テーマ:治験のお仕事(70)
カテゴリ:医療関係
★今週のテーマは「開発プロジェクトとCROの決定方法」
有馬街道「さて、半期に一度の開発プロジェクトの見直しがやってきました。」 バカボン「現在、当社で進んでいる治験は『不眠症』がPh-1、『吸入式避妊薬』と『吸入式ED治療薬』がPh-2、『二日酔い治療薬』がPh-3、『前立腺がん治療薬』と抗リウマチ薬『DMARD』が導入検討中です。」(*この物語はフィクションです。) 小桑院「不眠症はどうなの?」 さくら「安全性についてはほぼ問題無い。現在までに発生した副作用は『ふらつき』、『口渇』、『食欲増進』で、いずれも軽度でした。」 博多小町「じゃ、これはPh-2へ進むのね。」 カルシファー「はい、そうです。」 かぐや姫「吸入式の避妊薬とED治療薬はどうかしら?」 百年の孤独「こちらも今のところ問題有りません。効果はいずれも高く、副作用も軽度のものばかりです。ただ・・・・・」 Atsu-4「ただ?」 百年の孤独「ただ、営業部から、この2つをセット販売できないかという意味不明の要望が出ています。」 Atsu-4「営業部って、たしか、デーモン部長が一人でやっている部署だったよね。」 百年の孤独「はい。」 まきろん「セット販売というかキット販売というか、その手の承認はセットにする合理的な理由が必要なんだけどな。」 フラワー「その合理的な理由を考えるといって、1週間前から山篭りしています。」 ヨ-イチ「はい、次、行きましょう。」 まひな「二日酔いの薬はどう?」 トトロ「こちらは間もなくデータ固定が終わります。キーオープンは8月上旬、年内には申請ができると思います。ただ、これもまた・・・・・・・。」 ゆーり「これもまたデーモン部長?」 みかん「ええ、二日酔いの薬を錠剤ではなく、ドリンク剤にできないかという要望が出ています。」 港野陽子「要は液剤にしたいということ?」 パピヨン750「なんでも、『飲む前に飲む。飲んだら飲む。飲まずに飲めるか。これが飲まずにいられるか』というキャッチコピーを是非、使いたいと。」 ぼつ「却下。」 のん「さて、問題は導入検討中の2つの治療薬候補です。」 薬師寺「前立腺亜がんの治験薬は海外でも効果が確認されつつあります。」(*この物語はフィクションです。) ヨコタテ「問題は、当社は抗がん剤の治験経験がほとんど無いということ。」 織姫「そうね。もしこの抗がん剤の開発を進めていったら、モニターの確保が難しいわね。」 みたらし大福「ほとんど無理と言っていい。」 なつき「抗がん剤専門薬剤師をリクルートして、モニターにしたらどうでしょう?」 やまちゃん「まだ抗がん剤専門薬剤師が少ないから難しいと思うな。」 ゆみぴー「抗がん剤専門のCROに頼んでみますか?」 やなか爺「それも、今、調査を進めているところじゃ。」 翡翠「もし、将来的にも当社が抗がん剤を開発し続けるのなら、自前のモニターも確保したほうがいいと思うわ。」 ひで「モニターだけでなく、抗がん剤の開発ストラテジーを考えられる開発スタッフも育成する必要がある。」 くも「まずは、抗がん剤専門のCROに委託して、そのノウハウを学びつつ、自前のモニターや開発スタッフを育成するのがベストだと思うけど。」 ピクミン「ただ、問題はまだ抗がん剤専門に特化したCROが少ないということと、抗がん剤の開発経験のあるCROがそもそも少ない。」 ドンドン「そうなんだ。だから、現状ではCROに委託できるかどうかも現状では未知数だね。」 秘密研究員「可能性のあるCROは今、3社ほど、コンタクトを取っています。」 メタルナイト「モニターが無理なら、せめて、抗がん剤の開発コンサルティングだけも頼み、そのノウハウを蓄積しつつ、一般のCROモニターと当社のモニターを抗がん剤開発スペシャリストにしていく、というBATNA(交渉が決裂した場合の最善の策)も有る。」 よっきゅん「じゃ、抗がん剤のほうは、その線でいきましょう。」 ブライアン成田「抗リウマチ薬『DMARD』の導入はどう?」 ふじおねえ「こちらはPh-1までなら当社だけ行けるけれど、Ph-2まで進んだら、完全に人手不足になります。」 震電 「予想では当社のモニター以外に8人のCROモニターが必要になりそう。」 kaizer11「で、どうするの?」 プリンセス・オーロラ「今回は、初めての試みだけれども、8社のCROと契約し、それぞれのCROの中から、ベストメンバーを選んでもらうことにしました。」 しまうま「1つの試験を8社とやるの?!コントロールできるかな?」 デーさん「当社に専属でコントロールマネジャーを一人、置きます。」 ルーシー「コスト的にはどうなの?効率悪いんじゃないの?」 ルパン三世「そう思うでしょ?ところが試算してみると、意外とそうでもない。」 こさめ「まず、各CROが8人も一度に出せる、というのはなかなか無いのよ。それが一人だけ、というなら、まず問題無いの。」 スナフキン「コストは?」 くりこ「これも、各CROとも一人でも遊ばせておくモニターがいるよりも、仕事をやってもらいたい、という思惑が有るから、結構、コスト的にこちらに有利に運べるわ。」(*この物語はフィクションです。) 大黒「それに8社のコストをならしてみると、平均的なコストか、それ以下になる。」 社長秘書「じゃ、やっぱり一番の問題は、8社のモニターとうまくやっていけるかどうかね。」 るみ子の酒「コントロールマネジャーの腕しだいだわ。」 オチケン「いずれにしても、これからは、CRO専門のコントロールマネジャーがどこの製薬会社にも必要になってくるわけですね。」 *この物語はフィクションです。 ◆架空の製薬会社『ホーライ製薬』 ◆医薬品ができるまで お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 24, 2006 08:59:55 PM
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