そぞろある記

2007/11/12(月)12:48

大政奉還と大連立

「横須賀夢幻翔」に関わっているうちにまた「竜馬がゆく」が読みたくなり、昨日読み終わった。 丁度読んでいる時期に自民党と民主党の大連立騒動があり、後味の悪さだけを残して終わってしまった。 大連立構想は考えとしては悪くない、というよりいいアイデアだと思っていただけに残念だ。 辞任の記者会見で小沢一郎が大連立した方が政権に近づくという説明も十分納得できた。 「竜馬がゆく」を読んでいる最中だけに、つい坂本竜馬が小沢一郎と同じ立場だったらと考えてしまった。 いささか牽強付会は免れないが、大政奉還と大連立騒動を比較してみた。 大政奉還は坂本竜馬が考え出し、周りの人々を動かし実現した。 当時薩摩藩と長州藩は武力による倒幕に向けて動いていた。謂わば総選挙で政権を目指す民主党だ。だが武力に訴えて戦になれば時勢を見方にしている薩長がいずれ勝つであろうが、内乱状態がしばらく続き、一般民衆の苦しみは救われず、どちらが勝ったにせよ列強に日本は呑み込まれてしまうだろう。 両国会のねじれが続き、市民生活に直結する政策が何も成立せず、国際社会から見放され始めた今の日本のようである。 そこで坂本竜馬は大政奉還を思いついた。 徳川家に幕府を朝廷に返上させてしまい、徳川家も三百諸侯と同列になり、同じ資格で国政に参加する。自民党と民主党が連立で政府を構成するのと一緒である。 だが薩摩藩も長州藩も武力による倒幕一辺倒で、コウモリの山内容堂率いる土佐藩の挙兵を待つ間にも、岩倉具視と共に朝廷への討幕の密勅降下の動きを止めない。 内乱により民衆が苦しみ、列強に蹂躙されるのをおそれた龍馬は、大政奉還のアイデアを実現するために寝食を忘れて東奔西走し、志ある人々に内乱になった時の弊と無血革命の利を説き続けた。説得すべき壺はすべて押さえている。 もとより意見を異にする人間を大事にせよと亀山社中の同志に言い続けていた龍馬である。 初めは意見を異にしていたのに、いずれか彼を敬慕するようになった志士が尽きなかった。 薩摩藩や長州藩の様な強大な後ろ盾を持たない一介の素浪人坂本龍馬が、ついに三百年の歴史をもつ徳川幕府を政権の場から引きづり下ろしてしまった。 なんとスケールの大きい人間だろうか。 なのに・・・・ 独善、稚拙、狭量、説明不足、プッツン・・・ もう比較は止めた。

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