失うもの・・・
昨日、夜中に、15年来の友人から、電話があった。 1990年代、お互いは、電気メーカーにいた。 彼は、2000年を迎えるころ、起業して、メーカーを退社。 美人のモデル系の女性と再婚もした。 ちょくちょく情報交換も兼ねて、会ってはいた。 ここ数年、不況のあおりを受け、事業も低迷。 一時期は、100名以上の社員を抱え、都内の一等地のオフィスを構え、 順調に推移していた。 私生活のほうも、男の子が生まれ、高級車に乗り、海岸沿いの大きな家に 住んでいた。 次第に、会社の運営も厳しくなり、人員削減、資金繰りに奔走する日々が始まる。 彼の奥さんの父親が、大手シンクタンクの役員。 そこからの資金で、やりくりするようになっていたが、昨年春ついに倒産。 共同経営者だった、奥さんは離婚。子供といっしょに海岸沿いの自宅で、 事業を始めた。もともと、学生時代、長期留学していたこともあり、語学力が あったので、翻訳や英会話教室を開いたらしい・・・。 彼は、その家を出て、知人の家に居候していたが、昨年夏、自殺未遂。 しばらく、入院のあと、身元引受人のもとで、生活をしている。 最近は、苦悩の毎日のようで、夜中に耐え切れなくなるのか、電話がかかってくる。 生活保護とか保護施設での生活を勧めるのだが、それは嫌だと言う。 もう、プライドとか持って動く時期では無く、一旦全てをリセットすることが、 大切なことのように思う。 良く、名刺が無くなれば、何もなくなると言うけれど、日本人の会社ブランド、大学 ブランド意識は高いと思う。しかし、何もなくなってしまった今、もう一度原点に 立ち返って頑張ってほしい。 もちろん、自分自身に置き換えても、他人事では無いし、 いつ仕事がなくなるかわからないから、そういう危機管理意識は、持っていたい。 重い話で、恐縮だが、今、仕事が無かったり、残業が多くて嘆いていても、 立ち止まっていては、次に進めない。まずは、勇気を出して一歩踏み出すこと。 もちろん、自分自身にも問いかけていきたい。