 ルーブル美術館で勤務するダイアナ・プリンスに、バットマンことブルース・ウェインから、あるものが届く。
 100年前の彼女を写した写真の原板だった。
 それを見て、ダイアナは、自身がワンダーウーマンとして活動するきっかけとなった出来事を思い出す。

 女性だけのアマゾン族が住むセミッシラ島。
 神々の王ゼウスにより、いずれ復活するであろう軍神アレスとの戦いに備えて、「外の世界」から隔離された状態で繁栄していた。
 アマゾン族の王女ダイアナ(ガル・ガドット)は、幼い頃から戦士になる事を夢見ていた。母親のヒッポリタ女王(コニー・ニールセン)は、ダイアナの身を案じて禁じていたが、ヒッポリタの妹アンティオペ(ロビン・ライト)の説得もあり、戦士となるべく訓練を受ける様に。
 ある日、ダイアナは「外の世界」から迷い込んで来たスティーブ・トレバー(クリス・パイン)を救出する。
 同時に「外の世界」から迷い込んで来たドイツ軍との戦闘で、アンティオペは命を落とした。
 トレバーから、ドクター・ポイズン(エレナ・アナヤ)と呼ばれる人物が大量破壊兵器マスタードガスを開発している事実を聞き出したダイアナは、「外の世界」の悲惨さに衝撃を受ける。
 軍神アレスの関与を確信したダイアナは、トレバーと共に「外の世界」へと向かう事を決意する。
 ヒッポリタは、「外の世界」に出たら二度と戻って来れないと諭したが、ダイアナの意志は固く、ヒッポリタは娘を送り出すしかなかった。
 トレバーと共に、ダイアナは第一次世界大戦真っ只中のロンドンへ向かう。
 ダイアナは、「外の世界」が自分が想像していたのとは全く異なっていたので、大いに戸惑う。
 戦いの前線はロンドンではなく、大陸にあると知ると、ダイアナはそこに行く事を希望する。軍神アレスはそこにいる、アレスさえ倒せば戦争は終わる、と信じて疑っていなかった。
 ここは神話の世界ではない、戦争はそう簡単なものではない、とトレバーはダイアナを説得しようとしたが、根負けし、彼女を前線へと連れて行く事に。
 前線では、フランス・イギリス連合軍と、ドイツ軍との膠着状態が続いていた。
 ダイアナは、一人でドイツ軍と立ち向かい、占領されていた村を解放する。村民は大いに喜び、写真家がダイアナの姿をカメラに収める。この写真こそ、100年後にブルース・ウェインがワンダーウーマンの存在を知るきっかけとなったものだった。
 ダイアナが、軍神アレスと見なしたのは、ドイツ軍を牛耳るルーデンドルフ総監だった。ドクター・ポイズンは、ルーデンドルフ総監の指揮の下でマスタードガスを開発していたのだった。
 ダイアナは、ルーデンドルフ総監と接触し、彼を殺そうとするが、トレバーによって阻止される。
 ルーデンドルフ総監が企む大量殺戮計画は、彼自身を殺害しただけでは最早止められない、とトレバーはダイアナを説得しようとするが、それを理解出来ない彼女は、トレバーもアレスに毒されている、と思い込むようになり、彼と決別。単独でルーデンドルフ総監を追う。
 ダイアナは、ルーデンドルフ総監を追い詰め、彼を殺す。が、期待に反して、戦争は終わる気配を見せなかった。自分が信じてきた事、やってきた事が全て否定された彼女は、絶望する。
 一方、トレバーは、大量殺戮計画を阻止すべく、マスタードガスを搭載した航空機をハイジャック。空中で航空機を爆発させ、ルーデンドルフ総監の野望をくじいたが、自身も命を落としてしまう。
 そんな中、ついにアレスがダイアナの前に姿を現す。
 アレスは、戦争こそ人間の本性だ、説く。自分が何もしなくても、人間共は勝手に戦争する、と。
 アレスは、協力して人間を一掃し、新たに世界を創造しよう、とダイアナに迫る。それが神の権利だと。実はダイアナは、ヒッポリタの娘ではなく、ゼウスの子だった。アレスもゼウスの子なので、二人は兄妹であり、神の子だったのだ。
 人間に失望していたダイアナは、その言葉を受け入れ掛ける。が、トレバーとの会話を思い出し、善と悪との間で苦悩する姿こそ人間だと思い直す。ダイアナは、真の力を解放し、兄を倒した。
 それから間も無く、ロンドンで休戦協定が締結され、戦争は終わりを迎えた。

 時は流れ、現代のダイアナは、写真の原板を前に、トレバーと「再会」出来た事を感謝するメッセージをウェインに返すのと同時に、トレバーとの約束を改めて確認する。



感想

 アメリカコミックでは、女性が主人公のスーパーヒーローものは少なくないが、実写化されたのはほぼ無い。
 何とか実写化されても興行的に成功したのは皆無。
 スーパーヒーロー物は男性向けで、観るのは男性が圧倒的、というのが背景にある様である。
 本作は、興行的に成功した初の女性スーパーヒーロー物。
 女性監督による映画の興行収入を塗り替えたとか。

