2011/12/04(日)09:38
おすすめのミステリー★2011年度ミステリーベスト10(週間文春)●第5位「絆回廊 新宿鮫X」大沢在昌 (著)
「まったく、新宿って街は妙なところだ。ばらばらに飛び散ったもんが、いつのまにかまた集まってきちまうのだからな」
巨躯。凄味ある風貌。暴力性。群れない──。
やくざも恐れる伝説的アウトローが「警察官を殺す」との情念を胸に22年の長期刑を終え新宿に帰ってきた。
その大男を阻止すべく捜査を開始した新宿署刑事・鮫島。
しかし、捜査に関わった人びとの身に、次々と──。
親子。恩人。上司。同胞。しがらみ。恋慕の情。
荒ぶる男が帰還し各々の「絆」が交錯したとき、人びとは走り出す。
累計600万部突破「どの作品から読んでも大丈夫。
ハマる」人気シリーズ第10作。
巨躯。凄味ある風貌。暴力性。群れない―。
やくざも恐れる伝説的アウトローが「警察官を殺す」との情念を胸に22年の長期刑を終え新宿に帰ってきた。
すでに初老だがいまだ強烈な存在感を放つというその大男を阻止すべく捜査を開始した新宿署刑事・鮫島。
しかし、捜査に関わった人びとの身に、次々と―親子。
恩人。上司。同胞。しがらみ。恋慕の念。
各々の「絆」が交錯した時、人びとは走り出す。
熱気。波瀾。濃度。疾走感。
久々の新刊なので前作までのストーリーはほとんど覚えてなかったのですが、途中途中に説明があり、だんだん思い出してきました。
恨みのある警官を銃で殺そうとする大男がでてくるところから話が始まるのですが、大男の正体とは?恨みのある警官とは?そして謎の犯罪集団の正体とは?
といった謎が最後まで話をぐいぐい引っ張って飽きません。
最後は読んでて涙ぐんでしまう展開になります。
昔から「新宿鮫」は面白いと聞いていたが、ハードボイルドとかミステリーとか、ジャンルでくくられるものとそれを熱く語る人たちに嫌悪感があったので敬遠していた。
しかし今回は、複数の人間に「とにかく読め!内容は教えられないけど」と同じような表現で進められたので購入。
一気に読了。よくある「感動の物語」が薄らぐ怒濤の感動。
「とにかく読め!」の意味分かりました。どこをどう説明しても、ネタバレになるからなんですね(笑)。
シリーズの主人公は刑事だが今回は「大男を待つ人」でしょう。
その人以外も、脇役たちの人生、心情の描き方が素晴らしい。
…とはいうものの、それらが淡々と描かれるのならただの人情物だが、狂気をはらんだ男が帰還することによって巻き起こる一連の事件の描き方の、なんと不気味なことよ。
そして怒濤の後半に突入、読了し、感情の根本を揺さぶられるような衝撃が走り、しばらく小説から抜け出せなかった。
小難しいことは一切描かれていない。物語も古典的と言っていいほど明快。
だけど深い。それはこの作品が「人間」に正面から向き合っているからだろう。
食わず嫌いを反省。
シリーズ一巻から読みます。遡るのも悪くないでしょう。
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