最後の妊婦日記＜陣痛～出産＞
１９日の夜１０：１４…忘れもしない「アノ痛み」。「こっ…これが陣痛なのかッ？」と一瞬唸った記憶がある。使っちゃいけない携帯を握り締め、ストップウォッチで陣痛の長さを計る。…あれ？なんか時間短いんじゃん？こりゃナースコールせにゃ～でしょ？「はい、どーしましたぁ～？」「あの～陣痛の痛みの間隔が長くなって、陣痛と陣痛の間隔が短くなってきてるんですけど。」「じゃぁ上に来てくれる？」迎えに来てはくれないのかい？痛んではフリーズし、痛んではフリーズし、どーにか「陣痛室」へ入室したのである。「いてぇ～…くっそぉ～ぅ。」このセリフが言えるうちはまだまだいいのだ。「フーフー…クゥ～ッ！」このへんで子宮口６cm大くらいかなぁ～。腰の痛みもこのへんでついてきたなぁ～。人が苦しんでる時に隣の分娩台で出産が始まってた。笑えたのがアタシの陣痛の波と、その人の波が同じだったのだ。なもんで、隣の助産婦さんの言葉通りにアタシも呼吸法をやってみたりしたのだった。途中あまりにもツライので、ダンナを呼んでもらおうとしたら「まだ１人で頑張れるでしょ。」と冷たくいい放たれ（その助産婦怖いんだ）、ダンナ様に腰をさすってもらいながら「大丈夫？」と言われたかったアタシの夢は、無残にもかなわなかったという…。なんかムカついたので、隣の陣痛が収まってるときにわざと聞こえるように「ウ～ン…ア～…」と呻いたりしてみたが、誰も来やしない。あのときほど悲しいことはない。隣のお母さん、無事に出産したよ～で、感動してしまいました。えかったえかった^^さ～、今度はアタシかぁ～？と思った時の陣痛で破水をまたした感覚があった。こりゃイカン！ナースコールせにゃ～！「あの～…破水したっぽいんですけど。」「…今行きます。」アタシ５分くらい待ったんですけど～^^;内診したら全開だったよ～で（子宮口が）「分娩室に行きましょう！」歩けば２０歩ないくらいでいけるのに、えっらい遠くに感じたね。分娩台に乗っかってやっと待望の一言を言われた。「ご主人呼びますね。」アタシあまり記憶にないんだけど、多分朝方５時ごろだと思うんだ～。ダンナがやってきて「あ～、お産なんだわぁ～。」と薄れ行く意識の中で思ったわね。さぞ感動的な出産になるんだろうと思ったんだが、ダンナいてもジャマっつーか、用はないのよね^^;逆に「なんでいるんだろう？この人」って思ったわ。途中、同室のＫさんが隣の分娩台に上がってきた。相当苦しいらしく、散々助産婦さんに叱られてたっけ…。アタシタチはほぼ同時進行だったらしく、アタシを担当したベテラン助産婦さんが「どっちが先に産むかしらぁ～？」なんて悠長に言ってたっけ…ぶん殴ってやろ～かと思いましたわ。「さぁ～、いきんで～！」待ってましたっ！その言葉を今か今かと待ってたんですよぉ～う！いきみ逃しっつーもんがいかに大変かがわかったわ～。さぁ～、いきむわよぉ～う！「いきみたくなったら、吸って・吐いて・吸って・吐いて・吸って息止めていきむのよ～っ！」「はい～！」「目は閉じないで、お臍を見るよ～に！」「はい～！」「お尻の穴を上に向けるようにいきんで～！」「はい～！」何度繰り返したでしょうか？そんな中、お隣のうめき声とかを聴いてたら、妙に冷静になってしまって陣痛が来なくなってしまいました^^;気がつけば、お隣が先に出産してしまいました。怖かったのが助産婦から赤ちゃんを受け取った人が「赤ちゃん真っ青なんですけど…。」「酸素与えてっ！」…大丈夫っすか？微弱陣痛ということで（つーか、陣痛のピークの前にいきんじゃったからだと思うんだけど…^^;）、陣痛促進剤が投与されることが決定されてしまいました。マジ？「どのくらい入れますか？」「６０でも８０でも入れちゃって！」…えっ？…だ…大丈夫っすか？効果テキメン！陣痛来る来る！陣痛のピークでいきまなきゃいけない理由がここでわかったのさ。「ふんっ！！」「長くいきんで～！」「ふぅぅ～んっ！」何度「これが限界」と思ったことでしょう？途中で多分人工的に破水させられて、いきみまくったのでございます。「ダメだわ～。もうちょっとなんだけどなぁ～。○○さん、お腹押してっ！」出産二人がかりでございます。腹押す人に引っ張りだす人。苦しい。押されるのはほんとに苦しい。しかも「あら、この人腹筋ないわね。」…余計なお世話っす^^;「次のいきみで会陰切開して出すわねっ！」嗚呼…やっぱ切るんだ…これだけは避けたかったんだけどねぇ～。「会陰切開は陣痛のピークにやるから痛くないよ」とか「いつやられたかわからないよ」なんていう人がいましたが…とんでもない。サックリされるのもわかったし、痛かったっすよ～ん。「う～ん！」「もう一回いきんで！吐いて吸って～止めてっ！」「う～ん～っ！」「もう一回っ！」ええ～っ？？もうムリっす～！「うううぅ～んっ！」お腹をグイ～っと…「もうダメ～っ！」「はい、息をハッハッハッハに変えて！」あ～、頭出たんだぁ～。いきまなくて済むぅ～！「ハッハッハッハッハッハッハッハッハ。」「…お…オギャァ～ッ！」無事「ハル君」誕生～♪「おめでとうございます！男の子です！」「しってま～す！」（夫婦そろって）生まれたばかりのハル君は、過去二度にわたって見た夢の赤ちゃんと同じ顔をしてました。思わず「三度目だね～。」と声をかけてしまいました。泣いてるハル君に「ハルく～ん」と声をかけたら、ピタっと泣き止んでしまったのが印象的。ちなみにいきんでる間、ダンナはアタシの頭を持ち上げる役目をしてました。さすがに徹夜出産だったので、途中意識がフっとなくなって一瞬寝てたりしました。しかもアタシ、寝言言いました。その一瞬の時に。「敬老の日じゃん。」…なんだったのでしょうか？今でもナゾです。出血も多くなく、後産も気持ちいいと言ってしまったくらいすんなりすんで（胎盤とかが出てくる）、キズを縫ってもらったのだ。…ボソボソ喋るＫ先生が担当だったのだ。どうでもいいキズまでしっかり縫ってくれる先生だそうで、４０分くらい延々と縫われましたのよ。ちなみに院長だと麻酔が効く前に縫い始めて、さっさと終わらせるそうな。院長とまったく逆。縫ってもらってる間に胎盤を見せてもらった。意外とキレイなのね。グロイかと思ってたけど。助産婦さんにも「キレイね」って言ってもらえましたわ^^２時間分娩台で様子を見て、車椅子で病室に帰ったのだ。病室が診察の待合室の隣なので、車椅子で帰るアタシを妊婦のみなさんが注目するのよ。「うふふ～ん、アタクシ出産終わりましたのよ～^^」とちょっと誇らしげな顔をしたかもしれません（笑）。てなことで、ユリリンの妊婦日記はこれでオシマイです。これからは「ハルママ日記」という名前に変わりますのよ^^ヨロピク^^
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