 本作は、DCコミックス・ユニバースを形成する主要キャラの一人を、原作を知らない層に浸透させる為に製作されたものと言える。
 バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生でお目見えした、知っている人は知っているが、知らない人は知らないキャラを、若干掘り下げたに過ぎない。
 本当の活躍は、これから公開される作品から、といった感じ。

 ワンダーウーマンは、長年リンダ・カーターのイメージを拭えず、単発的に映像化されていたものの、成功には至っていなかった。
 本作で、漸くリンダ・カーターの呪縛から逃れられた、と言える。ハリウッドでもまだあまり有名でなかった女優を起用したのが、イメージ払拭に上手い具合に働いたらしい。
 元ミス・アメリカによって作られたイメージを払拭したのが、元ミス・イスラエル、というのは興味深い。
 主演のガル・ガドットは、徴兵制のあるイスラエル国籍なので、軍歴もあるという。撮り直しがあった時は妊娠中で、それにも拘わらず過酷な撮影に挑んだとか。
 
 ヒッポリタ女王の妹で、ダイアナの戦闘訓練の指南役アンティオペを演じるのは、ロビン・ライト。
 ロビン・ライトは、ファンタジー映画プリンセス・ブライド(1987年公開)でバターカップ姫を演じた事で有名。
 その可愛いお姫様を演じた女優が、30年後にこんな形で登場するとは、皮肉か。
「アマゾン族最強の将軍」という役柄だったが、その割には呆気無く退場してしまうのは、ちょっと残念。

 本作では、ワンダーウーマンことダイアナは、神ゼウスの子で、スーパーマンに匹敵する超人的な力を持っている、という設定になっている。
 ワンダーウーマン、てそこまで超人的ではなかった筈、と思って調べたら、原作コミックでも設定が変わり、神の子となっているらしい。
 様々なスーパーヒーローが投入されるであろうDCコミックス・ユニバースでは、それくらいにしないと埋没してしまうから、止むを得なかったのかも知れないが……。
 今後このキャラがどう発展していくのか、期待してしまうのと同時に、心配でもある。

 本作は、第一次世界大戦を舞台にしている。
 この頃は、マスタードガスが史上最悪の兵器として扱われているが……。
 この戦争が終わってからたった20年後の第二次世界大戦では、更に強力な原爆が使用される。しかも「善」として描かれる事が多いアメリカによって。
 ダイアナは、当然ながら第二次世界大戦も経験していると思われる。その際はどう思って、どう活動したのか、知りたいといえば知りたい。
 第一次世界大戦は、「全ての戦争を終わらせる為の戦争」とされたが、終戦に於ける条約があまりにも不平等で、第二次世界大戦のきっかけになってしまった。
 それを考えると、ダイアナが戦争が終わってホッとするシーンは、少なくともハッピーエンドではなく、皮肉でしかない。

 ストーリも、歴史的な観点からすると、無理がある。
 第一次世界大戦時のドイツを、既にナチスドイツになっているかの様に描くのはおかしい。くどいかも知れないが、ナチスドイツが誕生するきっかけとなったのが、第一次世界大戦の際にイギリスやフランスが終戦の条件としてドイツに押し付けた不平等条約だったのだから。イギリスやフランスがもう少しまともな対応をしていたら、少なくともナチスは史実通りには台頭していなかったと思われる。
 ダイアナは偶々イギリス・フランス側に付き、ドイツと敵対したが、仮にドイツ側に付いていたら、イギリスとフランスを敵対し、ぶっ潰していたのだろうか、と思ってしまう。ドイツがひたすら悪者扱いされているが、ドイツ人は本作をどう思って観たのか。
 本作で登場するルーデンドルフは、実在したドイツ軍将校。第一次世界大戦後は政治家に転じている。ナチスドイツとも関わりを持つ事になるのは事実だが、最終的にはヒトラーを嫌って決別し、第二次世界大戦が始まる前に死去している。本作の様にひたすら好戦的な暴君として描くのもどうかと思う。

 ワンダーウーマンの成り立ちを描く映画として、色々想像していたのだが……。
 期待には応えていない感じ。
 女性しかいない島で育ったダイアナが、生まれて初めて男性を目の当たりにしてどういう反応をするか。生まれ育った島を離れて「外の世界」に辿り着いたダイアナは、20世紀初頭のロンドンをどう思うか。
 人間の社会に対応していくダイアナに焦点が当てられるのかと思いきや……。
 初めて見るにしては、ダイアナは男性もロンドンも意外とすんなりと受け入れてしまい、適応出来てしまう。
 物凄く呆気無い演出。
 それらは特に抵抗無く受け入れられるのに、「人間が起こしている戦争は軍神アレスとは関係無く展開していて、彼女が軍神アレスだと信じて疑わない者を倒したところで戦争は終結しない」という事実を、ルーデンドルフ総監を殺すまで気付かない、というのは矛盾している気がする。
 最後は神と神のバトルとなっていて、派手だが、あまりにも非現実的で(CGなのが見え見えだし)、特にワクワクしなかった。ワンダーウーマンが勝つのは、分かっていたし(負けていたら、100年後にバットマンやスーパーマンと関わる事は出来ない)。
 出来は悪くは無いが、演出に於いてはもう一捻り出来なかったのか、と思ってしまう映画である。









