カテゴリ:日記のようにプチ小説w
「さて…荷物も置いたことだし…主催者に直接会いに行く?」
手荷物を整理しておいた後、山本は突然2人にそういった。 「へ?会いに行くって…センセ…主催者のいる場所…わかるんで?」 突然の発言に気の抜けたような声で、船越が山本に問い返した。 「ん~…ここの島の構造上ね…主催者がいそうなコテージって、大体決まっているんですよ。船長。…他のツアー客とばったりと会うこともなく、島内放送ができる装置のあるところといえば…?」 と、そこまで山本が言ったところで船越が、 「あぁ…確かに、あそこのコテージになら…主催者用として使っていてもおかしくないなぁ…さすが、センセ…読みが鋭い…!」 2人の会話についていけない恵美が、割って入るように声を発した。 「ねぇ!あそこのコテージってどこよ…私はこの島に来るの初めてで、まったくわからないんだから…わかるように説明してよ!」 少し苛立ちながら恵美は大きな声を出して2人に言った。 「おっと、そうだったね…誘っておいて、この島について説明してなくて、ごめんごめん」 そういいながら、山本は、島の見取り図を取り出して、島の具体的な説明を始めた。 「まず…僕らのいるコテージがこのコテージになるんだよ」 そういって、地図の中心から、少し右上のあたりに書かれているコテージの絵を指しながら言った。指している指を現在いるコテージとは逆側の、地図の中心左上のコテージを指差して、 「このコテージが…たぶん主催者が使っているコテージになるんだよ。…この島の管理所以外で、島内放送ができるのはコテージしかないし」 恵美は、山本の説明を聞き入りながら、山本に尋ねた。 「…島内放送ができるって言うのはわかったけど…なんで、他の参加者と会わないって…断言できるの?」 「それは…このコテージのあるところは、関係者以外立入禁止になっているんだよ」 「へぇ~…なんでなの?」 「…」 恵美の質問に対して、山本は少し黙ってしまったが、少ししてから、 「あんまり大きな声ではいえないけど…少し…このコテージ付近で事故があってね…だから、ここのコテージは許可がないと入れないようになっているんだよ…たぶん主催者はちゃんと許可を取ったんじゃないかな…?」 恵美は、山本の少し重い言葉に、少し動揺しながら、 「そ、そうだったの…せっかくの旅行を楽しみたいし…詳しい話は旅行が終わったら聞かせてね?」 と、それだけ言った。 「う、うん。詳しい話は…後でね…。とりあえず…そのコテージに向かおうか?」 山本はそう言って、出発する準備を始めた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004.11.22 06:16:57
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