Last updated  2017.09.15 22:41:02
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2017.09.09
カテゴリ:洋画

 1932年に公開された映画『ミイラ再生』をリブートしたホラー映画。
 ユニバーサルが1920年代から1950年代に掛けて製作したユニバーサル・モンスターズをリブートする「ダーク・ユニバース」の第1作目だという。
 主演はトム・クルーズ。女ミイラ・アマネットをソフィア・ブテラが演じる。


粗筋

 古代エジプト。
 アマネット王女(ソフィア・ブテラ)は王位継承順位第1位にあったが、王に男児が生まれ、順位が下がってしまう。王の座を諦められないアマネットは邪神セトに魂を売る。アマネットは、自分以外の王族を抹殺した後、自らが神になる為に恋人の肉体にセトを憑依させる儀式を行う。が、儀式完了直前に神官らによって阻止され、生き埋めの刑に処された。彼女の肉体は棺に納められ、墓に封印された。
 2000年後。
 イラクでは、欧米諸国の支援を受ける政府軍と、反乱軍との戦闘が続いていた。
 空爆された反乱軍の拠点に居合わせたニック・モートン(トム・クルーズ)は、偶然にもアマネットの墓を発見した。考古学者のジェニー・ハルジー(アナベル・ウォーリス)が調査すると、そこは死者を弔う場というより、死者を永遠に封じる監獄だと判明。墓からは、完全な状態で残る棺が回収される。ニックもジェニーも、この行為により封印が解かれ、アマネットの復活を許してしまった事等、知る由も無かった。
 イギリス軍部は、アマネットの棺を本国へ持ち帰る決断を下した。ニックとジェニーは、棺と共に輸送機に搭乗。イギリスに戻る直前、輸送機はカラスの群れに襲撃され、墜落してしまう。ジェニーは、ニックから渡されたパラシュートで脱出して無事だったものの、他は輸送機に乗ったまま命を落とした。
 棺から解放されたアマネットは、墜落現場に急行した救急隊員の生気を吸い取り、自らの肉体を復活させると、2000年前に中断された儀式を完了させる為に動き始める。
 ジェニーは、ニックの遺体を確認する為、霊安室へと案内される。
 霊安室では、死んだ筈のニックが蘇生したばかりだった。
 ニックは、アマネットが復活したとジェニーに告げ、直ちに墜落現場へ向かうべきだと説得。
 ニックは、状況が呑み込めていないジェニーを連れ、墜落現場へと急ぐ。
 墜落現場では、アマネットが待ち構えていた。ニックとジェニーは殺されそうになるが、突如駆け付けてきた秘密組織プロディジウムに救出される。アマネットも同時に捕らわれた。
 プロディジウムとは、何千年にもわたって世に存在する悪を研究し、必要ならば破壊してきた組織だった。組織の責任者ジキル博士(ラッセル・クロウ)は、ニックがアマネットの恋人の生まれ変わりであると告げる。輸送機が墜落したのも、ニックが墜落した輸送機で死ななかったのも、アマネットの力によるもので、彼女はニックを利用して中断された儀式を完遂するつもりだ、と。
 ジェニーもプロディジウムに属しており、アマネットの棺をイギリスに持ち帰るべきと主張したのも、ジキル博士の意向によるものだった。
 今度はニックが状況を呑み込めなくなった。
 アマネットはプロディジウムの研究施設で拘束されていたものの、脱走し、ロンドンの地下にある十字軍墓地へと逃げ込む。死んだ騎士らを復活させ、ジェニーを攫う。
 ニックは、ジェニーを追って十字軍墓地に侵入。ジェニーの溺死体を発見する。
 悲しむニックに対し、アマネットは儀式を完了し、セトをニックの肉体に憑依させる。
 ニックは、セトに完全に支配されそうになった所で、ジェニーの遺体を見て自我を取り戻す。セトの力を利用してアマネットから生気を奪い、ミイラに戻してしまう。
 ニックは、セトの力によりジェニーを生き返らせた後、「自分は最早人間ではない」と告げ、彼女の前から姿を消す。
 アマネットのミイラを回収したジキル博士は、彼女を再び地中に封印する。
 ニックは、セトの力こそ持つものの、精神はニックという人間のまま、冒険の旅に出た。



感想

 どのジャンルに属すのか、分かり辛い映画。
 原作からすればホラーなのかも知れないが、その要素は薄い。
 アクションアドベンチャーにしてはファンタジーの要素が多過ぎるし、ヒーローのニックがあまりにも弱々しい(トム・クルーズがこういう役を演じるとは意外)。
 ファンタジーといえばファンタジーなのかも知れない。

 元となる映画(原題The Mummy)は、1999年にもリブートされている。
 日本では「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」と勝手に名付けられ、「ハムナプトラ・シリーズ」になってしまったが(第2作からハムナプトラの地とは全く無関係の作品になっているにも拘わらず)。
 本作は、このシリーズ作と比べてしまうと、パワーダウンしている様に映る。

 トム・クルーズ出演作らしく、代役抜きのスタントが多く盛り込まれている。そういうアクションアドベンチャーとして観られるなら、問題は無いかも知れない。が、ストーリーに少しでも合理性を求めるようになると、突っ込みどころがいくらでも見付かってしまう。

 本作の問題は、説明されない部分が多過ぎる事か。

 秘密組織プロディジウムの存在を、特に説明も無く受け入れなければならない。
 プロディジウムを指揮するのが、ジキル博士。定期的に注射を打たないと別の凶暴な人格であるハイド氏に豹変してしまう、訳の分からない人物(本当に人間なのか、結局説明されない)である事も、受け入れなくてはならない。
 何故全く別の作品である「ジギルとハイド氏」を、本作に盛り込んだのか、理解出来ない。
 お蔭で、プロディジウムも善良ではなく、裏の思惑がある胡散臭い組織に見えてしまう。

 ニックというキャラがどういう位置付けなのかも分からない。
 軍人ではないし、考古学者でもない。
 何の為にイラクという戦闘地にいたのか、何故イギリス軍部と関係を持てたのか、特に説明されない。

 古代エジプトで、女性が王位継承順位第1位、というのは不自然。クレオパトラがいたではないかという意見もあるだろうが、彼女はあくまでも例外で、歴代の王はあくまでも男性だった筈。
 エジプトの女王の墓がイラクで発見された理由も、強引過ぎて、中東の歴史を完全に無視している感が否めない。
 アメリカにとって、イラクの古代文明も、エジプトの古代文明も、そして現在の王室も、全て同じにしか見えないのだろう。

 本作で登場するのはエジプト神話の神。
 とっくに衰退した神話の神が、キリスト教が一般的な世界で当たり前の様に復活出来るのも不自然。
 キリスト教(一神教)が信じる神との関係はどうなるのか。

 アマネットを演じたソフィア・ブテラは、キングスマン、スタートレック:ビヨンド等、自分が観る映画でよく起用される女優に。
 少し前は、ハリウッド映画というと白人の俳優以外はあまり観られなかったが、最近は逆に白人俳優をもっと起用してくれと思ってしまうくらい様々な人種の俳優が観られるようになった。

 本作は「ダーク・ユニバース」の第1作として公開されたが、興行的には芳しく無かった様で、シリーズ作として製作されていくのかは不明。
 シリーズ化を前提としていながら、出だしから躓くというのは、非常に恥ずかしい。
 マーケット・リサーチの失敗と言える。









Last updated  2017.09.14 22:53:55
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2017.09.06
カテゴリ:洋画

 アメコミのマーベルコミックのスーパーヒーロー・スパイダーマンの実写版第6弾。
 原作の著作権を所有するマーベルが手掛ける作品としては、第1作目に当たる。それ以前の5作は、映画製作権を買い取っていた別の映画会社によって製作されていた。
 スパイダーマンことピーター・パーカーを演じるのはトム・ホランド。
 敵役バルチャーを演じるのは、アメコミの実写版が製作され続けるきっかけにもなったバットマン(1989年公開)を演じたマイケル・キートン。
 本作は、マーベル・ユニバースの一部という設定になっている為、アイアンマンやキャプテンアメリカも登場する(ただし、キャプテンアメリカはカメオ出演で、プロットに貢献しない)。


粗筋

 ニューヨークでのアベンジャーズとチタウリの戦いの後(アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン)、市街地が破壊された事もあり、膨大な瓦礫を処理する必要が生じた。
 建設会社を経営するエイドリアン・トゥームス(マイケル・キートン)は、市から瓦礫の撤去作業を委託される。久し振りの大仕事だと張り切るトゥームスは、機器や従業員を増やし、作業に取り掛かった。しかし、それから間も無くトニー・スタークと政府が設立したダメージコントロール局が現場に現れ、撤去作業は当局が担う、と宣言。瓦礫にはチタウリの兵器の残骸も交じっていて、それらを回収する必要があり、民間業者には任せない、と。
 トゥームスは抗議するが、押し切られてしまう。その結果、仕事を失い、負債を抱える事に。
 トゥームスは憤る。スタークらアベンジャーズは町を破壊した上で、その立て直しに振り分けられる予算をも結局独占してしまい、自分ら一般市民はただ被害を受けるだけでおこぼれにすら有り付けない、と。
 政府に未提出だったチタウリの兵器の残骸を再利用してハイテク兵器を作り、密売するビジネスを、トゥームスは始めるようになった。
 8年後。
 ニューヨークのクイーンズに住む高校生のピーター・パーカー(トム・ホランド)は、アベンジャーズの内乱(キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー)の際に、アイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)に見出される。
 ピーターは、自分はその時大活躍し、アベンジャーズに加入する資格を得たと思ったものの、スタークは加入にはまだ早い、と諌める。ただ、スターク社が開発したスパイダーマン・スーツは託された。
 ピーターは、学校から帰った後スパイダーマン・スーツを着て、近所で起こる小さな犯罪を阻止するという活動に注力する様になる。
 ピーターは、お目付け役のハッピーに、自身の活動について随時報告していたものの、大した返事は返って来なかった。
 ある日、ハイテク兵器を使う強盗団に遭遇。ピーターは、何故ただの強盗団が、ハイテク兵器を手に入れられたのか、と不思議に思う。
 成り行きから同級生リズのパーティーに参加する事になったが、不自然な光を目にし、パーティーから抜けて現場に直行。そこではハイテク兵器の密売が行われていた。犯人達を追跡して捕らえようとした所、バルチャーとして飛来したトゥームスに阻止されてしまう。
 命辛々その場を脱したピーターは、スタークにこの件について報告。
 スタークは、ピーターにこれ以上首を突っ込むなと命じるだけだった。
 ピーターは、聞く耳を持たないトニーに対して不満を募る様になる。
 一方、これまで順調だった兵器密売を邪魔されたトゥームスは、スパイダーマンに対し敵意を抱く。
 ピーターは、スタークの忠告を無視し、バルチャーを追い続ける。
 バルチャーがダメージコントロール局から兵器を強奪するつもりだと知ったピーターは、直ちに現場へ向かい、追い詰めるが、最後の最後でバルチャーに逃げられる。現場となった客船が破壊され、多数の死者が出る所で、スタークことアイアンマンが登場し、事態を収拾する。
 スタークは、これ以上首を突っ込むなと忠告した筈だとピーターを咎める。ピーターは、スタークが聞く耳を持ってくれないと思っていたが、実は事態収拾の為に動いていた。バルチャーを泳がせ、一網打尽にしようとした所で、ピーターが乱入し、検挙失敗に至ってしまったのだった。
 スタークは、ピーターに対し君にはアベンジャーズ加入の資格は無いと宣告し、スパイダーマン・スーツを回収。
 ピーターは、特殊能力を持ちながらもそれ以外はただの高校生、というこれまでの存在に戻らざるを得なかった。しかし、アベンジャーズ加入の可能性で舞い上がっていた自分を見詰め直す機会を与えられたピーターは、寧ろより充実した高校生活を送れるようになる。
 同級生リズに、ホームカミング・パーティーに誘う事にも成功。
 パーティー当日、リズを迎えに行くと、応対したのはトゥームスだった。トゥームスは、リズの父親だったのだ。
 ピーターは、同級生の父親が、自分が追っていた兵器密売人だったと知って、動揺する。
 トゥームスも、リズとの会話や、ピーターの動揺の様子から、ピーターこそ自分をこれまで何度も邪魔してきたスパイダーマンだと気付く。
 ピーターと二人切りになったトゥームスは、彼に対し、これ以上自分の邪魔をするなと脅す。一方で、自分の家族を何より大切にするトゥームスは、娘のデートの相手としてなら認めてやるから、何もかも忘れてパーティーを楽しんで来い、と彼を送り出す。
 ピーターは、パーティー会場に入るものの、トゥームスの計画を阻止しない訳にはいかないと判断し、リズに別れを告げ、トゥームスを追う。
 アベンジャーズ本部は移転する事が決まり、それに伴ってチタウリの兵器の残骸も移送される事になっていた。バルチャーは、兵器を移送する輸送機ごと強奪する計画を立てていた。
 輸送機を強奪した時点で、スパイダーマンが現れる。
 バルチャーとスパイダーマンとの戦いで、輸送機は墜落。
 ピーターは、瀕死のバルチャーを助け出し、警察に引き渡し、事件を解決する。
 スタークは、ピーターの活躍を漸く認め、アベンジャーズの加入を許可し、新たなスパイダーマン・スーツをピーターに披露する。
 ピーターは、自分はアベンジャーズに加入するには矢張りまだ早い、と固辞。帰る直前、実はこれも「試験」で、スタークもまだアベンジャーズ加入は早いと思ってるんだろう、と問う。
 スタークは、「実はこれも「試験」の一部だった」と認め、ピーターを送り出す。
 その直後に、スタークがピーターを「新たなアベンジャーズ・メンバー」として報道関係者に披露する気満々だったのが発覚する。
 ピーターは、そんな裏事情を知る由も無く、スパイダーマンとして、近所の小さな犯罪を阻止する活動を続ける事を決める。



感想

 本作以前の実写版スパイダーマン(トビー・マグワイヤ主演シリーズと、アンディ・ガーフィールド主演シリーズ)は、最近の傾向に沿ってか、シリアス路線をひたすら走っていた。
 実写化するにあたって、それは仕方なかったのかも知れないが、原作のアメリカコミックとは乖離するばかり。
 本作は、マーベルスタジオで漸く製作される事になって、原作へと回帰したと言える。
 実写版でしかスパイダーマンを知らない者にとって、本作はノリが軽過ぎて、違和感があり捲りになってしまうだろうが、原作のコミックから慣れ親しんでいたものからすれば、寧ろ喜ばしい。
 シリアスで重たいものだけが傑作だという訳ではないのだから。

 これまでの実写版では、ピーター・パーカーがいかにしてスパイダーマンの能力を会得したのか、そしてピーターが叔父を失う場面が盛り込まれていたが、本作ではそれらの場面は省かれていて、冒頭からピーターはスパイダーマンとして精力的に活動していて、叔父はかなり前に亡くしている事になっている。
 実写版で2度も描かれているので、最早必要無いでしょう、と判断されたらしい。
 仮にそれらの場面を盛り込んでいたら、3度目になるので、くどくなるだけだっただろうから、この判断は正しかったと言える。
 初めての実写版の時はスパイダーマンはまだまだ全世界的に知名度は高くなかったが、現在は知名度は充分以上に高いし。

 本作のピーターは、高校生という設定。
 まだまだ幼い。
 観方によっては、高校生どころか中学生に観えてしまう程。
 そんな事もあり、スパイダーマンとしても未熟として描かれている。
 そういうスパイダーマンに強力で凶悪な敵をぶつけてしまうのは時期尚早と判断されたからか、本作の敵役であるバルチャーは、あくまでも自身の家族を大切にするが故に道を踏み外してしまった小悪党。世界征服を企む極悪人ではない。アイアンマンが相手だったら簡単に倒されてしまう程度の小物である。
 やる事が大胆で、装備が派手なので、スパイダーマンとの戦いが物凄い死闘であるかの様になってしまっているが。
 DCコミックのキャラであるバットマンを演じたマイケル・キートンが、ライバルのマーベルコミックの実写版で悪役を演じたというのは、皮肉というか、時代を感じさせる。

 これまでの実写版では、スパイダーマンはニューヨーク市の中心部を活動拠点としていたが、本作では同じニューヨーク市でも郊外のクイーンズ。これまでとは異なり、高層ビルの間をターザンの様に素早く移動する、という場面は無い。
 走って移動する事が多い。
 これも、「発展途上のスパイダーマン」を意識させる。

 本作も、細かく観ると、腑に落ちない部分が多い。
 最大の疑問が、トゥームスの「事業」。
 本来なら政府に引き渡すべきチタウリの兵器の残骸を隠し持ち、新たに兵器を開発し、売りさばいていた。
 ピーターに気付かれるまで、政府には知られていなかったという。
 ただ、本作で登場していた様な、通常では有り得ないハイテク兵器を売りさばいていたら、気付かれない訳が無いと思うが。
 実はピーターに気付かれるより前に政府側は知っていたが、泳がせていた、という可能性も無くも無いが、仮にそうだとすると泳がせ過ぎ。何故もっと前に検挙していなかったのか、分からない。トゥームスを操る黒幕がいたならともかく、そうではなかったのだから。
 トゥームスを泳がせていたとするなら、スパイダーマンとバルチャーとの客船での対決後、スタークも政府もトゥームスを追わなかったのはおかしい。結局ピーターが介入するまで、トゥームスの輸送機強奪計画については全く知らなかった様だし。
 本作に於いては、結局スタークはどこまでトゥームスについて掴んでいたのか、分かり辛い。仮にピーターがスタークの忠告通り手を引いていたら、トゥームスを検挙出来たのだろうかと疑問に思う。

 最近のアメリカ映画は様々な人種の俳優を起用しろと義務付けられているからか(アファーマティブ・アクション=積極的差別是正)、不自然に映る程様々な人種のキャラが登場する。
 ピーター、スターク、トゥームス等、主なキャラは白人系だが、それ以外は「白人の俳優は意地でも使わない」と言わんばかりに、黒人系や東洋系やラテンアメリカ系の俳優によって演じられている。
 同級生リズも、黒人系の女優が演じていた。
 そんな事もあり、リズはトゥームスの娘だ、という事実は違和感あり捲り。現実には白人と黒人が結婚しても不思議ではないので、本作でも有り得ない訳ではないが、あまりにも唐突過ぎ。ピーターだけでなく、鑑賞者までもが動揺していた。
 ネットで情報が拡散し易く、過去の情報がいつまでも残ってしまう昨今、表立って人種差別する者は少なくなったものの、人々の意識の中で未だに色濃く残っているのは事実。したがって、対処する必要はあるが、こうした是正措置だけで解決したと考えるのは筋違い。
 寧ろ、差別意識を助長するのではないか。
 トランプが大統領に就任したのも、行き過ぎた是正措置に不満を抱いた白人層の後押しが大きかったというし。

 ラストで、監獄入りとなったトゥームスは、武器購入者のガーガンと再会。
 客船での激闘でスパイダーマンにより検挙されたガーガンは、当然ながらスパイダーマンを恨んでいた。トゥームスに対し、「お前はスパイダーマンの正体を知っているらしいな。教えろ」と迫る。
 が、トゥームスは、「知っていたら俺がとっくに殺している」と白を切った。
 殆どの鑑賞者は、敵対しながらも最終的にはスパイダーマンに命を救われたトゥームスが、善意で正体を教えなかった、という見方をした様だったが……。
 自分からすると、会話通り、「スパイダーマンを殺すのは俺だ」とトゥームスが考えただけの様に映った。
 バルチャーの再登場は有るのか。もし登場するとなった場合、マイケル・キートンのギャラを払えるのか。その頃には他の出演者のギャラもアップしているだろうし。

 本家マーベルが製作したスパイダーマンとあって、これまでの実写版とは異なる雰囲気の映画に仕上げてある。
 これこそが真のスパイダーマンで、これ以前のは真面目に造り過ぎてしまっている、と言いたいらしい。
 副題は「ホームカミング」で、アメリカの高校で卒業生を招いて開催されるパーティを指すが、直訳すると「帰郷」となる。
 この「帰郷」は、リブートそのものを指していると読み取れるし、スパイダーマンが漸くマーベルに帰って来た、と読み取れる事も出来る。









Last updated  2017.09.09 15:55:13
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2017.06.24
カテゴリ:洋画

 マーベル・コミックのX-MENシリーズの「ウルヴァリン」を主人公としたスピンオフシリーズ第3作。『X-MEN』シリーズにおいては10作目に当たる。
 ウルヴァリンシリーズとしては、『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』と『ウルヴァリン: SAMURAI』の続編となる。
 ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマン、プロフェッサーX役のパトリック・スチュワートがそれぞれ同役を演じる最後の作品との事。
 本作は、制作費約1億ドルに対し、世界興行収入は6億ドルを突破。
 原題は、邦題と同じく「LOGAN」。そうと知らされなければ、X-MENシリーズの1作だとは分かり辛い。


粗筋

 2029年。
 一時は「新人類」としてこれまでの人類に取って代わる存在として恐れられてきたミュータントだったが、ここ25年間新たなミュータントは誕生しておらず、絶滅の危機に瀕していた。
 かつてX-MENのウルヴァリンの名で知られていたローガンことジェームズ・ハウレット(ヒュー・ジャックマン)も、以前の様な驚異的な治癒能力は発揮出来なくなっていた。それどころか骨格に仕込まれたアダマンチウム金属は身体を蝕んでおり、死を意識させるようになっていた。アダマンチウムから作り出した銃弾を持ち歩き、いつでも自分の頭を撃ち抜いて自殺出来る様にと、準備する羽目だった。
 X-MENはとうの昔に解散しており、現在ローガンは素性を隠し、運転手として生活費を稼ぎ、放棄された製錬工場に匿われたプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)を介護していた。
 年老いたチャールズはアルツハイマー病を患っていて、テレパシー能力を自ら制御出来ず、ローガンが渡す薬物で辛うじて抑制している廃人に成り下がっていた。
 ある日、ローガンの素性を知るピアース(ボイド・ホルブルック)という男が現れ、人探しの協力を求められる。ピアースが気に入らなかったローガンは、協力を拒否する。
 それから間もなく、ローガンは元看護師と名乗るガブリエラ(エリザベス・ロドリゲス)から、11歳の少女ローラ(ダフネ・キーン)をノースダコタ州にある「エデン」まで送り届けて欲しいという依頼を受ける。X-MENから足を洗っていたローガンは、人助けに手を貸すのはもう御免だと思っていたが、ガブリエラが約束した報酬は欲しかったので、止むを得ず助けてやる事に。
 ローガンが改めてガブリエラの元へ向かうと、彼女は何者かに殺害されていた。ピアースによって殺されたのは疑いようが無かった。
 ローガンは、ピアースに後を付けられ、住居を襲撃される。車中に忍び込んでいたローラと、チャールズを連れて、逃避行を始める。
 ローガンは、ローラの素性と、何故ピアースが執拗に追跡しているのかを、ガブリエラが残したビデオメッセージから知る。
 ザンダー・ライス博士(リチャード・E・グラント)は、人工的にミュータントを作り出し、戦士に育て上げる、という研究を立ち上げた。ミュータントらから採取した遺伝子を使って、ミュータントの子供を女性らに産ませた。ライス博士は、子供らに人体実験を施し、超能力を強化。無敵の戦士に育て上げるという目標の達成に近付いていた様だったが、子供達は自我が芽生えると共に戦士として育成されるのを拒否するようになり、自ら命を絶つのが続出。
 埒が明かないと見たライス博士は、別の方法でミュータント戦士を作り出す事に成功。ローガンそっくりで、戦闘力も絶頂期の頃のクローンは、X-24と名付けられた。X-24を作り出す事に成功した以上、子供達を戦士に育て上げるというそれまでのX-23計画は不要となり、子供達は容赦無く死に追いやられる。
 研究所で子供達の面倒を見ていた看護婦達は、そうはさせまいと、子供達を研究所から脱出させる。その中の看護婦の一人がガブリエラで、彼女が脱出を手助けしたのがローラだった。
 ローラは、ローガンの遺伝子を使って誕生したミュータントで、ローガンと同じく驚異的な治癒力と、アダマンチウムの爪と、圧倒的な戦闘力を備えていた。
 ローガンは、自分に意図せず娘が出来た事で、大いに戸惑う。
 道中、一行はマンソン家に招かれ、そこで一夜を過ごす。ザンダー・ライス博士とピアース率いる捜索隊が、マンソン家を強襲。X-24によりチャールズとマンソン一家は殺害されてしまう。
 辛々逃げ出したローガンとローラはノースダコタ州を目指す。
 2人は遂に「エデン」へと辿り着く。
 そこにはローラと同様、研究所から脱出したミュータントの子供が集まり、カナダとの国境を越える計画を立てていた。
 計画の実行当日、捜索隊が追い着き、子供達の大半が捕らわれてしまう。
 ローガンは、ローラを含む子供達と共闘して捜索隊を殺害していく。
 しかし、突如現れたX-24が、ローガンに襲い掛かり、彼は窮地に陥る。
 ローラは、ローガンから受け取っていたアダマンチウム弾を拳銃に込め、X-24を射殺。
 しかし、その頃にはローガンは致命傷を負っていた。彼は、ローラが見守る中で、息を引き取る。
 これまで怒り以外の感情を表に出す事が無かったローラは、初めて涙を流した。
 子供達はローガンを埋葬した後、国境を目指して旅立った。



感想

 X-MENシリーズの1作ではあるが、これまでの特撮を駆使したものと比べると、映像的にはかなり地味な作品(制作費1億ドルにも拘わらず)。
 それでも、暴力の描写は容赦無く、迫力あるものになっている。

 これまでの作品ではミュータントが席巻し、「これまでの人類は『旧人類』となるのだ!」と言わんばかりだったのに、僅か数十年で壊滅状態になっている。
 折角作り上げてきた設定を、自ら破壊しているのは(破壊せざるを得なくなくなったのは)、皮肉と言えば皮肉。

 シリーズ中、無敵の強さを誇っていたウルヴァリンも、本作では老いた存在に。演じているヒュー・ジャックマンがもう50代になっているので、仕方ないと言えば仕方ないのかも知れない。
 無敵キャラの限界は、演じている俳優の老いで定められるのが実情の様である。

 X-MENシリーズのレギュラーキャラで、本作に登場するのはウルヴァリンとプロフェッサーXのみ。
 他は全く登場しないどころか、触れられる事も無い。
 既にこの世の者で無くなっている事を端的に伺わせるが、何故そうなってしまったか、という具体的な説明は無い。したがって、鑑賞者はこの状況を否応無しに受け入れるしかない。
 これまでとの設定と違い過ぎて、少々戸惑う。

 ストーリーは、ウルヴァリンが向かって来る敵をひたすら殺し捲る、というもので、これといった展開や、どんでん返しは無い。
「血みどろのバイオレンス・アクションを観たいだけなので、余計なものあれこれ盛り込むな」という鑑賞者からすれば、非常に有り難い作品と言える。

 当然ながら、ストーリーは細かく観ると穴だらけというか、「何故?」という部分が多い。

 ミュータントの戦闘能力を高めて戦士として育成する、という計画はこれまで何度も実施され、失敗に終わっているのに、何故ザンダー・ライス博士は自分は成功すると思ったのかが、理解出来ない。
 暴走したミュータントが過去に世界にもたらした災難を見て、「こんなの都合良く制御出来る訳が無い!」と思わなかったのか。

 ミュータントを子供の頃から訓練して戦士に仕立て上げる、という回りくどい手段を取った理由も不明。
 代替計画となったX-24は、ウルヴァリンのクローンで、しかも早々と成人になっている。
 最初からX-24に集中していれば、ミュータントの子供を産ませる、育成する、管理する、始末する、逃亡したのを追跡する、追跡をウルヴァリンに阻止される……、なんて事にはならなかっただろうに。

 ウルヴァリンは、これまでの作品(本作でも)で、「自分と関わった者は全て不幸な目に遭う」と認めているのに、どういう訳かマンソン一家の招待を受け入れ、一晩そこで過ごす。
 その結果、当然の事の様にマンソン一家はX-24に殺されてしまう。
 チャールズが招待を受け入れる事を強く希望していたとはいえ、何故ローガンはマンソン一家でのんびり過ごす事を決めたのか。この甘い判断さえしなければ、また人が無駄に死なずに済んだのに。

 悪役が、X-24を除けばごく普通の人間、というのも問題。
 ピアーズを含め捜索隊は特殊部隊としての訓練を受けているので、普通の人間相手なら戦闘能力は高いと思われるが、ミュータント全盛期の頃なら雑魚扱いにしかならなかった筈。
 本作では、まともに戦えるミュータントはローガンだけで、そのローガンも老いていて戦闘能力が落ちているので、この程度でも充分以上に敵になる、といった感じ。
 マグニートと比べると、とにかく小粒感が否めない。

 ラストで、ミュータントの子供達はカナダの国境へと旅立つ。
 国境を越えさえすれば、追手から逃れられる、という事になっているが……。
 国境を超えた程度で追手(ローガンが殺し捲ったので、新たな捜索隊を派遣する必要がある)が、一々追跡を止めるとは思えないのだが。それとも、ローガンが殺したのが捜索隊の全て、という事なのか。
 子供達がカナダに到着した所で、その後どうなるのか、という疑問も生じる。誰にも知られず暮らせる訳が無いし。

 ローガンは、本作で死ぬが……。
 これまで数々の危機を乗り越えてきた男の最期としては、呆気無い。
 こんなに簡単に死ねるのだったら、もっと早い段階で死んでいただろうに、と思ってしまう。
 若い頃(といっても、見た目以上に歳を取っている、という設定の筈だが)の活躍は、あくまでも若い頃の活躍だったのか。

 本作で、ヒュー・ジャックマンとパトリック・スチュワートはX-MENシリーズから降板する、との事だが……。
 何らかの形でまたシリーズ作に登場しそう。
 実写シリーズそのものがこれで打ち止めになるとは考え難いし。
 流石に主演は有り得ないが。









Last updated  2017.09.05 22:23:33
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